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小野町春香の存在こそにじさんじの魅力である!という話

 今年も始まりましたね、にじさんじ甲子園

 にじさんじ甲子園というのは、Vtuberグループ・にじさんじが去年から開催している野球大会の事でありまして、原形である一昨年のVtuber甲子園から数えると今年で3年目になります。

 去年のにじさんじ甲子園についてはnoteにまとめた記事があるので、それをご覧ください。


 去年は6名のライバーで行われましたが今年は2人増えて8名。メンバーも大幅に入れ替わり、現在eBASEBALLパワフルプロ野球のモードの1つである栄冠ナインにて各々育成をしている最中であります。

 さて、参加者の1人に今回取り上げさせていただく小野町春香さんがいるわけですが。

小野町春香



 小野町さんは2019年の1月末にデビューしたライバーさんでして、同期にはあの3回しか配信を行っていない事で有名な(笑)語部紡さんがおります。

 彼女は個性派揃いのにじさんじライバーの中では比較的大人しいというか、ぶっちゃけて言えば地味な部類の方でして、登録者数10万人を超えたのもデビューから1年8ヶ月経った去年の9月。更にそこからにじさんじ甲子園が始まるまで2~3万人の増数と、にじさんじという箱を考えれば決して登録者の伸びは良くなかった方なんですよ。

 僕も時々配信を観に行かせていただいたのですが、同時接続者数もだいたい三桁がデフォと…いやファンの方が読んでいらしたらいきなりこんな始まりで申し訳ありません(笑)あくまで前振りなので、少しの間お付き合いください。

 まあとにかく、にじさんじの中では決して人気のあるライバーさんではないのは事実なんですね。

 ただ、にじさんじ甲子園が始まってからビックリしたんですが。

 開始から今日まで、小野町さんの登録者数がいきなり3万くらい増えてるんですよ(笑)

 それどころか栄冠ナインをやってる時の同接も2万弱くらいは行ってて、プチブレイク状態に入ってるんですよね。まあにじさんじ甲子園は箱の中で一番人気ぐらいのイベントでどの参加者もやってる間はだいたい2~3万くらいは行くのですが、それにしても普段の小野町さんの配信を考えると跳ね方がえげつない。

 ↑で書いたとおり期間中は参加者全員上がるものなので一過性のものかもしれませんが、ただ登録者の伸びも考えると、もしかしたらこういう可能性もある。

・みんな小野町春香の魅力に気付き始めた?

 まあこんな後方彼氏面腕組みオタクみたいな事書いといて申し訳ないのですが、僕は正直彼女の魅力に気付いておりませんでした(笑)

 僕が彼女の配信を観るきっかけになったのは、小野町さんがプロ野球・読売ジャイアンツのファンだと知ったからでして。

 僕も巨人ファンなんで、好きなにじさんじにいるライバーさんで同じ巨人ファンとわかったらやはり気になる。しかもよくよく調べてみるとかなりコアなファンのようで、いよいよ気になり始めた。

 で一時期メンバーにも入っていたのですが…ただ個人的には深くハマる事なく、メンバーもやめてしまったんですね。

 別に小野町さんのメンバーだけやめたわけではなく、結構いろんな方のメンバーに入って結局ほとんどやめちゃったってだけの話なのですが、当時は彼女の持つ魅力にあまり気付けていなかったわけです。

 さっき登録者とか同接とか、そういう俗物的な話をあえて出させていただいたのですが、伸びる人ってこういう特徴があると思っていて。

①いじりをエンタメに変える技術
②いかにグループ売りができるか
③華

 もちろんこれも前振りです(笑)

 しかし思っている事は本当でして、Vtuberである限り視聴者や他ライバーからのいじりは確実に起こります。

 にじさんじの中では剣持刀也さんなんかが顕著ですよね。ファンの人からマシュマロや雑コラ、コメントなどでいじられたり、ライバーからもよくいじられていらっしゃる。

剣持刀也


 しかし剣持さんはそれを配信で笑いに変えたり、ライバーさんと上手くプロレスする事でいじめっぽさを0にしている。

 そうする事で取っつきやすいキャラクターになる事ができ、現在登録者数40万人という男性ライバーとしてはかなり多いファンを獲得しているわけですね。

 あといじられきっかけでブレイクしたライバーさんで外せないのがベルモンド・バンデラスさん。彼はSEEDsの2期生でデビューした方なのですが、デビューしてから半年間ぐらいはブレイクに恵まれなかったんですよ。

