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2-3 感情脳と理性脳を使い分けると、驚くほど伝わる

【活きる・伝わるクレドとは】

意義・目的・目標・行動を変えるという事は、集団に属する人々が大きなベクトルを同じ方向に向ける事だとお伝えしてきました。企業の意義、目的である【理念・社訓・社是】なども同様の方法で浸透させることができます。フレームワークにも少し遠く本来、企業ごとの強みや課題も踏まえてのものになりますが、例文として下記を記します。

企業における戦略や戦術を上流から下流まですべてを物語で網羅しては1冊の本が出来上がってしまいます。Disneyでは主題があり、SCSE。さらにロケーション・部署毎のバックグラウンドストーリーを。リッツカールトンであれば、クレド・モットー・サービスの3ステップ・サービスバリューなどが続きます。クレドカードも有名ですね。ここでは、伝える情報をどの範囲まで誰に、どんな時に必要とされるかを意識しながら創る事が大切です。物語のチャプターのように幾つかの要素から構成する必要があります。

1.大きく長期的なスタッフとしての意義を全社員に
2.社外に向けた自社の存在意義
3.重要な行動意識指針
4.各部署に向けた意義/各個人に向けた詳細なモノ

ここで注意しておく事は、サービスマニュアルと混同しない事です。マニュアルは全社員共通のクオリティー維持を行う上で必要不可欠なモノです。掃除のチェックリスト1つとっても、どこまで自身の責任として自責しながら職務を全うするかの基準がマニュアルであり、行動の約束です。サービスを行う上での地図です。

意義はそのマニュアル外で起こり得る地図の外側。イレギュラーな事や自発性を活かすべきタイミングで必要となる云わば方位磁石の様な存在です。企業の一員として、社外から視た時ののプロとして、どの様に行動を取るべきか?それを、自身の尺度の中でも共通の大きなベクトルを持つこと。それを方位磁石で見定めるモノこそ真のクレドであるべきではないでしょうか?

物語をチャプター毎に分け、起承転結を受け手の立場から考察し抽象的・具体的表現のバランスを取りながら創り上げる。

文章ですとたったの一行ですが、この作業が会社の未来を左右します。従業員にとっての方位磁石となる、自発性を促すための土台を創り上げる事こそ、後の安全性や効率、売り上げに繋がります。これもまたコストの先行投資になります。まずはやってみて、PDCAを回して課題を抽出しSWOT分析で現在地を確認しながら、ブラッシュアップしていく。ベンチャー企業では成長するためのスピード感は実際、存続さえも左右する要素です。二兎追うモノ…ではありませんが、優先順位を立てる際に意識的に物語の先々の生産性を加味して頂き、このマガジンが少しでもお役立て出来れば幸いです。

また既にクレドのある大手企業などでも、伝わる方法を明確化し今あるクレドをより浸透させるための行動として参考にして頂ければと存じます。属性の壁や、意義などというものは表現であり実際に存在するものではありません。目に見えない部分ですから数値化も容易ではありません。これを経営層の方が取り入れるにはそれ相応の覚悟と投資が必要となります。

侍の時代に洋服を取り入れた先見性は、今に甘んじず一歩踏み出す自己投資ではないでしょうか。周りも同じだからと変化を恐れていては先の時代に追いつくことは容易ではありません。初めに取り入れる覚悟こそ、時代を切り開く一歩なのです。

物語で繋ぐ経営層と従業員という私の生きる意義は、人生そのものです。虫歯になったから歯医者に行こう。心臓が痛いから病院へ行こう。対処・対処が大きなほつれを生む前に。【予防】や【健康寿命】をもっと内側から意識しませんか?スタッフが辞めたから人材紹介で補充しよう。従業員満足度やストレスチェックが良くないからなんとかしよう。ではなく、企業にとっての予防や健康寿命を守る事こそ、貢献し続ける企業の必須条件であるという時代に追いつかなくなる前に。はじめましょう。