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2019年4月富岡浪江取材 正西寺〜南上ノ原

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<続き>

正西寺到着。

17世紀から続く由緒ある正西寺は、昨年5月に訪れた時と変わらず、寂しく佇んでいた。

脇の家を見ると、帰っていないことはわかる。境内は綺麗に保たれているけど。

空間線量はこの程度。放射線管理区域レベルで、首都圏ではありえない数値だが、ここ浪江においてはごく普通の数値。僕も慣れてしまったというか、感覚が麻痺してしまった。

由緒ある正西寺。事あるごとに伝統伝統と喚く保守派の人々は、その大切な伝統をぶち壊した原発事故にはとてもとても寛容だ。

(正西寺からフレコンバッグの仮置場を見下ろす)

正西寺を出て、すぐ脇のホットスポットへ。

ホットスポットでは、ガイガーフクシマで3.7μSv/hを叩き出した。昨年5月は感度の悪いエアカウンターSで3.3μSv/hだったことを考えると、ほとんど空間線量は下がってないと考えるべきだろう。

ここもやはり、地表より高い位置の方が線量が上がる。ここは高台の麓であり、放射性物質が山から降下してくることの証だ。

(空は青いのに)

(空も山も美しいのに)

(廃墟)

ホットスポットを後にし、次は、南上ノ原の町営住宅?へ。高台(小山)の麓の道を歩いて向かう。

(ここは風通しのいい場所だが)

風通しはいいが、右の小山と雑木林から降ってくる放射性物質で、空間線量は常に1μSv/h前後ある。

(春の気配はあちこちで)

(今、ここで犬の散歩をする人はいるのだろうか。丈六公園の方で一度見たことがあるが)

(緑が美しい。この前猿が出たところかな)

(春だなあ 寂しい景色だけど、花見のダシにされる桜より美しいと思った)

(いつかここを登って行ってみよう)

(こんな森の脇では当然、)

(1.72μSv/h)

1〜3μSv/hという数値を、現場に足を運んだことのない人間が「大したことない」とネット空間で書いていたりするが、彼らは自分の住む町の空間線量がどの程度か知らないのだろうか。僕が住むさいたま市は0.04μSv/h程度。つまり、1μSv/hとはその25倍だ。3μSv/hとなれば75倍。健康被害が出るとか出ないとか言う前に、その差を少しは考えてみたらどうか。受動喫煙で発ガン率が何倍とか、そんなことは気にするくせに、放射能となると途端に「大したことない」とか言うのだから、呆れてものも言えない。

綺麗だな。放射能なんか関係なく。

自然は気高い。人間だけが、醜くて残酷で愚かだ。

(南上ノ原の町営住宅を目指す)

(キツい坂を登って)

南上ノ原到着。中上ノ原団地とは違って、「アパート」感が強い。

<続く>

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