2018 FIFAワールドカップロシア ラウンド8 ベルギー代表対ブラジル代表 レビュー

2018 FIFAワールドカップロシア ラウンド8 ベルギー代表対ブラジル代表は、2-1でベルギー代表が勝ちました。

ブラジル対策を施したベルギー

日本との試合では、ベルギーは攻撃時は3-2-5は守備時は5-4-1というチームオーガニゼーションで戦いましたが、ブラジルとの対戦では、選手とチームオーガニゼーションを変更して臨みました。まず、ブラジル代表がボールを持っている時、ハーフラインを超えるまでは以下のチームオーガニゼーションで守ります。

4-3-3と呼ばれるチームオーガニゼーションですが、中央にデブルイネ、右にルカク、左にアザールがFWに並びます。MFの位置には、右からフェライニ、ヴィツェル、シャドリの3人が並びます。ブラジルがハーフラインを超えたら、デブルイネがMF3人の前まで戻ってきます。

そして、攻撃時は3-3-4というフォーメーションになります。DFの位置には、右からアルデルワイレルト、コンパニー、フェルトンゲン。MFは右からフェライニ、ヴィツェル、左にデブルイネが移動します。そして、FWの位置には、ムニエ、ルカク、アザール、シャドリが並びます。

このチームオーガニゼーションのキーマンは、日本戦ではベンチスタートだった、フェライニとシャドリでした。シャドリは守備時はMFの位置に戻り、フェライニ、ヴィツェルと共に中央のエリアを守ります。

しかし、攻撃時はサイドに移動し、アザールと共に左サイドからの攻撃を担当します。守備時は中央、攻撃時はサイドと担当する位置を移動するのは簡単ではありませんが、シャドリはとても上手く対応していました。

そして、フェライニを起用した狙いは、ネイマール、コウチーニョ、マルセロというボールを運ぶのが上手いブラジルの左サイドの攻撃を抑えるためだったと思います。

フェライニの強みは、身体の強さとヘディング、そして労を惜しまずに守備をすることです。ネイマール、コウチーニョ、マルセロのドリブルは、簡単には抑えられません。フェライニは身体をぶつけ、何度でも相手を追い回すので、相手にとっては凄くいやな選手です。

ただ、フェライニをぶつけただけでは、ブラジルの左サイドは抑えられません。ヴィツェルを中央に配置することで、もしフェライニが抜かれても、ヴィツェルがマークして対応するという約束事になっていたのだと思います。フェライニ、シャドリという2人に中央のエリアをカバーさせつつ、ヴィツェルがカバーする。想定されるリスクをきちんとカバーする体制が整えられていました。

ベルギーはただ守ることだけ考えて、チームオーガニゼーションを変えたわけではありません。FWのルカクとアザールは守備にはあまり参加しなかったのも理由があります。

ブラジルは左右のDFが攻撃時はFWの背後まで上がってくるので、ボールを奪われた瞬間はDFの数が少なく、スペースがあります。このスペースを活用してボールを運ぶため、ベルギーはルカクとアザールを両サイドに残しました。特にマルセロの守備に問題があることは有名なので、ルカクを右で起用したのは、マルセロの守備の問題を利用したいという狙いがあったのだと思います。

ブラジルもベルギーの対策に対応

ブラジルも後半に入ってからは、ベルギーの狙いに対する対策を施します。右DFのファグネルを攻撃時にDFの位置に残し、アザールをマークさせます。ファグネルが攻撃参加出来なくなったので、ドゥグラス・コスタを入れて、1人でドリブルでボールを運んでもらうことで、攻撃力を落とさないように工夫します。

DFは3人にしたので、フェルナンジーニョを少し相手ゴール寄りにして、レナト・アウグスト(パウリーニョ)を相手ゴール近くに配置し、ベルギーのキーマンであるヴィツェルの背後を狙わせ、サイドから中央のパスを受けてゴールを狙おうとしました。また、フィルミーノを起用したことで、中央からボールを運べるようになったことも、攻撃する時間が増えた要因だったと思います。ブラジルの選手交代にミスはありませんでした。

ベルギーは少しずつフェライニとシャドリの守備が遅れ始めたので、シャドリをベルメーレンに替えて、守備時のチームオーガニゼーションを5-3-2に変更します。そして、ルカクに替わってティーレマンスを入れて、デブルイネとアザールの2人以外は守備をすることで守りきろうとします。ベルギーのマルティネス監督は、交代で起用した選手は2人だけ。延長戦を見据えつつ慎重に戦っていたと思います。

相手に応じて行う対策が緻密で複雑になっている

ベルギーも、ブラジルも、相手の対策に対して、選手交代や試合途中の変更を駆使しながら、どうにかして勝利を手繰り寄せようと試行錯誤していました。両チームとも、チームとしてどう戦うのかというコンセプトがあり、相手に応じて、コンセプトを実現させるために、選手の配置や役割を細かく調整し、時間帯ごとに優先すべきプレーを変え、90分間頭も身体もフル稼働させて、目まぐるしい変化に対応していました。

この2チームのプレーを見ていると、「プランB」ということを考えるなんて当然のことで、むしろ「プランBがダメだったときのプランC」とか、DなのかFなのかZなのか分かりませんが、目の前の敵を止めるために、相手を攻略するために、チームで決められたことを外れない範囲で選手個人が対応するのは当たり前になってきているのだと思います。

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西原雄一

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