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【コラム】暮らしに寄りそう仏教の言葉⑤「大袈裟(おおげさ)」

私たちの暮らしの中には、実はたくさんの仏教用語が溶け込んでいます。
その言葉たちの本来の意味を紐解いていきましょう。

今回ご紹介する言葉は「大袈裟(おおげさ)」です。大袈裟とは、物事を実際より大へんなように言ったりしたりするさまのこと。友人や家族と話す時、ときに大げさに物事を伝えてしまうことはありませんか。元はどんな言葉だったのか、紐解いていきましょう。

「あの人のいうことは、大袈裟だよ」というように、大袈裟といえば、実際よりもたいへんなようにいうさま、誇大とか、おおぎょうを意味する言葉です。

袈裟は、僧が衣の上につけている法衣のことですから、大袈裟は、文字通り、大きな袈裟のことです。お釈迦さまの時代には、道端に捨てられている布切れを拾ってつなぎあわせて衣を作りました。これを糞掃衣(ふんぞうえ)といいました。衣はきわめて粗末な衣服だったのです。

その後、仏教が中国・日本に伝来してから、袈裟は、華美で装飾的なものとなり、儀式用に着用されるようになり ました。僧がそのような大きな袈裟をぎょうぎょうしく掛けている様子から、規範の大きいこと、おおぎょうなことを意味するようになりました。

『くらしの仏教語豆事典(上)』(本願寺出版社/著:辻本敬順)より引用

<お坊さんから一言>
相手に「少しでも面白い、楽しいと思ってほしい」という気持ちから、ついつい大袈裟に話したり、行動したりしてしまうのかもしれません。相手を楽しませる、場を和ませる“大袈裟” であるならば、たまには良いかもしれませんね。

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