「証城寺の狸囃子」の狸の子孫に会いにいく
しょう しょう しょうじょうじ
しょうじょうじの にわは
つ つ つきよだ
みんなでて こいこいこい
野口雨情の作った「証城寺の狸囃子」では、腹をたたいておどる狸が登場する。
この歌は、千葉県の證誠寺(歌と元ネタでは寺の名前が少し違う)に伝わるいい伝えが元ネタとなっている。
実際に證誠寺を訪ねてみた。
いい伝えによると、夜にも関わらず庭がさわがしいので和尚さんが外を見てみたところ、狸たちが腹をたたいて音を出しながらおどっていたという。
和尚さんは楽しくなって毎晩一緒におどっていたが、ある時を境に狸たちが姿を消してしまった。
不思議に思って探してみると、たたきすぎで腹が破れた狸の死骸が落ちていた。
あわれに思った和尚さんは、狸のために塚を作って葬ったという。
その塚が今でも寺にある。単なるいい伝えと思いきや、証拠が形になって残っているのだ。
腹をたたいておどる狸。普通に考えて、ただの獣ではないだろう。ちょっと調べた限りでは彼の正体に言及した記録はなかったが、妖怪や神様のたぐいかもしれない。
彼がただの狸でない証拠として、彼の子孫がただ者ではないということがあげられる。
證誠寺の狸は腹が破れて死んでしまったが、彼には娘がいる。その名もかずさ御前だ。彼女は狸の神様「本陣狸大明神」に嫁いでいる。
「証城寺の狸囃子」の狸の娘はめぐりめぐって神様の妻になっていたのだ。
かずさ御前は故郷を離れ、北海道に移住したという。
ちょっと北海道行ってきます。
北海道のすすきの。
ここには狸小路という商店街がある。
巨大な狸の人形が飾られている。
看板まで狸。ここは狸の神様のお膝元であることがよく分かる。
狸小路にある、本陣狸大明神の祀られている本陣狸大明神社。 狸小路を守る神様であり、かずさ御前の夫だ。
千葉県と北海道という遠い遠い土地同士がいい伝えでつながるのは面白いし、非業の死を遂げた狸の子孫が元気にやっていることも分かって良かった。
帰ります。
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