ベルモンド・バンデラス


 
 当時のベルモンドさんは今とキャラも変わらずやっておられたんですが、大人っぽい方で落ち着いた雰囲気もあってかいじられにくい空気もあったんですよね。

 それが伝説の『笹木は嫌われている』でですね(笑)引退を撤回して復帰した笹木咲さんに優しさでリプライを送ったばっかりに、うっかりネタにされちゃったんですよ。


 これで「ベルモンド・バンデラス誰やねん」というめちゃくちゃ失礼な(笑)事を言われてしまったばっかりに、一時期本当にスプリクト荒らしかってくらい「誰やねん」ばかり書かれたんですが。

 ただこれをベルさんは許したんですよ。

 こんなもん、人によってはお気持ち表明じゃ済まないくらい怒るようなネタなんですが、ベルさんは許容して一切怒らなかったんですよね。その結果彼の優しさや懐の広さみたいなものが界隈に周知されて、人気がどんどん上がっていった。

 今では登録者数36万人の人気Vtuberになったわけですから、やはりいじられてそれをどう対処するかというのは大事だ…そう思っていたわけです。

 で、話を戻します。小野町さんは決していじりを嫌がるような方ではないんですが、あんまりいじられてるところを見た事がない。

 にじさんじ甲子園が始まるまで持っていた僕の中での小野町さんのイメージって、「真面目」だったんですよ。他の人はどうかわかりませんが、あんまり視聴者とプロレスをやるタイプでもなかったですし、ファンの方も真面目でしっかり応援しようという方が多い印象。

 しかしそれ故に他人からいじられるというのがなく、どうしてもファン以外の方の目に触れられる機会がない。そうするとブレイクのきっかけもなかなかなくてもったいないなと、1~2年前くらいの僕はそう思っていたんですね。

 あとグループ売りですかね。売れる人って小さなグループを作ってセット売りみたいな事をやるんですが(有名なのだとド葛本社とかさんばかとか)、小野町さんはいろんな方とのコラボはあれどあまり配信コラボ以外でいろんな事をやるグループ売りとは縁がない。

 そして華。まあこれははっきり言ってその人が持つ性質、センスみたいなものなのでこんな事を言っては申し訳ないのですが、小野町さんはあまり大衆受けするキャラクターではないのかなと思っていたんですよね。すべて過去形なのでご勘弁ください(笑)

 それが良いか悪いかは置いといて、人を惹き付けるのって天性の素質じゃないですか。良い意味で言えば月ノ美兎さんのキャラクター性は計り知れない。彼女を超える魅力を持っているVtuberってほとんどいないんじゃないかというくらい凄い華を持っている方だと思うんですよ。

 対して小野町さんは、スターというよりはクラスにいる系の女の子。身近に感じられて安心感のあるキャラクターだと思うのですが、何千人何万人と人を集められるキャラクターではないのかなと、正直なところそう感じていたんですね。

 なのでブレイクというものにはあまり縁のない方かなと思っていたんですが…ちょっと見誤っていたかもしれないと感じた事が最近ありまして。

・にじさんじ甲子園ドラフトで気付いた彼女の魅力

 にじさんじ甲子園は、選手を育てる前にドラフトを行って選手を獲得し合います。

 このドラフトという催し、マジで万能でして(笑)どうあってもドラマが生まれて面白くなるようにできてるんですよ。

 なので今年も当然楽しみにしてたんですが、今年は少し想像以上に荒れた展開になりまして。



 誤解のないよう言っておきますが、今年のドラフトめちゃくちゃ面白かったです(笑)

 僕は予定調和に終わるのが嫌なタイプなので葛葉さんが横槍を入れまくったのにはかなり楽しませて貰いましたし、ドラフトというのはそもそも誰がどこに入るかわからないから面白いので、そういった意味では今年のドラフトはかなり機能しておりました。

 であると同時に、野球ファンではない視聴者からしてみたら予定調和でもなんでも「このライバーさんはこの人に指名されてほしい」みたいな気持ちはあるじゃないですか。その気持ちもよくわかるんですよ。

 まあだからそういう方達にとっては今年のドラフトは少し見ててし疲れる結果になったのかなとも思ったんですが、ただ個人的には小野町さんが荒れた展開の中でかなり機能してたように感じたんですよ。

・ドラフトを癒した小野町春香の純粋性

 上に貼った切り抜きでも元の配信でも観ていただければわかるんですが、小野町さんだけめちゃくちゃマイペースなんですよ(笑)

 被ったのは3巡目指名のみで、後は他の人のいざこざには我関せずといった様子で楽しげにマイペース指名。1位でアルス・アルマルさん、2位で神田笑一さんを指名したのはかなり意外で驚きました。

 実はドラフト始まる前はちょっと不安に感じていて、小野町さんって参加した他の7人の方とあまり絡みを持っているイメージがなかったんですね。であんまり前に出るタイプでもないので大丈夫なのかなと。

