もっともっとの未来

昔、どこかの誰かは、遠く離れた愛する人とお話がしたくて電話を発明したんだろう。
昔、どこかの誰かは、愛する人をずっと見つめていたくてカメラを発明したんだろう。
昔、どこかの誰かは、愛する人の姿を永遠に残したくてビデオを発明したんだろう。 

これから未来、どこかの誰かは愛する人のために何を発明するんだろう。

誰かは愛する人の思考パターンをコンピューターに取り込むかもしれない。誰かは愛する人の声帯を3Dプリンターで再現するのかもしれない。
誰かはアンドロイドの技術を使って、愛する人の形を再現するかもしれない。
誰かはそのすべてを組み合わせ、AI技術を使って愛する人を完全再現するのかもしれない。
その誰かはそれだけでは飽き足らず、永遠に愛する人といたいがために次は
自分の分身も同じようにつくるかもしれない。


そしてそこから時間がたち、その誰かと、誰かの愛する人の命が尽きていくときがやってくる。

テクノロジーの最先端でつくられた二人の分身は残される

彼らには心は無い。きっと無い。

二人は手をつなぐだろう。恋人だという情報を持ってるから。
二人はおしゃべりするだろう。3Dプリンターで再現された声帯で。

「きれいな空」
「ほんと」
「私のことすき?」
「うん、すきだよ」

そんな会話をするのかもしれない。
二人には心は無い。きっと無い。
そんな二人の見る世界はどんな姿をしているんだろう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?