リーガ・エスパニョーラ 2018-19シーズン 第17節 ビジャレアル対レアル・マドリー レビュー「カソルラの凄さはボールを持っていないときの動き」

リーガ・エスパニョーラ 2018-19シーズン第17節、ビジャレアル対レアル・マドリーは、2-2の引き分けでした。

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今回は以下のようなテーマで書いています。

1.フォルナルスに注目した理由
2.ボールがないところで仕事をしない選手は起用できない
3.カソルラは何が凄いのか

フォルナルスに注目した理由

僕はこの試合を観る前に、1つのことに注目していました。それは、第16節のアディショナルタイムで、同点に追いつかれるきっかけになるプレーをしたフォルナルスをスターティングメンバーで起用するかどうか、です。

フォルナルスは、前節のアディショナルタイムで、2-1で勝っている場面で、コーナーキックのこぼれ球を拾ったフォルナルスが、迫ってくる2人の守備者の間を狙って、中央にパスを出します。パスは守備者に当たって通らず、ボールはSDウエスカが奪います。SDウエスカはボールをゴール前に運び、シュートチャンスを作り出し、得点につなぎました。

このプレーを僕が重く捉えたのは、フォルナルスが他の選手に責任転嫁したように見えたからです。自分がボールを持ちたくない。ミスをしたくない。そんな気持ちがプレーから感じられたからです。

フォルナルスは、この試合でも2点目をアシストしていたりと、シュートチャンスを作り出すパスが上手く、ボールを扱う技術に長けた選手です。本来は自信を持ってボールを持てる選手なのです。

ただ、ボールを受けるときに相手を外すアクションが少ないし、動きながらボールを受けるのが上手い選手ではありません。周囲にスペースがあり、ボールを味方が定期的に供給してくれれば、素晴らしいプレーをします。

しかし、レアル・マドリーのようにレベルが高いチームとの対戦で、そんな選手がよいプレーできるわけがありません。前節のこともあるので、スターティングメンバーから外すことも考えられましたが、スターティングメンバーで起用されました。

ボールがないところで仕事をしない選手は起用できない

余談ですが、フォルナルスは走るスピードが速い選手ではないのに、サイドで起用されることがあります。その理由は、ボールを中央で受けられないから、スペースがあるサイドでプレーさせて、ボールをよりよい状態で受けさせたいからではないかと思います。

ボールを扱う技術に優れているけれど、ボールを持っていないときには何もしない。実はレアル・マドリーにも同じような選手がいます。それは、ベイルです。

この試合の前半、ビジャレアルは右サイド、レアル・マドリーの左サイドから徹底的に攻撃を仕掛けました。ビジャレアルの右サイドには、チャックエズというドリブルでボールを運べる選手がいることも要因なのですが、レアル・マドリーの左FWを担当しているベイルが守備をほとんどしないので、左DFのマルセロが常にチャックエズとの1対1にさらされ続ける事になりました。

マルセロは1対1の対応が下手なタイプではありませんが、チャックエズのドリブルを止めるのは簡単ではありませんし、何よりベイルはほとんどサポートしてくれません。ベイルは守備をしない分、攻撃に力を注いでくれればよいのですが、この試合ではボールをほとんど受けることができず、前半でイスコと交代。イスコが入ってから、レアル・マドリーはボールを保持する時間も増え、チャックエズがチャンスを作る回数も減りました。

一方、フォルナルスは前半2分にチャックエズに出したパスでシュートチャンスを作り出し、2点目のカソルラの得点をアシストしましたが、それ以外はほとんど仕事らしい仕事はしていません。90分出場しましたが、いつ途中で交代してもおかしくなかったと思います。

僕はこの試合でフォルナルスを起用するにあたって、チームに対してどんな説明がされているのか、フォルナルスのプレーや他の選手のフォルナルスに対する扱いから判断しようと思っていました。試合を観る限りは、大きな違いはなかったように感じましたが、フォルナルスがボールを受ける回数が少なかったことを考えると、前節の影響は小さくないとも思います。

この試合で1アシストは記録したので、少しだけ風向きは変わるかもしれませんが、まだすべてを払拭できるほどではない。僕はそう感じました。

カソルラの何が凄いのか

この試合のビジャレアルは4-4-2のチームオーガニゼーションで戦いましたが、後半18分にカセレスに代わってエカンビを入れ、フォルナルスを中央のMFに移し、カソルラをFWの位置に移します。

本当はフォルナルスはもっとゴールに近い位置で起用したい選手ですが、今のボールを受ける技術を考えると、中央のMFで起用したほうが上手くプレーできると思います。実際、この交代以降、ビジャレアルの攻撃はスムーズになりました。

そして、後半24分にジェラール・モレノに代わってバッカを入れて、カソルラをFWの位置でプレーさせます。中央にカソルラが入ったことで、より一層ビジャレアルの攻撃は活性化しました。

この試合のカソルラは2得点。誰も文句がつけられないプレーと結果を残してみせました。

カソルラの凄さは、ボールを扱う技術に長けているのはもちろんなのですが、僕が凄いと思うのは、相手に捕まらないように動き続けながら、相手や自分たちの問題を素早くみつけ、解決策を実行してしまうことです。

カソルラはスピードの強弱をつけながら、決して止まることがありません。相手が動いた逆をとってフリーになったり、背後を取ると見せかけて相手を動かしてフリーになったり、味方に近づいてフリーになったりといった具合に、様々なアクションを駆使して、フリーになってみせます。

動き続けるというのは簡単ではありません。もちろん体力も必要ですが、「どこに動いたらよいのか」判断し、実行し続ける必要があるからです。

そして、カソルラはフリーになると、左右両足で正確なキックを駆使して、味方が走るタイミングにあわせて、これ以上ない軌道のパスを出してくれます。そして、ボールを持てば、レアル・マドリーの選手でさえ、簡単には奪えない技術があります。カゼミーロですら、カソルラが持ったときにはボールを奪いに飛び込むことはありませんでした。

カソルラにも課題はあります。カソルラは左MFを担当することが多いのですが、フリーになれる場所が見えてしまうので、どうしてもボールが右サイドにあるときは、ボールを受けようとして右サイドに移動してしまいます。

当然カソルラが右サイドに移動すると、左サイドを担当する選手がいなくなってしまいます。1失点目はカソルラが空けた場所をレアル・マドリーに使われたことが失点の要因でした。

守備のことを考えると、僕はカソルラは中央で起用したほうが良いと思っていましたし、カソルラを中央で起用したほうが、中央から攻撃できるのではないか。そう考えていたら、ビジャレアルの監督はカソルラを中央で起用する決断を下しました。

ビジャレアルが同点においついたのは、カソルラが中央でボールを受け始めたからです。レアル・マドリーはジョレンテを入れて、カソルラが受ける場所を消そうとしましたが、それでもカソルラはボールを受け続けました。

ビジャレアルにとって、レアル・マドリー相手に2-2という結果はよい結果に思えるかもしれませんが、レアル・マドリーのコンディションが良くなかったことを考えると、十分勝つチャンスもあった試合だと思います。

ただ、この試合はカソルラの技術、GKのアセンホの守備に助けられたおかげで勝ち点1を奪うことはできましたが、ボールをどう運んでどう得点するのか、どう守るのかという点については、まだまだ整理されていない部分があり、この試合の結果によって、安心できるというところまでは達していません。

しばらくヨーロッパリーグの試合もないので、ここでどれだけ勝ち点を積み重ねられるかが、ビジャレアルにとっては勝負です。引き続き注目したいと思います。

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西原雄一

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西原雄一

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