近々またiPhoneの新作が発売される。iPhoneは、間違いなくここ100年で最大のイノベーションといえるだろう。

では、そのiPhoneはどのようなコンセプトで生まれたか？　それは、もともと一部のオタクが熱狂していたテクノロジーやエレクトロニクスに、ジョブズが面白さを見出した。そして、その面白さはそのままだと一般大衆には伝わらなかったので、そこにエレガンスを加味した。オタクの熱狂とエレガンスを融合したのだ。

そうしたところ、100年レベルのイノベーションにつながった。これは、アーティストの村上隆さんも同じ文脈かもしれない。アニメに見出した面白さに、現代アートのエレガンスを加味して提出した。そうしたところ、多くの支持を得た。

そう考えると、これからの新しいイノベーションは、誰か一部の超アーリーアダプターが熱狂している何かにエレガンスを加味する——という方法論の上に成立させることができるのではないだろうか。ジョブズがテクノロジーやエレクトロニクスにエレガンスを加味してiPhoneを実現したように、何か一部の人にしか理解できないものにエレガンスを加味するのだ。