リーガ・エスパニョーラ 2018-19シーズン 第11節 ビジャレアル対レバンテ レビュー「ミスマッチにいかに対応したか」

リーガ・エスパニョーラ 2018-19シーズン第11節、ビジャレアル対レバンテは、1-1の引き分けでした。

直線的にゴールを狙いやすい「3-5-2」

この試合のポイントは、レバンテが採用する「3-5-2」というチームオーガニゼーションに対するビジャレアルの対応です。

レバンテが採用する「3-5-2」というチームオーガニゼーションは、採用するチームが少ない時期もあったのですが、ドイツ・ブンデスリーガのTSGホッフェンハイムが採用してから、採用するチームが増えつつあります。

「3-5-2」のチームオーガニゼーションのメリットは、「ウイングバック」と呼ばれるサイドの選手を活用することで、自陣でも、敵陣でも、数的優位を作りやすいこと。そして、直線的にゴールが狙いやすいことです。

以下は「3-5-2」というチームオーガニゼーションに選手を並べたときの図です。薄く書いた図の形が矢印のような形をしているの分かるかと思います。サイドからも、中央からも、FWに対してロングパスが出しやすいチームオーガニゼーションなのです。

このチームオーガニゼーションを再び注目させたTSGホッフェンハイムのユリアン・ナーゲルスマンは、サイドからも、中央からも、ロングパスが出しやすいという特性をよく知っています。レバンテの戦い方もTSGホッフェンハイムの戦い方に近いと感じました。

レバンテの狙いにハマってしまったビジャレアル

試合前半は、ビジャレアルはレバンテの狙いにまんまとハマってしまいます。まずは攻撃です。これも図を用いて説明します。(黄色がビジャレアル、青がレバンテです)

ビジャレアルが苦労したのは、レバンテのFWがビジャレアルの中央のDFのアルバロとフネス・モリに対して素早くボールを奪いにくるので、なかなか相手陣内にボールを運ぶことができません。

上の図を見ると、サイドのDFに特定のマークが付いていないように見えますが、レバンテはウイングバックやMFの選手が素早く距離を詰め、ビジャレアルのサイドのDFに余裕をもってプレーさせませんでした。

ビジャレアルは攻撃時はサイドのMFが中央に移動して、中央からボールを運ぶ役割を担います。この2人にパスが渡れば、レバンテは対応する選手がいないので守備を攻略できるのですが、なかなか左MFのフォルナルスや右MFで左利きのチャックエズにパスがわたりません。

そして、苦労したのが守備です。こちらも図で説明します。

ビジャレアルは「4-4-2」というチームオーガニゼーションで守るのですが、レバンテの「3-5-2」と照らし合わせると、中央のMFと中央のDFが特定の選手をマークしておらず、「浮いている」ように見えます。

特定の選手をマークしていないということは、レバンテの選手が数的優位でプレーできている場所があるということです。具体的にはDF3人のエリアです。レバンテはDF3人のパス交換でビジャレアルの守備を崩し、敵陣へとボールを運び、シュートチャンスを作り続けました。

レバンテの攻撃と守備は、ウイングバック、MF、FWのハードワークによって成り立っているところもあり、90分同じ強度が続くかどうかは疑問ではありましたが、ビジャレアルとしてはやられっぱなしではまずいので、後半に対策を打つ必要がありました。

ビジャレアルはいかに修正したのか

後半に入ってビジャレアルは攻撃と守備の両面で修正を施します。

まず守備です。DF3人がボールを持ったときに、サイドのMFがFWのラインまで上がってきて、DF3人に対して数的優位を作らせないようにしました。サイドのウイングバックには、サイドのDFが対応し、中央のFWには中央のDFがマンツーマンでマークして対応します。数的優位を作らせず、1対1の争いに持ち込み、1対1の争いで勝つことで、次第にボールを保持できる様になりました。

攻撃ではGKからのロングパスを上手く活用しました。GKのアセンシオは特別キックが上手い選手ではありませんが、狙うポイントをはっきりさせることで、ロングパスを成功させていました。

狙うポイントは、「サイドのDF」と「FW」の2つです。特に「FW」を狙うときは、レバンテの中央のMFの両脇にFWの選手が動き、レバンテのMFと競り合うことで、競り合いに勝ち、マークがついていないフォルナルスとチャックエズにボールを渡し、この2人のドリブルでペナルティーエリア付近までボールを運び、シュートチャンスを作り続けました。

チャックエズとフォルナルスとジェラール・モレノがシュートチャンスを決めていれば、十分勝てる可能性があった試合でした。後半1回のチャンスで失点し、どうにかペドラサのゴールで引き分けましたが、ビジャレアルにとっては勝ち点2を失った試合だといえます。

二歩進んで、一歩下がる

勝ち点1の獲得にとどまり、ビジャレアルを応援するサポーターはヤキモキしているかもしれませんが、僕は悲観する必要はないと思います。

選手同士の連携は向上し、シュートチャンスが作れるようになっています。守備の安定感は変わりませんので、他のチームとのコンディションの差がなくなってきて、ヨーロッパリーグの試合が一段落する1月前後に勝ち点をきちんと獲得できれば、まだまだ上位に食い込めるチャンスはあると思います。

開幕当初のチームであれば、前半の時点で失点したり、レバンテの対策を跳ね返せずに負けていたと思います。そう考えれば、着実にチームは前に進んでいると思います。

連戦が続く今の時期は、傷口を最小限にとどめ、我慢すること。挽回のチャンスはきますので、チャンスがくるまでじっくり待つことです。

僕は期待しています。

試合のハイライト

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リーガ・エスパニョーラ 2018-19シーズン 第11節 ビジャレアル対レバンテ レビュー「ミスマッチにいかに対応したか」

西原雄一

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西原雄一

プロ・スポーツレビュアー。note「勝ち負けだけじゃないスポーツの楽しみ方」で #川崎フロンターレ #ビジャレアル と #Bリーグ のレビュー連載中。趣味は愉快な人同士をつなぐこと。#coffee ☕好き。

ビジャレアルCF 2018-19 シーズンレビュー

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