ペッパーくん

ローリング寿司ローリング。

今日、めい(三女)の誕生日のお祝いに、家族で回転寿司に行った。

天気はどしゃ降りだったが、めいっ子たちはノリノリ。
ぼくもなんだかワクワクしながら付いていくと、受付にはソフトバンクのロボット、ペッパーくんがいた。

発表された当時は「いよいよロボット時代、到来か」と話題になっていたが、いつの間にか表舞台から消えていたペッパーくん。

初対面だったので「どんなことができるのだろう」とワクワクしながら話しかけてみたが、基本的に無言。時々意味不明に手が動いたりしていたが、それ以上のコミュニケーションはとれなかった。
(タッチパネルを押したお客さんには「いらっしゃいませ!」と挨拶していたから客を選んでいたのかもしれない。)

「今日び、おもちゃだって話しかければ、なにか言うのに」と若干がっかりしながら席に着くと、めい(次女)が手慣れた感じでパネルを操作しはじめる。

聞くと何度も来ているらしく、操作がわからない祖父母を尻目に次々と寿司を注文しはじめた。

ほぅほぅと感心していると、見逃せないお知らせが目に留まった。

なんと!
このタッチパネルの声は、あの神谷明さまだという。

『キン肉マン』『北斗の拳』『シティハンター』の、声優界の神、神谷明さま!

「そりゃー、すごい」と耳をそばだててみると「ご注文ありがとうございます」と確かにいい声がする。

しかし、それ以上でもそれ以下でもなかった。
「お寿司ハンター、冴羽獠」とか「屁のツッパリはいらんですよ」とか「お前はもう頼んでいる」とか言ってほしかったが、そういうのはなかった。

そうして失意の中、しばらく過ごしていると、神谷さまの声で「まもなく到着します」という案内が。

そして、タッチパネルがこんなことに!

ピピピピ!ピピピピ!とアラームも鳴り、なんだかバスターコールだ。

もうすぐ来る。

おれたちの寿司が。

それは「注文品」と書かれた器に乗ってやって来るそうだが、どれが自分たちのものかは、自分たちで見分けなければならない。

そして、我々のレーンの左端から右端にいる間に、それを取らなければならないのだ。

「ちゃんと分かるだろうか」「流れていってしまったらどうしよう」と戦々恐々としていると、めい(次女)は当然のようにひょいっと寿司皿をとって僕たちにサーブしてくれた。

「炙り本マグロ中トロ」とか「大葉カニミソ」みたいな渋い名前のメニューでもしっかり見極めている。

才能というのは、どこで花開くかわからないものだな、と思った。
(その才能が今後なににつかえるのかは、さらにわからない。)

で、肝心のお寿司はというと、全品100円か150円の割にはものすごくおいしかった。すごいすごい、と思って、360円のとんこつラーメンも頼んだけれど、こちらは「まあ、そうだよね」という味だった。

とはいえ、久しぶりの回転寿司は、とても楽しかった。

しばらく来ないうちに、すっかり子ども向けになっている印象で、ピピピピ!とアラームが鳴るスピードも早い。ゲームセンターで寿司をとるゲームをしているような感覚になった。実際、めいたちは大興奮。

もっとも、落ち着いて食事がしたい祖父には、ちょっとついていけないスピードだったようだ。提供が早いことはいいことなのだけれど、おじいちゃん、おばあちゃんと孫という組み合わせを考えると、もう少しだけゆったりさせてもいいのかもしれない。回転寿司店では、こうした「速度」が店の魅力や来るお客さんを決めるんだなあと感じた。

それにしても、しばらく行かないうちに店というのは思わぬ進化を遂げているものである。以前、100円均一の回転寿司に行ったときには「もういいかな」と思っていたけれど、今回の体験で「また行ってみようかな」と変わった。そのぐらい、お寿司の質が上がっていたからだ。

企業努力ってすごいもんだな。
ペッパーくんも、神谷明さまもちょっと惜しかったけれど、そのあたりも今後洗練されていくんだろうなと思う。

おそるべし、回転寿司!

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