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毎朝買う200円のエナジードリンクから、私は何を得ているのだろう?

毎朝、通勤の乗り換えをする駅構内のコンビニで、一缶200円するエナジードリンクを買う。入職して初めの頃は、寝不足だったり、体調があまり思わしくない日に、お守り代わりとして週に1,2回買う程度だった。けれど、今ではもうすっかり、週5回買うことがルーティンになってしまって、「お守り」として買っていたものも、いつしかありがたみが薄れてしまった。ただ、何となくではあるけれど、「飲んでおかないと不安」みたいな強迫観念にとらわれている。「依存」とも言えるだろう。

正直、エナジードリンクに入っているカフェインやアルギニンなどの成分が、どのくらい効果があるのかは、私にはわからない。成分よりも、むしろ「毎朝、200円自分に投資している」という事実の方が、よっぽど私には効果があると思う。

よく「翼を授ける」と、表現されるけれど、飲んで授けられる「翼」の意味は人によって違うんじゃないかと思う。そして、違っていいのだ。

私の場合は「お守り」として、年の離れた職場の人やクライエントに関わっていくための「勇気」や「自信」専門用語や情報をインプット、アウトプットするための「集中力」を得ているんだと思う。そして、その「勇気」や「自信」「集中力」は、本物ではないから、効果は1日で切れてしまう。

大学の精神保健福祉の講義で、アルコール依存や薬物依存などの依存症を学んだ時に、就職活動の面接でスラスラと話すために、面接前に企業のトイレで飲酒してから面接に臨む就活生、10時間以上にも及ぶ神経を繋ぎ合わせる繊細な手術を集中力を切らさず続けるために薬物を使用する外科医。

みんな、目の前にあることを乗り越えるために何かに依存していた。私もそれは同じ。

アルコールも、薬物も、エナジードリンクも、依存してはいけないことは誰だってわかっているはずなんだ。けれども、背に腹は変えられない場面がある。私は弱いと思う。お金だって、考え方によっては、もっと有効活用できると思う。だけれど、今の私はそうでもしないと今日一日を乗り越えられないんだ。

きっと明日も、「今日は買わずに済みそう」って思えることを願いながらも、駅構内のコンビニでエナジードリンクを買ってしまうと思う。そして、7時22分にコンビニを出た瞬間にプルタブを開けると思う。そうでもしないと、乗り越えられないんだ。


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