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外国人観光案内所は旅行者ニーズにこんなにも十分応えていない

観光庁の「外国人観光案内所の設置・運営のあり方指針(令和 5年3月)」によると、「外国人観光案内所は外国人旅行者とコミュニケーションを行い、求められる情報・サービスを適切に提供し、訪日旅行の満足度を高める案内サービスを行うことが期待されている。」とあります。しかし、外国人観光客とのニーズに十分応えているとは言えない状況です。

訪日外国人旅行者の観光案内所に対するニーズは、多い順から、1位:文化体験、2位:荷物関連(預かり・宅配)、3位:ご当地産品飲食・試飲、4位:公共交通関連の情報提供、5位:英語対応可能スタッフ、6位:飲食、7位:観光コンテンツの情報提供、8位:パンフレット情報ブース、9位:アクティビティお試し体験、10位:カウンタースペース、などとなります。

出所:観光庁「外国人観光案内所の設置・運営のあり方指針(令和 5年3月)」

一般的に言われているように、モノよりコトの流れで文化体験へのニーズが高く、また、身軽に観光したいと荷物関連(預かり・宅配)のニーズが高いことが分かります。

ただし、認定観光案内所では「文化体験」が10.0%、「荷物関連」が19.4%(荷物預かり24.5%、宅配14.2%)しか提供されていません。こうしたギャップは民間事業者と協力して、早急にニーズを満たす必要があります。

出所:観光庁「外国人観光案内所の設置・運営のあり方指針(令和 5年3月)」

また、ニーズの4位だった「公共交通関連の情報提供」は100%の認定観光案内所が提供しています。しかし、上位に「公共交通関連の情報提供」のニーズが挙がる背景には観光案内所が十分な交通機関の情報を提供できていないためだと推定されます。実際、私は多くの観光案内所で「自動車しか行けない」とそっけなく言われたことが多くあります。

観光案内所の職員は自家用車で観光スポットを視察することが多いと思いますが、外国人観光客の87%は鉄道とバスで移動します。外国人観光客の移動を便利にするためにもより正確な情報提供が求められていると言えるでしょう。

出所:国土交通省「訪日外国人流動データ



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