おいしい仕事_

おいしい仕事。

昨日は、ハナウタからオリジナルの曲ができるまでを伴走する

が、二件続けてあった。

そのとき気づいたのだけれど、この仕事は、完成した歌を聴くのと違って「途中経過」がみられる。

最初はなんてことのないハナウタから、だんだんとそれがメロディーになって、歌詞がついて、伴奏がつく。

毎回、オンラインで一時間ずつ。
週を追うごとに断片だった曲が全体像を露わにしていく。それは「これからの可能性」が露わになっていく過程で、ミステリー小説を読むのに近い。

あるいは、生まれたての赤ちゃんが、急激にできることを増やしていくダイナミクスを、間近で見るのにも似ている気がする。

この面白さは、やってみるまで分からなかった。
もともとこの『作曲事始』は、一日完結の集合型のワークショップで、そのときには、未完成のものをじっくりあたためるような時間がなかったからだ。

それがオンラインになって、連続講座になって、途中の過程をゆっくりみられるようになった。「次回をお楽しみに!」という気持ちを持ちながら、仕事に臨むことができるようになったわけだ。

そのことで、この仕事は、めっちゃおいしくなった。

昨日はまさしく「この曲の正体がわかった!」という瞬間があって、ちょっと鳥肌立った。

それは現場を共にしていないと共有できなくて悔しいんだけど、本当に一番最初のハナウタが出てくるきっかけから全部つながっていた感じで「そうか!」と納得した。

こういう人の思惑をこえたようなことが起こるから、作曲は面白い。

なんて余韻に浸っていたら、一足先に完成までたどり着いた長崎の片山健太さんが、曲をアップしてくれていた。

『ウチノコ』
作詞 片山健太 作曲 月ちゃん(猫)片山健太 

お外が晴れると お出かけばかり
泣いてはみるけど 戻ってはこない
帰って来てからも 忙しそうで
ごめんね後でねって どれだけ待つの

今のアタシは今しか会えないよ
大きくなるのは あっという間だよ
こっちを向いてよ ねえ こんなに遊べるんだから
隣においでよ ほら それで眠れるんだから

かまってほしくて 近くに行ったけど
しかくい窓に 集中してる
いいときばかり だっこしてこないで
あの時の気持ちは あの時だけよ

そばのアタシより それ大事なものなの
アタシがいれるのは そんなにながくないんだよ
ゴハンを食べよう ねえ 一緒はおいしいんだから
あたまを撫でてよ はぁ うれしさ溢れるんだから

私がいることも あなたがいることも 
当たり前じゃない ウチノコよ生きていこう
 
はなしを聞いてよ  ねえ  気持ちを触ってほしいよ
内の声を聴いてよ  さあ  喜びも悲しみもつれて
いっしょに お出かけしよう

はじまってから三週目か四週目だったろうか、いきなりこの全体像が現れて、本当にびっくりした。「あと何週かな」と思っていたら、もう完成品でてきちゃったよ、みたいな感じ。

この曲の話も書きたいけれど、長くなりそうなので、また今度。

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