2018年J1第14節 柏レイソル対川崎フロンターレ プレビュー「基準は高く保たれているか」

2018年J1第14節、川崎フロンターレの対戦相手は柏レイソルです。まずは、Football-Labに掲載されている前節までのデータを元に、柏レイソルのデータから分かる特徴を紹介したいと思います。

プレビューで紹介する「2つの指標」

1つ目は、「チャンス構築率」。これは、シュート数を攻撃回数で割った指標で、1回の攻撃でどのくらいの確率でシュートチャンスを作れるかを把握するためのデータです。このデータから、チームのビルドアップ(攻撃の開始からシュートチャンスを作るまで)の特徴を把握することが出来ます。

2つ目は、「シュート決定率」。これは、得点数をシュート数で割った指標で、何本シュートを打てば得点を奪えるのか、把握することが出来ます。

2つの指標ともに、10%を目安にしています。守備では「被シュート構築率」「被シュート決定率」という指標に着目することで、シュートチャンスを作らせない守備がどのくらい出来ているのか、得点を奪われない守備が出来ているのかを把握することが出来ます。

昨年からサイドからの攻撃が減っている柏レイソル

前節までの柏レイソルの攻撃のデータを分析すると、攻撃回数は131.5回でリーグ5位、シュート数は13.8本でリーグ6位、チャンス構築率は10.5%でリーグ6位、シュート成功率は7.8%でリーグ15位です。

柏レイソルの攻撃のデータで気になるのは、シュート成功率がリーグ15位というデータです。柏レイソルはもともと攻撃回数が多いチームで、2017年シーズンも130.9回でリーグ1位というチームでした。ただ、2017年と2018年のデータを比較すると、2017年シーズンのシュート成功率は9.8%と、サンプル数に違いはありますが、2018年シーズンの方が、シュート成功率が低いデータを記録しています。

柏レイソルは、サイドからボールを運ぶのが上手いチームです。2017年シーズンのデータを分析すると、攻撃回数だけではなく、サイドから中央へのパスの数を現す「クロス」の数、サイドからボールを運んでいる回数の目安になる「コーナーキック」「スローイン」の数がリーグ1位。このデータからも、柏レイソルがいかにボールをサイドから運んでいるかよく分かります。

2018年シーズンのデータを分析すると、スローインの数は1試合平均27.0回でリーグ1位ですが、コーナーキックの数は1試合平均5.4回でリーグ5位、クロスの数は1試合平均18.5回でリーグ4位。2017年と比較すると、コーナーキック、クロスの数がともに1回ずつ少ないというデータが出ています。一概に比較は出来ませんが、2017年と比較すると、サイドからボールが運べていないのか、サイドからボールを運ぶプレーを選択していないのではないかということが読み取れます。

気になっているのは、1試合平均のドリブルの数が、2018年シーズンは17.3回、2017年シーズンは14.8回と、1試合平均2.5回ほど増えているのです。1試合平均のパス本数は、2018年シーズンは511.2回、2017年シーズンは506.3回と若干増えてはいますが、ドリブルの数も増えているということは、ボールが上手く相手陣内に運べていないのではないかと思いましたが、30mラインの進入回数とペナルティエリアへの進入回数は、2018年シーズンと2017年シーズンはほぼ同じなので、意図的にサイドからの攻撃を減らしているのではないかと考えられます。

ただ、シュート成功率が下がっているというデータからは、まだまだ意図した通りに攻撃が出来ていないのではと考えられます。なお、柏レイソルのシュート成功率が10%を切っているのは、リーグで最もシュートを打つFWであるクリスティアーノがいることも要因であるということは書いておきます。

柏レイソルがボールを持って攻撃を仕掛ける回数が少ないというのは、1試合平均のボール支配率が45.5%でリーグ14位、パス本数が387.8本でリーグ16位というデータからも分かります。

しかし、柏レイソルは攻撃回数が少なく、シュート数も少ないものの、シュート成功率はリーグ1位。興味深いのは、ゴールの枠内にシュートした本数を示す「枠内シュート本数」は、1試合平均4.2本でリーグ8位。つまり、確実にゴール枠内に飛ばすシュートが多いから、シュート成功率が高いというわけではないということです。このデータからは、もしかしたら柏レイソルは、成功しているシュートと失敗したシュートがはっきりと分かれているのかもしれないということが考えられます。

クリアの数がリーグ1位の理由を考える

柏レイソルの守備のデータを分析すると、被攻撃回数は、130.2回でリーグ15位、被シュート数は11.4本でリーグ5位、被チャンス構築率は8.7%でリーグ5位。被シュート決定率は10.1%でリーグ14位です。

柏レイソルの守備のデータで気になったのは、間接フリーキックの本数とクリアの回数です。

間接フリーキックの本数は、1試合平均1.5本でリーグ15位。間接フリーキックの本数は、ほぼオフサイドを獲得した回数です。このデータからは、柏レイソルの守備はオフサイドを積極的に奪いにいくような守備をしているわけではないということが分かります。

そして、外に蹴り出すことや陣地回復など、味方につなげる意図がなく危険な状態の回避を目的として行ったプレー「クリア」の回数は、29.0回でリーグ1位。このデータから推測できるのは、「ボールを奪う位置が自陣ゴール近くなのではないか」ということです。

他に気になるのは、被シュート成功率が10.1%でリーグ14位というデータです。中村航輔が欠場していた試合もあるので、その影響もあると思うのですが、気になるのは直近の試合のスターティングメンバーを調べると、様々な要因があるのでしょうが、中央のDFの組み合わせが毎試合変わっていることです。

中央のDFとGKの連携は、失点を防ぐために大切です。GKが止められる位置にシュートを打たせたり、相手に失敗させるようなシュートを打たせるために、GKとDFは連携して守備をする必要があります。したがって、GKと中央のDFはメンバーを固定して臨むことが多いのですが、毎試合変わっていると、連携で目に見えないミスが出ている可能性があります。

柏レイソルが攻撃時にどのようにボールを相手陣内に運んでくるか、ボールを奪おうとする位置はどこか、そして、GKとDFの連携の3点に注目です。

「ここまでやればよい」というものではない

前節のレビューには、川崎フロンターレが現時点で抱えている課題について書きました。

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西原雄一

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