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知識の液状化 / 結晶化 に使いたいScrapboxとG suiteの話

この記事は、klis Advent Calendar 2018 の22日目の投稿です。

今年も (来年も?) やっていきたいと思います。

目次

はじめに
液状化 ⇄ 結晶化
Scrapboxによる液状化
G suite (Google Apps)による結晶化
おわりに
参考文献

はじめに

 本記事の執筆を担当するのは、気合の鬼兄さん a.k.a. 気合( @Nigensei848 )です。klis16の代のすみっコぐらしで頭髪の育成に精を出しております。三つ編みとかよりもっとカワイイ感じのヘアアレンジがしてぇな?

 今回は「主専攻実習:定理証明班はなにをやっているのか or klisのチームドライブもっと使え論」の予定だったのですが、前者はklis16が中心となって書いている「klis雑に愛を叫ぶ Advent Calendar 2018」の方で報告させていただきました。

 よって、後者の話を書こうとしたのですが、なんとなくうまく筆が進まなかったので、ちょっと趣向を変えて、私が春から使い続けてきたScrapboxとG suiteを中心とした話をしてみたいと思います。

なおこの記事は私のScrapboxで書かれたものをnoteに合うように再編集した記事なので、Scrapbox版が見てみたい方がいれば、こちらのリンクからどうぞ。         https://bit.ly/2AcRJSm

液状化 ⇄ 結晶化

 Scrapboxについて話をする前に、「知識の液状化 / 結晶化」という概念について触れておきます。以下、引用です。

Horiの提言する「知識の液状化と結晶化」の方法論とは,従来述べられてきた知識創造理論を現実に活用した上で,新たな知識創出のために,その知識創造過程を循環的に支援するという方法論である. プロフェッショナルの思考空間には,分節化された情報群と暗黙的な情報群とが混在している.この状態を「KnowledgeNebula」と呼び,プロフェッショナルは,経験によってその情報群を必要なときに自分の置かれた文脈に適合するように再構築して利用されることが求められる.「知識の液状化」とは,この分節化されている情報群やその他の外部に存在するデータなど,構造化されていない断片的情報群をなるべく実際の業務に沿う形で抽出して,"KnowledgeNebulaCrystallizer(KNC)"に蓄積するという過程である."KNC"は蓄積された情報の断片をある視点(ContextualKeyword)から再構築して提示するシステムである.その提示された情報およびその情報とのインタラクションを通じて,プロフェッショナルの思考空間(KnowledgeNebula)内から要素を選択して「現在および特定の文脈にあわせて構造化した新たな知識・情報」を創出される過程が「知識の結晶化」という過程である

出典:横山 美和, 田中 克明, 赤石 美奈; 堀 浩一. ラジオ番組制作におけるコンテンツ生成支援に関する一手法: 制作者の内省的思考を促す創造支援システム. 映像情報メディア学会誌. 2005, 59(5), p.776-786. https://doi.org/10.3169/itej.59.776, (参照 2018-12-21). 

私の言葉で平たく言えば、
・知識の液状化とは、構造化されていない断片的情報を抽出し、蓄えること
・知識の結晶化とは、液状化された蓄積から要素を取り出して再構造化し、新たな知識・情報を創出すること

と言い換えられるかと思います。

 ここで私は、この〈液状化〉〈結晶化〉という2つのプロセスについて、ScrapboxおよびG suiteというサービス群がまさしく最適なツールなのではないか、と考えました。

Scrapboxによる液状化

 「構造化されていない断片的情報を抽出し、蓄えること」は、極論を言えばそれがどんな形であれ最低限“蓄えること”ぐらいは達成することが出来るでしょう。例えばTwitterにつぶやきを残すのでもいいし、Instagramに写真とタグをアップロードするのでもいい。Wordをメモ帳代わりに使うのもいいし、レジュメの裏紙に鉛筆で書きなぐるのでも良いのです。
 しかし、知識の液状化というプロセスにおいて、蓄えることそれ自体は大した目的ではなく、

①それを後から俯瞰的に見直して
②キーワードから検索して要素を取り出す

ということこそが本来的な目的(→結晶化すること)の達成に繋がります。
 すなわち、液状化においては「見直しやすさ」「検索性」の2つが重要と言えるでしょう。
 そして、この2つの強みを兼ね備えたのがScrapboxというサービスだと私は考えています。

(※この記事では具体的にどういうものなのかを紹介することは割愛させていただきます。Scrapbox版を読むとわかるかもしれない…………?)

G suite (Google Apps)による結晶化

 「知識の結晶化とは、液状化された蓄積から要素を取り出して再構造化し、新たな知識・情報を創出すること」
 
 G suiteとは、GAFAの一角であるGoogle社が提供するウェブアプリケーション群の総称です。みなさんは、G suiteをどれだけ使いこなせているでしょうか?Gmailを使うだけかもしれないし、Google Driveは使いにくいから嫌だという人もいるかも知れません。残念ながらそれは宝の持ち腐れでしかありません。そしてそれは、Scrapboxと組み合わせて使うことでさらなる真価を発揮します。

 なぜなら、各サービスの利便性もさることながら、Gsuiteが提供するサービスの殆どは「シェア」することを前提として設計されており、そこで生成されたURLを利用すればすぐさまその情報源へとアクセスすることが出来るからです。すなわち、Scrapboxを媒介として結晶化をもっと簡単に、たくさん行うことができるようになります。

 ドキュメントやスプレッドシートを筆頭に、フォームやカレンダー、スライド、そしてpythonユーザであればColaboratoryといったサービス群を非常に柔軟につなぎ、検索・アクセスしやすくもカオスを保ちながら蓄積することができます。誰かと共有して共創していくことが前提として作られたアプリケーションというのは中々このGsuiteに比肩するものが出てこない現状だと私は考えています。MSOfficeもいいけれど、代わりにGsuiteを使って友人たちと知識を深めあってはいかがでしょう…?

おわりに

 はじめから完成された物を作ろうとするのは難しい、すなわち頭の中で考えていることを本番一発で理想的なカタチでアウトプットするのはすごく難しい(というかそれを出来る人物はおそらく歴史上存在しないはずな)ので、まずはどんな形であれ文字として書き残したり、思考した記録を残したりしておく必要があります。
 現代においては様々な技術が発達しているのだから、脳内のアイデアを必ずしも紙に書く必要はないと思います。そこで紙の代替ツールとして私がイチオシするのが「Scrapbox」というサービスであり、そこへさらにG suiteまでも組み合わせると、〈知識の液状化〉と〈知識の結晶化〉が同時に達成され互いを高め合うコラボレーションが生まれるということを伝えたかった……………(タイムオーバー)
 
 レポートを書くときとかも、まず大枠を考えて、部分ごとScrapboxのページを分けて作り出すと、意外に簡単に文字数が埋まってしまったりします。(多分卒論はScrapboxに小分けして書くんじゃないかなぁ私の場合は)
 また、Scrapboxの活用法についてはいろいろな先人たちが様々な議論をしてくれているので、気になった方はぜひ調べてみるといいと思います。

先人たちの知恵の私的まとめ → https://bit.ly/2ResB7w

参考文献

横山 美和, 田中 克明, 赤石 美奈; 堀 浩一. ラジオ番組制作におけるコンテンツ生成支援に関する一手法: 制作者の内省的思考を促す創造支援システム. 映像情報メディア学会誌. 2005, 59(5), p.776-786. https://doi.org/10.3169/itej.59.776, (参照 2018-12-21). 


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