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悪とは何か

『悪とは、システムを無批判に受け入れること』
               ハンナ・アーレント

この言葉には(個人的にマイブームな)山口周さんの著書、『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか』の中で遭遇した。
ハンナ・アーレントはドイツ出身の哲学者、思想家。ユダヤ人であり、ナチズムが台頭したドイツから、アメリカ合衆国に亡命したそうで、「全体主義」について研究した人。少し前にNHKの番組で彼女について触れていたのでその時のメモを貼っておく。

哲学は「真」「善」「美」などといった単純かつなかなか表現しにくい言葉を様々な角度から掘り下げて、その本質は何かと問う学問だけど、「悪」について深く考えたことがなかったため、冒頭の一文はもの凄く響く名文だと感じた。

少し前のnoteにも書いたが、僕は前職でイジメ倒され退職か降格か選べと突き付けられ前者を選び、起業した。
天下り的に他部署から降臨した定年間際のオッサンたちが、回路もソフトも読めないし書けないが故に、毎日毎日会議ばかりを繰り返し、彼らの理想とする製品の企画を開発の文脈も知らぬまま立て、製品開発序盤はいつ開発が終わるのかばかりを気に掛け、製品が完成に近づき具現化する段になった途端彼らの価値観に合わないことを理由に「なんでこんなモンしか出来んのじゃ、アホ、ボケ、カス」と怒鳴り散らし、「そりゃないだろ」と発言したら長年担当していた職を奪われ、会議にも呼ばれなくなり、窓際へと追いやられた。この事象と「悪とは、システムを無批判に受け入れること」を照らし合わせてみる。

この企業のシステムはこんな感じ。

・経営基幹職に昇格したら犯罪がバレない限り降格しない
・経営基幹職は部下をいくら叱責しても問題ない
・社長・執行役員はほぼ全員営業出身なので、メーカーと一般には認知されているが「サイエンス」「クラフト」に疎くても問題ない
・一般職はストレス耐性が高く、ストレスの対価が給与である
・一般職は空気を読み、上司の嗜好を理解しておくと昇格し易い
・英雄色を好む、不倫は文化
・経営資産は「人・モノ・金」

ここだけ見たら誰でも「バカなの?」と思うだろうが、組織の内側に居るとそれが常識なので気がつかない。物事を俯瞰できないと分からない。転職童貞でなくてホント良かった。

自分なりに因果関係を考えた結論はこちら。

「出来ませんと言うな」という創業者の言葉(本来はお客様の「こんな製品を作ってほしいのだけど」とのリクエストを簡単に断るな、の意)を「上司の命令には絶対服従しろ」と曲解してしまった方々が、正常だったシステムを変な具合に改定し、ハラスメント行為を正当化してしまったことが原因。売ることが正義の経営陣は、M&Aで事業範囲を大きく広げてコングロマリット化し、成長しない事業だと見切ると今度は「集中と選択」などといって子会社を売りまくってる。

結局のところ組織というものは(ピラミッド型の組織は特に)、トップが劣化するとその影響が組織の隅々まで伝播し、「思考停止」が正義となり、指示出し人間と指示待ち人間を量産してしまうということ。悪は「思考停止」と言い替えてもいいと思う。

スタートアップ企業が大企業をあっという間に追抜き駆逐してしまうこの時代、「思考停止」や「無関心」であることは悪に加担するのと等しい行為。
大人こそ勇気を出してダメなものはダメと言わなければならない。自戒の念を込めて。

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悪とは何か

岩井康弘 @diggin

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資本金10万円で起業しちゃいました。 見栄をはって失業手当てを受け取らなかったのでお金がありません。サポートして頂けたら元気が出ると思います。

嬉しいです。もっとnote書きます!
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岩井康弘 @diggin

2018年末サラリーマン卒業。2019年7月に株式会社digginを設立しました。 人間社会の問題は人間が作り出したものなので必ず解決できると考えています。 エンジニア/プロマネとしての経験を活かしたコンサルティングを行います。 mail to: info@diggin.jp
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