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90's Heavy Metal/Hard Rock回顧 ⑤1994年

本シリーズも5回目、1994年。今回聴き直した30枚余りのアルバムのリストを見てみると、少しずつ時代が変化していっているなあ、と思う。当時は刺激を求めて無我夢中で新たな音楽を聴き漁っていたが、ある意味「結果」を知っている現在から振り返ってみると、「あーこの辺りからこういうバンドが出てきて今後大きくなったのか」とか「この頃こういうのばっかりあったけど、あとちょっとしたらなくなるんだ」とか。そのためもありこの企画をやっているのだが、改めてやはり面白い。

1.まずは今聴き直しても名作と思った3枚から。
Prong "Cleansing"

当時から大好きだったんだけど、その後余り聴く機会がなく、本当に久しぶりに聴いたが、いや今聴いてもカッコよかった。これってこの後のニューメタルとかに繋がっているんだな、たぶん。ギターはヘビーで良い音だが、ドラムとかもっと良い音だったらもっと評価されてたかも。

Pantera "Far Beyond Driven"

もうこれは外せない。大名作「Vulgar Display of Power」(1992)からの、待ちに待った新作で当時もちろん発売日に買ったと思う。で、1曲目が期待通りの激走!"I'm Broken"のプロモーションビデオもメチャクチャカッコいい。
ただ、前作に比べてちょっと無機質になったというか、リズム一本で一曲押し切る、みたいな感じがでてきたかな。まあでもこれも大名作間違いなし。
一番好きな曲は"Use My Third Arm"。

Nine Inch Nails "The Downward Spiral"

これは当時はリアルタイムでなく、多分1995, 6年ごろに初めて聴いたんだけど、とにかくハマって聴きまくったな。緻密な音とメロディー、世界観。何度聴いても全く飽きない、凄いアルバム。

2.1994年にリリースされた衝撃のデビューアルバム
Machine Head "Burn My Eyes"

Earacheに並び、いつもお世話になっていたRoadrunnerから発売された、今でも衝撃のデビューアルバム。Roadrunnerは外れも多い印象だったが、これは本当にカッコいい。基本はBlack Album以降のヘビー路線だが、大胆にドラマティックにスピードパートに突入したりでカタルシスが凄い。

Korn "Korn"

当時は完全に後追いで、2nd「Life is Peachy」後に初めて聴いたと思う。今振り返ってみても、1994年にこの音はやはり新しい。特にベースがDJのスクラッチみたいなバンドいないし。この1stはそういう意味では凄いのだが、曲の質はこの後5thぐらいまでで飛躍的に成長していく。

In Flames "Lunar Strain"

1曲目の最初から、もう「ザ・メロデス」なんです。
当時、貪欲に新しい刺激を求めていた中で、「どうやら北欧でメロディックなデスメタルが熱いらしい」とどこかで聴いて、ディスクユニオンの店頭でも少しずつそういうバンドが増えてきた時に、これが出て一気に爆発!という感じだったかな。このバンドの新しい作品も良いと思うが、なんかこの頃の曲調とか音ってやっぱり1つの時代だったんだと実感。ちなみにAmorphis "Tales from the Thousand Lakes"もこの年発売されている。

3.メタルの多様化を象徴する作品たち
Misery Loves Co. "Misery Loves Co."

Godflesh "Selfless"

Brutal Truth "Need to Control"

今回の振り返りでそれこそ当時以来に聴いて、カタルシス満載だった3枚。相変わらず激しいメタルがメインだったが、箸休め的に聴いていたのがGodflesh。Brutal Truthは当時は私的年間ベスト10に入っていたが、今聴くと「うーん」ってなった。

その他には
Marilyn Manson "Portrait of an American Family"でデビュー。
Megadeth "Youthanasia"でよりメロディー志向へ。
Slayer "Divine Intervention"で相変わらずのスラッシュ披露。
あたりか。

最後に。
カバーはNailbomb "Point Blank"。SepulturaとFudge Tunnelの融合。打ち込みのドラムといい、時代を象徴する1枚かと。


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