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リーガ・エスパニョーラ 2018-19シーズン 第34節 レアル・ソシエダ対ビジャレアル レビュー「開幕戦の借りを返した試合」

リーガ・エスパニョーラ 2018-19シーズン 第34節 レアル・ソシエダ対ビジャレアルは、1-0でビジャレアルが勝ちました。

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レアル・ソシエダの対策がビジャレアルを狂わせた

ビジャレアルがリーガで苦戦するようになったきっかけがいつか、と質問されたら、僕は第1節のレアル・ソシエダとの試合がきっかけだったと答えます。

この試合でビジャレアルは、レアル・ソシエダのビジャレアル対策にまんまとハマり、弱点をさらけ出した上で試合に敗れてしましました。レアル・ソシエダの対策は2つ。

1つ目は、ビジャレアルがボールを持っているときは、ビジャレアルの選手に対してマンツーマンでマークし、ビジャレアルのDFがボールを持ったら、積極的に奪いにいくことです。

2つ目は、レアル・ソシエダがボールを持っているときは、ビジャレアルのFWの守備を数的優位を作りながら外し、ビジャレアルのDFの背後を狙ってロングパスを出してボールを運ぼうと試みます。

この2つの対策は効果的で、ビジャレアルはシーズンを通して、この2つの対策を仕掛けてくるチームに苦戦を強いられることになりました。そのくらい、レアル・ソシエダのビジャレアル対策は効果的でした。

レアル・ソシエダは、ビジャレアルに対して、開幕戦同様の対策を実行してきました。ビジャレアルの選手がボールを持ったら、マンツーマンでマークし、DFがボールを持ったら、積極的に奪いにきます。ボールを持ったら、4-3-3のチームオーガニゼーションを採用し、中央のDFがペナルティエリアの幅に開き、中央のMFがボールを受けようと動き、FWはDFの背後を狙います。

ビジャレアルのレアル・ソシエダ対策

しかし、ビジャレアルも黙ってレアル・ソシエダの対策を受け入れたわけではありません。きちんと対策を施してきました。

まず、レアル・ソシエダのマンツーマンの守備に対してですが、愚直に短いパスをつなぐことにこだわった開幕戦とは異なり、レアル・ソシエダの背後を狙うパスを繰り出し、レアル・ソシエダの守備を牽制します。前回の対戦と異なるのは、右MFにチャックエズという、いまやリーガ屈指のサイドのMFがいることです。チャックエズにボールを預けドリブルで運んでもらうだけでなく、背後を狙ってもらうことで、中央のカソルラやイボーラがボールを受けるスペースを作り出すことが狙いでした。

レアル・ソシエダがボールを持っているときは、レアル・ソシエダの攻撃のキーマンである中央のMFを務める左利きのミケル・メリノを警戒し、フォルナルスがマークについていました。フォルナルスがマークを担当している間は、ミケル・メリノは効果的なプレーはできませんでしたが、ビジャレアルとしても、すべてが思い通りに進んだわけではありませんでした。それは、FWのバッカの出来がよくなく、相手を背負ってボールをキープしたり、相手の背後を狙うアクションが少なく、ボールが相手陣内に運べなかったことです。

この試合のビジャレアルのゲームプランを遂行するためには、FWにはDFの背後を狙うプレーが求められますし、FWとMFの間にスペースが生まれがちなので、ボールをキープして、味方が距離を詰める時間を作ることが求められるのですが、この試合のバッカはチームから求められていることができません。仕方なく、左MFで起用していたエカンビをFWに移し、フォルナルスを左MFに移したのですが、エカンビの出来もよくない。フォルナルスというマーカーを外したことで、ミケル・モリノがボールを受ける回数も増えていき、ビジャレアルとしては悩ましい選択を迫られることになりました。

ビジャレアルの決断は、後半開始からバッカを代えてジェラール・モレノを入れることでした。これで少しは改善しましたが、エカンビが相変わらず良くないので、後半27分にペドラザを入れて、フォルナルスを中央に戻します。そして、後半37分にカセレスを中央に入れて、フォルナルスを右に、カソルラをFWの後ろに配置します。交代によって、少しずつチームはボールを保持できるようになり、試合をコントロールできるようになっていきました。上手く修正できたと思います。

ボールを受けるアクションが改善されたフォルナルス

修正に貢献したのは、試合中に4回もポジションを変えたフォルナルスです。フォルナルスは守備者の間を狙って正確なパスを出せる選手です。一方で、正確なパスを出せる選手によくみられる特徴なのですが、ボールを味方に届けてもらうのに慣れているので、相手を外して受けるのが得意ではありませんでした。また、パスを出した後に動きを止めてしまうこともあり、良いプレーが続かない、という課題がありました。

しかし、今のフォルナルスは、サイドでプレーしようと、中央でプレーしようと、ボールを受けるために動き続けることができる選手になりました。守備もサボることがありません。正直、今のフォルナルスだったら、サイドでプレーさせるのではなく、中央でプレーさせたほうが、よいプレーができると思いますし、便利屋のように、ポジションを替えるような選手ではないと思うのですが、本人が不満を示すような姿勢が見られないのは、それだけ必死なのだと思います。

リーグの前半戦で最もチームでチャンスを得ていたのは、フォルナルスとこの試合で得点したジェラール・モレノでした。2人の必死なプレーは、ビジャレアルというチームが、試合に出るために厳しい競争を勝ち抜かなければならないチームになった、ということを示しています。

チームのリーダーはカソルラ

そして、そんなチームを引っ張っているのが、カソルラです。この試合もジェラール・モレノの得点をアシストするだけでなく、ここぞというときに、味方を助けるプレーを連発しました。シーズン開幕当初は、カソルラがすごい選手であることは分かっていたと思いますが、ここまでプレーできるとは、チームの誰もが考えていなかったのだと思います。カソルラがチームの中心としてフル稼働できる、と判断し、中央で起用されるようになってから、ビジャレアルは少しずつ改善していったような気がします。

余談ですが、スターティングメンバーに復帰してからのフォルナルスのプレーを見ていると、「これはカソルラが得意としているプレーだ」と感じるときがあります。特にボールを受ける動きは、カソルラが得意としているアクションが入るときがあります。まぁ、あれだけ「捕まらない」選手が身近にいたら、参考にしないほうがおかしな話です。

これで3連勝。ただ、次節のウエスカ戦の後は、レアル・マドリー、エイバル、ヘタフェと上位チームとの対戦が続きます。特にヘタフェはチャンピオンズリーグ出場権内の4位に位置するため、簡単に勝たせてくれるとは思えません。まずは残留を決めること。チーム状態は上向いていますが、厳しい戦いが続きます。

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西原雄一

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西原雄一

プロ・スポーツレビュアー。note「勝ち負けだけじゃないスポーツの楽しみ方」で #川崎フロンターレ #ビジャレアル と #Bリーグ のレビュー連載中。趣味は愉快な人同士をつなぐこと。#coffee ☕好き。

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