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会派「分裂」 区議会混迷

 昨年4月の江東区長選をめぐる公職選挙法違反事件や新区長就任を受け、区議会の混迷が深まっている。一部の区議が会派を離脱するなど収拾のめどはついていない。
 2023年末、当時の第2会派「江東新時代」(新時代)から3人が会派を離脱した。昨年12月の区長選では、会派で応援する候補が別れ、当選した大久保朋果区長を応援した区議もいれば別の候補を支援した区議もいた。こうした「分裂」の事情も重なり、会派を離脱したとみられる。新時代は第3会派に「降格」。副議長や委員長などの人事に影響を及ぼすことになっている。
さらに混乱に拍車をかけたのは、昨年4月の区長選をめぐる公選法違反事件だ。1月17日に柿沢未途衆院議員や木村弥生前区長が公選法違反(買収罪など)で起訴・在宅起訴されたことを受け、現金を受け取ったとされる自民党所属の区議3人も同法違反で在宅起訴された。3人は同日に党と会派離脱を表明し、新会派「清風会」を設立した。第1会派の自民・参政・無所属クラブは15人から12人に減少した。
 会派構成は昨年12月の区長選前と比べ大きく変わり(図表参照)、1月25日現在、清風会や無所属の区議は7人に。2月1日からはいずれも無所属の高野勇斗氏と間庭尚之氏が新たな会派「立憲民主党・市民の声」を結成する。ある区議は「7人の行動次第で今後の議会運営に大きく影響するのでは」と危惧する。柿沢議員が3月15日までに議員辞職すると4月に衆院補選が行われる見込みだ。7月には都知事選や都議補選も控えていて、政局による混乱は当面続くとみられる。

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