 ただ始まってみると思ったより荒れた展開になって、それが功を奏した。彼女がドラフトの中で癒し枠、清涼飲料水的な役割になって、結果的に彼女のマイペースさに救われた方もたくさんいらっしゃったのではないかと。

 そして僕はこの時やっと彼女の魅力に気付きまして。それまで僕は、やはりどこかVtuberさんを登録者数や同時接続者数で判断していた部分があったんです。まあ人気あった方が良いは良いですし、自然と登録者を伸ばすために何が必要なのか、伸びてる人は何を持っているのかを前提に考えちゃってたんですよね。

 あるいは去年ファンの間で議論を巻き起こしたこの記事。


 にじさんじ衰退論ですね。まあ要するににじさんじの中で人気あるライバーとそうでないライバーの差が生まれている、それはどうしてかを解説された記事なんですが。

 僕は別にこの記事に同調したわけではないのですが、なんとなく無意識でこの方と同じく人気のないライバーは何かが欠けてるのかなという思考に陥ってたんですよ。まあ別に衰退論が間違っているというわけではないのですが。

 ただ、小野町春香さんのドラフトでの立ち回り、そして本当に楽しそうに栄冠ナインをやっている様を観させていただいているうちに、1つの僕なりの答えが浮かんできたんですね。それが今回書きたかった事です。

・Vtuberの正解は1つではない

 …というのが、イコールにじさんじの魅力にもなっていると思うんですよ。

 確かに人気を得るのは大事です。Vtuberという文化を発展させなきゃいけませんし、売れてるという事はそれだけ所属企業が儲かり、できる幅も広がる。ホロライブなんかは海外展開に成功してどんどん人気を広げてますよね。

 にじさんじも海外展開では遅れを取りましたが、国内人気は健在で中でも男性ライバーに関してはほぼ独占状態と言って良いくらいに人気のライバーを次々生み出している。これが間違ってるなんて口が裂けても言えません。

 でも人気のライバーが箱を生かす事で同接三桁ライバーを生かしてるのも、間違った状況ではない。

 それはなぜかというと、人気を追いたいファンもいればゆっくり追いたいファンだっているわけですよ。

 人気のライバーの配信に行くと、コメントの流れが速すぎて逆にコメントが打ちづらかったりもする。それにライバーとの会話を楽しみたいのに、本当にただの視聴者としてしかいられないという側面もあるわけです。

 それに同接三桁~1000人くらいのライバーさんって、個人的な印象ですがおっとりした方や気付かれにくいタイプの変人である事が多くて、個人的にはわかりやすいキャラクターよりこっちの方が性に合う。

 本来大きな箱の中にいると必然的に競争を促されて、人気になるために工夫しようとしたり変わろうとしてしまうんですが、にじさんじが面白いのは人気ライバーが仕事する事で不人気ライバーの居場所を作ってあげているところであり、別にグループといっても個人個人が自由に配信しているだけなのでそれが人気ライバーの重荷にはならないというところなんですよね。

 だからのんびり活動したいライバーさんが本当にのんびり活動できる、人気企業でありながらそれが出来ていて観ているこちらとしては非常にありがたいわけです。

 だって僕の推しである雨森小夜さんなんてツキイチですら配信しないんですよ(笑)そんなの普通のとこならおかしいじゃないですか(笑)

 でもそういう人にも居場所があり、そういう人が好きなファンにも同時に居場所がある。それがにじさんじの最大の魅力なんですよね。

 衰退じゃないんですよ。共存なんですよ。

 でマイペースに自分の好きな事を続けていけばいつかブレイクのチャンスも来る。にじさんじも小野町さんみたいな人をマイペースにやらせておく事で、数のいる企画でも自由に人を揃える事ができる。グウェル・オス・ガールさんがにじさんじに入ったのも「自分の企画に人を呼びやすそうだったから」らしいですね(笑)

 にじさんじ甲子園が終わった後で小野町さんのプチブレイク状態が収まるかどうかはわかりませんが、ただ小野町さんが売れる為にキャラクターや配信内容を変える必要はまったくないんですね。

 売れたいのであれば売れるようにしていくのもアリですが、マイペースに活動しても大丈夫な基盤がちゃんと整っている。そして彼女のような「クラスにいそうな女の子」をファンが推せる基盤が整っている環境こそがにじさんじであり、にじさんじの魅力の深さだと思うんですよね。

 今回は以上となります。小野町さんの栄冠ナイン実況は本当に楽しげで観てるこっちまで楽しくなっちゃうので、オススメです。そして本大会も楽しみですね。本番まで各参加者の配信を観まくっちゃおうと思います!

 最後まで読んでいただきありがとうございました!それではまた。

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