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2019年4月富岡浪江取材 境界の道

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<続き>

更地に廃墟にフレコンバッグ、しかしところどころ咲いている桜や春の花が少しホッとさせてくれる。廃墟だらけの富岡や浪江の駅前は、僕はもう見慣れてしまったが、初めて見る人はどう思うだろう。僕が初めて見たのは2015年の5月だが、その時から更地は増えたが印象はあまり変わってない。

とりあえず富岡町役場を目指して歩く。

「日本一小さな漁港 小良ヶ浜漁港」

ふたば医療センター付属病院。看板の向こうにJAEAの施設が見える。病院の前の道は毎時0.7μSv前後。病院の中には放射線管理区域があるはずだが、おそらくその部屋の中より病院周辺の土地の方が汚染されているというのは笑えないギャグだ。

富岡町役場の前を通り過ぎ、隣の文化交流センターにトイレのため立ち寄る。

「満開に咲かそう笑顔の花」

「大本営のでたらめぶりは常軌を逸しており…」という記事をどこかで見た。

桜は綺麗だが、その刹那が僕は好きじゃない。戦中、特攻隊を桜に見立てたというのもすごく嫌だし、ネトウヨがやたらと「桜」という言葉を好むのも嫌だ。

「学びの森」。日本人は原発事故から何を学んだだろう。

「富岡町文化交流センター」は綺麗な建物でトイレも快適だった(笑)。震災後、こういうハコ物には政府が金をつぎ込んでいる。

用を足して外に出て、ガイガーフクシマに目をやると毎時0.7〜1.2μSvはあり、意外と高くてドキッとする。建物は綺麗だし夜ノ森は近いが、ここは帰還困難区域から近い。

昨年5月は菜の花がいっぱいだった場所。今年もそうなるだろうか。

去年は通らなかった道。車止めが置いてあるので、この先は行き止まりかもと思いながらも進んでみる。

(やはり見えてきた)

案の定帰還困難区域のゲート前へ。この場所に警備員はおらず、ほとんど車の通りもないため、容易に侵入が可能だ。冒険心が少し出かかるが、高線量への恐怖と見つかった時のことを考え、断念(当たり前)。

浪江の県道253号のように「通ってください」と言わんばかりにゲートが開いてるならともかく、ここでそれをやったら完全に「侵入」だし、何より桜まつりのためパトロールの人も多いはずだ。

空間線量はこのありさま。

(ゲートから左へ進む)

稲荷神社。狛犬が怒っているように見えた。

桜は綺麗だけど。

空も綺麗だけど。

5月と比べるとそんなに荒れてない。季節的なものもあるし、桜まつりに合わせて綺麗にもしたのだろう。

(バリケード)

(バリケード。ここは帰還困難区域との境の道。バリケード通りだ)

この辺りで、後ろから歩いてきたお爺さんに追い越される。
線量計を首からぶら下げ、あちこちで写真撮影などしていると、現地の人とすれ違う時は少し緊張する。前日、代行バスで一緒になった酔っ払いから言われた言葉も気になり、この時も少し身構えたが、そのお爺さんの身体から「ピッピッ」と電子音が聞こえた。「あ、この人も線量計を携帯してる」と思って少しホッとした。

昨年5月と看板が変わってる。

夜ノ森の桜が近づいてきたが、空間線量はこの有様だ。帰還困難区域が隣にあるのだから、当たり前といえば当たり前だけど。

<続く>


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2019年4月富岡浪江取材 境界の道

鈴木邦弘

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鈴木邦弘

イラストレーター、絵本作家、介護福祉士。第4、6回MOEイラスト絵本大賞入選。PIBO.jpより電子絵本公開中。2019年3月、金沢21世紀美術館にて「もやい展金沢」出展。 https://www.behance.net/niq1973f635

2019年4月富岡浪江取材

2019年4月5日〜7日、二泊三日で富岡と浪江を取材してきました。
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