2018年J1第25節 ガンバ大阪対川崎フロンターレ レビュー「2017年と比べてチームは成長しているのか」

2018年J1第25節、ガンバ大阪対川崎フロンターレは、2-0でガンバ大阪が勝ちました。

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今回は以下のようなテーマで書いています。「1」「2」はどなたでも読むことができます。

1.「準備が上手くいった」ガンバ大阪
2.ガンバ大阪の戦い方に対応できなかった川崎フロンターレ
3.2017年と2018年の川崎フロンターレを比較して分かったこと
4.小林と中村以外の選手たちの得点数が減っている
5.2017年シーズンからの上積みが感じられない2018年
6.どこか1点に絞って修正できるか、どこを修正するのか
7.2018年シーズンは鬼木監督の力量が試されているシーズン

「準備が上手くいった」ガンバ大阪

この試合のガンバ大阪の勝因は「準備が上手くいった」ことだと思います。この試合のガンバ大阪は、守備時は5-4-1というフォーメーションで戦いました。川崎フロンターレのDFがボールを持つと、渡辺、小野瀬、倉田の3人が、谷口、守田、車屋の3人をマークします。

ガンバ大阪のマンマークは徹底していて、オ・ジェソクが登里、藤春がエウシーニョ、大島と中村には遠藤と今野がマークします。DFもファビオが小林をマークし、三浦と菅沼は家長と阿部をマークします。ガンバ大阪は川崎フロンターレがハーフラインを超えてきたら、一度ペナルティエリア付近までDFが下がり、相手の攻撃を待ち構える守備に切り替える「二段構え」の守備を用意していました。

川崎フロンターレは、たぶんガンバ大阪が5-4-1というフォーメーションを採用してくること、ボールを持った時に素早く寄せてくることは想定していなかったのだと思います。

僕はプレビューに「ガンバ大阪のボールを持っていないときのアクションに注目」と書いたのですが、直近の2試合を見た限りでは、ガンバ大阪の守備はボールを奪いにいく選手のアクションは強度が高いのですが、ボールから遠い位置の選手が連動して動けておらず、ボールを奪えなかったとき、連動して動けていない選手の位置を攻撃されて失点していると感じていました。

ガンバ大阪の宮本監督はそのことに気がついていたのだと思います。試合後の記者会見で以下のように語っています。

試合前のミーティングで、去年良かったところ、出来ていたところ出来ていなかったところを選手に確認をしてもらいました。それは守備面での1対1での局面だったり、連動してボールを奪う部分だったりというところのビデオを見ました。そういった中で今日の試合に関して、それがカギになる、システムもやり方も少し変えた中で、さらに1対1の局面をいかに戦うかというところを強調して入りました。

この試合でも試合序盤では守備の動きが連動していない場面がありましたが、時間が経つに連れて修正されていきました。何より、この試合から復帰した今野とファビオというボールを奪う技術に長けた選手が、川崎フロンターレの選手からことごとくボールを奪い続け、他の選手の問題をカバーしてみせました。

ガンバ大阪はfootball-labのデータによると、シュートチャンスを相手に与える確率がリーグ18位(13.9%)だったのですから、シュートを打たせない守備ができれば、これだけの戦いができるということを証明した試合でもありました。

一方で、攻撃に関しては、まだボールから遠い位置の選手のアクションが少なく、ボールを受けようとアクションを起こす選手も多くありませんでした。

ボールを保持することはできても、なかなか相手陣内にボールが運べず、攻撃を仕掛ける時間が少なかったのは、守備に体力を奪われたということもありますが、ボールを受ける選手のアクションが少ないことも要因だと思います。

ガンバ大阪としては守備がある程度できるようになりましたので、今後は「いかに相手陣内にボールを運ぶのか」ということが求められてくると思います。

ファン・ウィジョも韓国代表から戻ってきますし、アデミウソン、渡辺、小野瀬、倉田、中村といったタレントをいかに組み合わせるのか。宮本監督の手腕が試されていると思います。失点を減らしつつ、この試合のようにセットプレーを駆使して得点を積み重ね、いかに僅差のゲームで勝ち点を積み重ねていけるかが、J1残留のポイントだと思います。

ガンバ大阪の戦い方に対応できなかった川崎フロンターレ

川崎フロンターレの選手の動きを見ると、ガンバ大阪が5-4-1で戦ってくることは予想してなかったのだと思います。

ガンバ大阪がボールを持った時に、どのように守るのか、選手同士が連動して動けていなかったことが、予想外だったことを示しています。家長も左サイドに移動する悪い癖が何度もみられ、左サイドに人が集まりすぎて、ボールが運べず、ボールを失ったことが1失点目のコーナーキックにつながっています。

そして、ガンバ大阪の守備に対する対策も、準備できていなかったのだと思います。追い打ちをかけるように、大島が負傷交代してしまいます。アクションの量が少ないので、個人の力でボールを運べる選手を入れて、状況を打開しようと考えたのだと思いますが、上手くいきません。

最後はコンディションの問題もあったのかもしれませんが、登里と車屋のポジションを入れ替えます。登里は上手く適応してみせましたが、準備していないことを急に実行して勝てるほど、プロのサッカーは甘くありません。

そしてセットプレーの2失点。総失点のうち、64.8%がセットプレー関連の失点というのは、あまりにも多すぎます。

ガンバ大阪のコーナーキックからは、川崎フロンターレのセットプレーの弱点である、キッカーから遠いサイドを狙っていたことが伝わってきました。川崎フロンターレのセットプレーの守備は、ボールから近いサイドを守る小林と中村、中央で守る谷口を外されると相手に合わされる確率が高いと、僕は感じています。

エドゥアルド・ネットが移籍し、奈良がスタメンに出ていないので、身長の高い選手が少なくなっているので、3人を外されると、クリアできないのです。そして、チョン・ソンリョンがゴール近辺を守るGKなので、3人がいる場所をカバーするタイプではないと相手チームも分かっているので、相手チームは小林と谷口がいない場所を思い切って狙えるのだと思います。川崎フロンターレは、相手チームに対する対策を用意できていません。

川崎フロンターレは、試合前にスターティングメンバーの変更が噂されていたりと、この試合にむけた準備が上手くできていなかったのかもしれません。準備の差が勝敗につながったと感じました。

2017年と2018年の川崎フロンターレを比較して分かったこと

ここからは、この試合のレビューというよりは、データを基に2017年シーズンと比較してみたいと思います。

第25節終えた時点での勝ち点を調べてみたら、実は2017年の川崎フロンターレは勝ち点49。2018年の川崎フロンターレは1試合消化数が少ないものの勝ち点46とほぼ同じペースで勝ち点を積み重ねていることが分かりました。

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西原雄一

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