初盆とケンタッキー
父が今年の冬に亡くなり、この夏は初盆だった
親戚が集まるわけでもなく、遠方に住んでる末の弟はこないし、私の家族と上の弟家族と母親だけなので、初盆といってもいつもと変わらない盆休みだ。
前日、母にLINEで「パパにお供えするもの買うけど」って伝えたら
「そうねぇ〜パパケンタッキー好きだったからケンタッキー買ってきて」
ふんふんと思って、わかったよと返事をした。
主人に「パパのお供えケンタッキーがいいって」
と伝えたら、
それを横で聞いていた小3になる長男が
「え、お供えでしょ?もっとおまんじゅうとかの方がいいんじゃないの?」
心配されるケンタッキー。
そりゃそうだ。君が正しい。
うちの実家はちょっとおかしい。
だが、翌日予定通りケンタッキーを買っていった。
そしてそれを仏前に供えてお経をあげて、仏壇の前で母親の作ったご馳走とケンタッキーをみんなで食べた。
パパはこの部位が好きだったとか、一日冷蔵庫に入れて冷えてカチカチになってるのに、味が濃くなってうまくなるっていってたとか、父親とケンタッキーについての思い出話をしながら。
数年壊れていた仏間のクーラーが、その日になぜか動くようになっていた。
父はみんなでケンタッキーを食べたかったのかもしれない。