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1-2 物語/ストーリーで相手に伝わる習慣が、あなたを変える

【事実<真実の現実】

物語というのは、受け手によって作用が変わります。同じ映画を見ても人それぞれ善し悪しがあるのも同じ理由です。アナと雪の女王を見て「どんな映画だった?」と聴いてみると驚くほど差異が生まれます。自己啓発と捉える人もいれば恋愛映画と観る人もいるのです。私は、自分を偽ることなく信じる人にさらけ出す勇気の映画だと感じました。あなたはどうですか?

名探偵コナンで言う「真実はいつも1つ!」という台詞にはいくつかの要素があります。それは、事件が起きたという事実の中に人それぞれの真実がある。という事です。

真実とは、事実という事象を様々な受け手が噛み砕き自身の体験として受け入れたカタチの事を指します。仕事で言えば、あなたの給与が上がったという事実には、あなたの「これまでの功績が認められた」という真実があり、それと同時に公表される事実の深さによっては、「私だって頑張っているのに」という懐疑心という別の真実を生んでしまう事も起こり得るという事です。

企業においての事実とは、目的であり目標・行動の末の売上です。これは誰が見ても数字として表れる事実です。しかし、そのプロセス=真実は人の数だけ存在する事も事実で。絶対的評価の元ではこのプロセス=真実を各個人に浸透させ満たす事が非常に困難であるというのも現実です。

1つの事実に対して、複数の真実が共存し連鎖しあう場所こそ企業であり仕事なのです。完璧にすべての人を公平に評価するという事をいっているのではありません。事実の伝え方1つで、受け手の真実のカタチは大きく左右されるという事です。

映画や小説は、幸せな結末という事実をそれぞれの真実に当てはある形を、物語というプロセスを使い相対的に評価しうる選択肢を用意する事で、真実を見出す大きなベクトルを提示しているという事です。

今月の売上は10%増にしよう。という事実確認の目標に物語を付け加えたなら。

「売上というのは、必要としている人の感謝のカタチであり。みんなの働く環境をより良くする為の選択肢を増やす手段でもあるのです。既に多くの人の感謝を売上として頂いてきました。ありがとう。しかし、私たちの届けるべき人はまだまだ多くいるのも事実です。私たちの素晴らしいサービスをより多くの人に知ってもらい・使ってもらいましょう。そして1つでも多くの感謝のカタチを来月はもらいましょう。そうですね、今月よりも10%多くの人からありがとうを頂きにいきましょう。その分10%増しで私からみなさんにありがとうをお伝えします。いつもありがとう。もっともっと多くの人に私たちのサービスを届けましょう」

事実として目指す事は同様ですが、感情を動かす様に言いまわす事は物語を通じてまったく別の行動を時として生み出します。実際に、Disneyやリッツカールトンをはじめ感情労働に限らず優秀な企業のマネージャーは往々にして熱くお節介なものです。それは、効率を最大化するために必要な時間的コストの掛け方を、伝え方というカタチに投資しているからではないでしょうか。このご時世にマネジメントや伝え方の書籍を頻繁に目にする機会が増えています。

良い結果を生むために必要な事は1つの事実を複数の真実に置き換える為の一種の翻訳であり物語化=ストーリーテリングという手段がいつの時代も非常に有効である事は、あなた自身の身の回りの数々の物語が私に代わって証明してくれています。