リーガ・エスパニョーラ 2018-19シーズン 第14節 FCバルセロナ対ビジャレアル レビュー「苦しいときに先頭に立って行動するのがエース」

リーガ・エスパニョーラ 2018-19シーズン第14節、FCバルセロナ対ビジャレアルは、2-0でFCバルセロナが勝ちました。

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今回は以下のようなテーマで書いています。

1.中央を塞ぐビジャレアルの守備
2.ビジャレアルの守備を強引に崩すデンベレ
3.苦しいときに先頭に立つのがエース

中央を塞ぐビジャレアルの守備

この試合のビジャレアルは、4-3-3のチームオーガニゼーションを採用しました。MFは右からトリゲロス、カセレス、カソルラ。FWは右からチャックエズ、モレノ、フォルナルス。MFとFWがそれぞれ3人ずつのラインを作り、ペナルティエリア内にあるゴールエリアの横幅程度の幅を保ちながら、FCバルセロナの攻撃を迎え撃ちました。

ビジャレアルは、FCバルセロナのDFがボールを持ったときは、ボールを奪うよりはパスコースを消すように守ります。ビジャレアルの狙いは、FCバルセロナが中央縦方向に出すパスにあわせてボールを奪い、FCバルセロナのDFの背後にボールを運んで攻撃を仕掛けることが狙いだと思いました。

FCバルセロナはビジャレアルの狙いを読み取り、即興で対策を実行します。ビジャレアルが守っている中央のエリアは、ビダル、コウチーニョ、メッシの3人がボールを受けようと、相手を外すためのアクションを仕掛け続けます。

ビダル、コウチーニョ、メッシが仕掛けたのは、MFが守っているラインの前後を出入りし、MFが見えてない死角から顔を出し、ボールを受けるアクションです。ビジャレアルの選手からしたら、パスが出た瞬間は「誰もいないエリアのはず」と動きを止めがちですが、実はビダル、コウチーニョ、メッシが動いてボールを受けている。この繰り返しでパスをつないでいくのですが、ビジャレアルはそんなFCバルセロナのアクションも想定して、パスが出た瞬間に忠実にアクションを実行します。

ビジャレアルのアクションを外すために「ここしかない」場所に正確にパスを出すFCバルセロナと、FCバルセロナの正確なプレーに粘り強く対抗するビジャレアル。レベルの高い攻防が繰り広げられました。

ビジャレアルの守備を強引に崩すデンベレ

FCバルセロナがビジャレアルの守備を崩すきっかけになったのは、デンベレのドリブルです。

デンベレのドリブルはボールを運ぶスピードも速いのも強みですが、最大の強みは「次のアクションが読み取れないこと」だと思います。

腰が強く、股関節が柔らかく、上半身と連動した動きがスムーズなので、次のアクションをスタートするとき、予備動作がほとんど分かりません。対応している守備者からしたら、急にデンベレが目の前から姿を消すような感覚なのかもしれません。中央エリアでは緻密なパス交換で相手の守備を揺さぶりつつ、サイドではデンベレのドリブルでボールを運ぶ。FCバルセロナというチームだからできる攻撃のバリエーションの多彩さを駆使して、シュートチャンスを作っていきました。

そして、どれだけ素晴らしい選手が集まっても、メッシは別格です。予備動作が分からず、誰よりも精緻に、正確にプレーし、他の選手と比較してもコントロールできるプレーの粒度が細かい。メッシ、デンベレという「ボールを持ったときに優位性を作り出せる」選手の力によって、ビジャレアルの緻密な守備を打ち破ってみせました。

苦しいときに先頭に立つのがエース

ビジャレアルはチームとしてできることはしたと思います。敗戦に落ち込む必要はありませんが、気になったことがあります。それは、フォルナルスのプレーです。

フォルナルスはこれまでの起用からすると、監督に相当期待されているのだと思います。たしかにボールを持ってシュートチャンスを作り出すまでのプレーは、他の選手と比較しても技術が違うことが分かります。

ただ、そんな技術も、強い相手との対戦時に発揮できなければ意味がありません。自らボールを呼び込むために動き、味方を鼓舞し、相手の守備を崩すためのプレーを繰り返す。期待されている選手なら「俺がなんとかする」「俺にボールを預けろ」という気持ちをアクションで表現してほしいのですが、フォルナルスのプレーからは、そんな気持ちを感じることはできませんでした。

サッカー選手にとって気持ちを表現するということは、声を張り上げることではありません。何度もアクションを繰り返し、相手を上回るためにトライし続ける。本当に負けない気持ちがあれば、アクションが止まることはありません。この試合のフォルナルスは、ボールを受けることを恐れているように見える場面もありました。これでは、チームメイトから信頼は得られません。

フォルナルスよりカソルラのほうが、「俺がなんとかする」「俺にボールを預けろ」という気持ちをプレーで表現していました。チームメイトもカソルラにボールを渡し、カソルラはフリーになっている選手に確実にパスを届け、シュートチャンスを作り出そうとプレーしていました。

フォルナルスに必要なのは、カソルラがシュートチャンスを作るプレーをしてくれているので、自分は得点を奪うためにペナルティエリアに入るとか、カソルラとの距離を縮めて、攻撃のテンポが変えられるようにするとか、相手を見て工夫することかもしれません。カソルラに比べると、ボールを持っていないアクションで違いを作り出せないフォルナルスが、ボールを持っていないときに違いを作り出せるようになったら、もっと良い選手になると思います。

この試合を見終わって、フォルナルスがどんなプレーをするかが、ビジャレアルの今後を左右するような気がします。チームメイトが信頼するエースになることができるか。注目したいと思います。

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西原雄一

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西原雄一

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