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外国人観光客にとって、着物・浴衣より、作務衣が有利だと思う理由

前回、日本の職人の技(クラフトマンシップ)が主要な観光資源であることについて、コメントしました。今回は、日本を訪れる外国人観光客が増え続ける中、特に「体験型ツーリズム」において作務衣の重要性に焦点を当てます。

外国人観光客が求めるのは、単なる観光ではなく、実際に日本の文化や伝統を「体験」することです。日本が世界に誇るクラフトマンシップを見るだけでなく、「体験」したいのです。この点で、作務衣はその実用性と快適性において、着物・浴衣よりも優れた選択肢となり得ます。なぜなら、多くの体験型アクティビティでは、動きやすさと快適性が重要な要素となるからです。

例えば、陶芸など伝統芸能や料理教室、農業体験など、実践的な活動を快適に楽しむためには、作務衣が理想的です。もちろん、禅寺の作業着から始まった作務衣が座禅に合うことは言うまでもありません。多くの職人が普段の作業時に着ている作務衣を同じように外国人観光客が着て様々な「体験」をする。このように、外国人観光客自身が作務衣を着て「体験」する姿を写真に撮ることにより、日本での「体験」を帰国後も素晴らしい思い出としていつまでも記憶に残すことができるでしょう。

さらに、作務衣は着付けが簡単で、初心者でも素早く着ることができます。これは、特に時間を効率的に使いたい観光客にとって大きな利点です。また、作務衣は通年を通じて快適に着用でき、気候や季節に左右されることが少ないため、様々な天候や季節での活動に適しています。

一方で、着物や浴衣は動きにくさや着付けの難しさ、気候への配慮などがあり、実践的な活動にはあまり適していないと言えます。特に動きを伴う活動や、汚れや水濡れのリスクがある場合には不向きです。もちろん、着物や浴衣を着て街を歩くこと自体が素晴らしい「体験」ですが、それ以外の「体験」を同時にこなすことは困難でしょう。

総じて、実践的な「体験型ツーリズム」において、作務衣は快適性、実用性、手軽さを兼ね備え、観光客にとってより快適な体験を提供します。これは、外国人観光客に日本の文化を深く体験してもらうための重要な要素です。このため、当社では来年から作務衣をレンタルとして提供することを計画しており、この新たな需要に応える予定です。日本の伝統と現代のニーズが融合するこの取り組みは、訪日観光の新たな魅力となるのではないでしょうか。

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