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実 録 老 婆 顔 面 騎 乗​ (cakes連載「キモい男、ウザい女。」第20回)

cakesの人気連載「キモい男、ウザい女。」から、よりすぐりのバックナンバーをnoteでもご紹介していきます。

異性の性器を、はじめて見たのはいつだったか覚えてますか? そう、今回のAV監督の二村ヒトシさんの連載テーマは、ずばり「女性器の想い出」。「小さいときから、漫画などに載っている女性器の模写をおこなっていた」という二村さんが、小学生のときに至近距離で対峙した「女性器」の想い出とは……?


斎藤環さんの書かれた『生き延びるためのラカン』(ラカンがジョジョ立ちしてる表紙の肖像は荒木飛呂彦さん筆)を読んでいて、いろいろ面白いのだが、いまの僕にはまだわからないことも多い。

精神分析家フロイトやその弟子ラカンのいう、子どものころにすべての人の心の中で起きるという【去勢】が、あるいは【エディプス・コンプレックス】の形成が、僕のように「父親のいない場所で育った男」には、どのように起きるのか?

僕は凄く甘やかされて育ったけれども、もちろん「去勢されていない」わけはないだろう。ラカンによれば「去勢の受け入れが、人に欠如をもたらす。人間のあらゆる欲望は、この欠如によって確立される」ということだ。僕には欲望がある。

【たりないもの】を感じているから欲望があるのだ。

僕が今も感じ続けている【たりないもの】の正体は、なんなのだろう?

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