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日記 2023.10.30(月)

今日はいつもよりも早く起き上がった。8時過ぎの空気の冷たさ、窓から入ってくる光の角度。朝早く化粧をするとなんだか気分が良くて気持ちがいい。毛穴もきゅっとしまって見える。

出発までは1時間半ある。準備するには十分な時間だ。野菜を切ってジュースを作り一気飲み。お腹が空いてはいけないと思ってグラノーラも少し食べてコーヒーも淹れた。
昨日のうちに着る服と荷物を準備しておいたので30分ほど出発まで時間が余った。あとは出るだけの状態になったので余裕を持って日課にとりかかる。朝の光の中で今描いている絵を進めた。顔の部分がうまくいけばあとは一気に進められそうなのだが。少し良くなったところでやめた。寺尾紗穂さんの楽譜集の中から新しい曲も弾いてみた。昨日の夜、歌を聴きながら楽譜も見ずになんとなくiPadの鍵盤をたたいてみた。近そうな音が弾けた。寺尾紗穂の好きな音、よく使う音が少し分かった気がして嬉しかった。
寺尾紗穂さんの歌、お母さんにオカリナで吹いてもらいたいのでわたしもピアノで練習する。『さよならの歌』を吹いてもらおうとしてずっと練習していたのだが、お母さんからお正月にさよならの歌はちょっと意味深な感じがするね、とまったが入った。楽譜集は持っているものの他にもう一冊あって、そちらの中にある曲の方がお母さんの好みかもしれない。コンサートに行った時に買おうとしていたが待てそうにないので寺尾紗穂さんのウェブストアで買おうと思う。楽譜集にある曲の中から1日1曲、お母さんに紹介して吹きたい曲を決めてもらおう。今日は『ねえ、彗星』を送ってみた。

ゆっくりと家を出て駅へ向かう。出発時間はかなり余裕を持って設定したのでのんびり音楽を聴きながら離れたところの駅まで歩いた。ハリーポッター気分でボリューム感のあるもこもこ帽子とネイビーのシャツワンピースを着た。夜は寒くなるかなと思ったのでウインドブレーカーをカバンに入れて、ワンピースの中には長袖のニットを仕込んだのだが歩くと暑い。

30分ほど早めに着いて、トイレを済ませたり周辺をうろうろしたりしてみんなを待っている時間が楽しい。時間に余裕があるとこんなにも気持ちが落ち着いていられるのか。
英語は遅れてくるということだったが、ひでちゃんは予定より少し早めに着いたということで先に会えた。瑛子が来るまでの30分くらいいろいろと話を聞かせてくれた。何にも変わってなくて拍子抜けする。相変わらず可愛くて面白いひでちゃんだった。瑛子と合流してどこかでご飯を食べるかという話になったが、入場まで1時間と微妙な時間しかなかったので青空の下、ベンチでコンビニおにぎりを食べた。ひでちゃんは赤飯、瑛子はフルーツサンドを選んでいるのをみて、2人の雰囲気を思い出して懐かしくなった。
ベンチであれやこれや話して会場前で写真を撮り、いざ館内へ入ると、もう一気にハリーポッターの世界が広がっていた。入った瞬間、当時の記憶がだだだだと戻ってきて、ハリーポッターの世界に入り込んでいた。魔法にかけられたような気持ちになった。
わたしは自作の杖を恥ずかしそうに手に持ち、時々魔法を使ったりしながら思い出いっぱいのハリーポッターの世界を回った。夢のような時間、まさにそんな気分だった。当時、映画を観ては談義を繰り広げていた私たちは笑うポイントが一緒でおかしい。当時も笑っていたシーンやキャラクターたちのことを思い出してまたみんなで同じように笑っていた。たくさんたくさん写真を撮った。そういえばここ数年は、めっきり友だちと出かけることもなくなり、写真を撮ることがなくなっていたなと思う。今日は周りの人に頼んだりしながら思いっきり写真を撮りまくっていた。この感じもデジカメ全盛期の当時を思い出しておかしい。
一度こちらへ来たことがあるひでちゃんが、もうこの次くらいで最後だよと教えてくれていたので名残惜しさをかみしめながら、魔法の終わりを迎える準備をしつつ進むことができた。

瑛子は乳飲み子を抱えている身なのでひと足先に帰り、小学生2人の子どもを持つひでちゃんとひとり身のわたしは入り口付近のカフェでご飯を食べて最後まで名残惜しんでから外へ出た。館内から出てすぐ、魔法が解けたと思っていたら、大きなウシガエルが道を横切っていった。これも演出?とひでちゃんと2人で笑いあった。魔法の世界を背にして駅へ向かうのは寂しすぎた。無理して明るくふるまった。

私たちは確かにあの頃子どもだった。あの時にはもう戻れないけれど、こうして魔法にかかってしまえば新たな気持ちで子どもになれる。大人だって子どもになっていいんだ。そう思えたらすこし気持ちが楽になった。

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