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「アスリートは試合だけではなく、プロモーションも全力」を当たり前にしたのは誰か

毎年1月2日、3日に開催される箱根駅伝を楽しみにしているのですが、2019年の箱根駅伝に関するツイートで、印象に残っているツイートがあります。

これは、関東学生連合というチームで出場する、東京大学の近藤秀一選手のツイートです。関東学生連合は予選会で敗れたチームの選手の選抜チームということもあり、チームや走る選手に注目が集まる機会は、他のチームに比べて多くはありませんでした。

近藤選手は関東学生連合のPRを兼ねて、自身のTwitterで一緒に走る選手を紹介し始めます。そして、関東学生連合の山川監督がメンバーのモチベーションを高めるための映像を作成。このモチベーションビデオがYouTubeで公開されました。

アスリートが自分の試合をプロモーションするのは当たり前

これまでのアスリートには、「試合で最高のパフォーマンスを発揮する」ことだけが求められてきました。試合のパフォーマンスに関係ないことはやらない。そんな暇があったら、練習したほうがいい。そう思う人は、今も少なくありません。

しかし、最近活躍しているアスリートには、「試合で最高のパフォーマンスを発揮する」ための準備だけでなく、「自分で試合をプロモーションする」ことが当たり前だと考えている人が増えてきているように感じます。

例えば、日テレ・ベレーザの籾木選手は、「5,000人満員プロジェクト」を立ち上げ、自身でPRとグッズのプロデュースを行いました。

「アスリートによるプロモーション」が注目されたきっかけとして、こちらの記事も取り上げておきたいと思います。

この記事は、FC今治の中島さん、楽天NBAで通訳を務める新川さん、Fリーグ名古屋オーシャンズの星翔太選手が、京都ハンナリーズの試合を観戦に訪れ、気がついたことをTwitterに「#僕が西京極に行って帰ってくるまで」というハッシュタグをつけてツイートし続けたところ、普段スポーツビジネスに関わっている人のリアルな感想が話題になりました。

ちなみに、アウェー観戦の見どころを紹介するという取り組みは、川崎フロンターレがアウェー観戦者向けのアカウントで始めたのが最初かと思いますが、スポーツビジネスに関わる人がやったことが、この取組の斬新なところだと思います。

そして、翌日に行われたFリーグ・フウガドールすみだ対名古屋オーシャンズの試合では、「#墨田体育館に行って帰ってくるまで」というハッシュタグで試合に訪れた人に、試合や試合以外の楽しみ方をツイートしてもらいました。

面白かったのは、試合に出場していたフウガドールすみだの田口選手が、試合後のツイートで問題に対する改善策をツイートしていたことです。

試合を開催するだけでは、人は観に来てくれない

チームを応援してくれるファンの中には、「アスリートには試合だけに集中してほしい」と考えている人もいます。

しかし、アスリートが集中してトレーニングができるのは、1日2時間程度。身体のケアを行っても、自由につかえる時間はあります。自由に使える時間を、ぼーっとテレビを観るのではなく、より多くの人に試合に来てもらうために、時間を使う選手が増えてきているのです。

選手がプロモーションに力を入れるのには、理由があります。

それは、「試合を開催するだけでは、人は観に来てくれない」からです。

野球、サッカー、バスケットボール、ラグビー、バレーボールなど、日本で観戦できるスポーツはたくさんあります。しかし、スポーツを観に行こうと考えた時、野球、サッカー以外のスポーツが選択肢に入ることは稀です。

USJのCMOを務めた森岡毅さんは、ユーザーが自社サービスを選んでもらうには「プリファレンス(好み)」を伸ばし、認知度を高め、ユーザーの選択肢に自社サービスがいかに入るかが大切だと強調しています。

自分たちのスポーツや試合の認知度を高めるためなら、自らもプロモーションに力を入れよう。そう考えるアスリートが増えるのは、自然なことだと思います。

では、アスリートがプレーだけではなく、プロモーションも全力でやるようになったのは誰が最初なのか。僕が思い当たったのは、1人のアスリートの存在でした。

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西原雄一

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西原雄一

プロ・スポーツレビュアー。note「勝ち負けだけじゃないスポーツの楽しみ方」で #川崎フロンターレ #ビジャレアル と #Bリーグ のレビュー連載中。趣味は愉快な人同士をつなぐこと。#coffee ☕好き。

勝ち負けだけじゃないスポーツの楽しみ方

勝ったら嬉しい、負けたら悔しい。それがスポーツの楽しみ方の原点だと思う一方で、スポーツの楽しみは勝ち負けだけじゃないはずだ。勝ち負けだけじゃない、スポーツの楽しみ方とは何か。
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