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【コラム】暮らしに寄りそう仏教の言葉②「有り難い(ありがたい)」

私たちの暮らしの中には、実はたくさんの仏教用語が溶け込んでいます。
その言葉たちの本来の意味を紐解いていきましょう。

今回ご紹介する言葉は「有り難い(ありがたい)」です。日頃の感謝やお礼の心を表す、大切な言葉ですね。

三帰依文(※)に「人身(にんじん)受け難し、今すでに受く。仏法(ぶっぽう)聞き難し、今すでに聞く」とあるように、人間として生まれることや仏の教えに遇(あ)うことは、なかなか難しく「有り難い」ことなのです。

「有り難い」は文字通り、有るのが困難、めったにない、珍しいという意味です。だからこそ、貴重である、かたじけない、もったいない、畏れ(おそ)れ多いという感謝の気持ちを表す言葉になりました。どんなときでも、誰に対してでもすなおに「ありがとう」と言えるようになりたいものです。

『くらしの仏教語豆事典(上)』(本願寺出版社/著:辻本敬順)より引用

※三帰依文(さんきえもん):仏・法・僧の三宝に帰依することを三帰依といいます。お釈迦さまが在世の時、インドの人々は三帰依文を唱えて、お釈迦さまの弟子として入門の儀式を行ったと伝えられています。世界の仏教徒によって大切に唱え継がれている文です。

仏教の教えが溶け込んだ日本語の奥深さを感じます。家族や友人、パートナー…身近な人に「ありがとう」の感謝の気持ちを常に言葉にして伝えていきたいものですね。

【サムネイル画像】お西さん(西本願寺)公式X(旧Twitter)より