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No.275 「カナダの学年は生まれ年で決まる」

国際交流事業に長年携わってきて恥ずかしながら知らなかった。大学交流事業が主だったこともあるが、お陰で一つ賢くなれた。

No.245 「親離れ子離れのとき」で触れたが、娘は中学入学と共に家を出た。新たな旅立ちが始まり、「娘元気で留守がいい」を享受していた。
しかし、中学2年生を終える頃、高校からの留学を望むと告げてきた。小学生時代をインターナショナルスクールで過ごした彼女にとって、日本の教育に馴染めず疑問を抱くことが多々あったようだ。コロナ禍がなければ中学から留学をしていたことだろう。
その願いに賛同し、かつての仕事仲間や友人が多く住むアメリカを勧めた。しかし、アメリカの高校入学となると後1年半日本にいることになる。そこで、他の英語圏を当たってみると言い出した。

ここから、アメリカ以外における英語圏高校留学計画が始まった。調査する中で、カナダについての不識な情報に出遭った。
まず、カナダの学年は、生まれた年で決まる。これは日本の4月2日から翌年4月1日生まれが同学年となる制度とは異なり、1月1日から12月31日生まれが同学年となる。また、カナダの高校の大部分は公立校であり、授業料格差が少ない。
この情報から、娘の留学計画に新たな可能性が開けた。
12月生まれの娘は、約半年後の9月から高校1年生として留学できることが判明。これは、日本の中学3年生の9月に相当するタイミングだ。
娘は、カナダのどの州、どの学校に行くかを熟考し、最終的に人口わずか2,000人が暮らす極めて小さな町の高校を選択した。この町には、娘以外日本人は住んでいないらしい。

今月1日、まるで日帰り旅行に行くかのように、「じゃあね!」と言って一人カナダへ旅立った。後ろ姿に頼もしさを感じつつ、この若さで思い描いたままに新たな道を歩めることが何とも羨ましい。


2023年9月


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