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なぜ雑誌ではなく、noteの有料テキストを買うのか

noteには有料のものが存在していて、課金することで全文を読めたり定期更新のマガジンを読めたりします。

自分は自ら有料テキストを実験的に出しつつ、有料で発行されているテキストも結構買っています。

興味のあるものは単品で買いますし、書いている人そのものに興味があれば、月額のマガジンも購入しています。さらに有料メルマガも3つほど登録しています。それらの金額を合計すると、月に5,000円前後になります。

入れ替わりはありますが、だいたい掛けている金額は平均してこれくらいです。


それで一つ気づいたんですが、月5,000円というのは、以前の自分であれば雑誌に掛けているのと同じ金額なんですよね。雑誌の金額がそのままnoteやメルマガに移行してしまったわけです。

自分はもともと雑誌が大好きで雑誌編集者という仕事に就き、その後、紆余曲折あってフリーランスのライター&フォトグラファーをしている感じです。

なので雑誌代として使うときであれば月に10,000円もざら。少なくとも5,000円は毎月使っていました。


では今はいくらぐらい使っているのか。基本的には0円です。たまに資料として買うこともありますが、楽しみにしている雑誌もないし、そもそも本屋へいかないので衝動的に買うこともありません。

少し前までdマガジンの読み放題サービスに登録していましたが、あまりにも読まないためもったいなくてやめました。


ここで自分の行動に対し疑問を持ちます。noteの有料テキストというのは、もちろんばらつきはありますが雑誌に比べかなり割高です。

noteの有料テキストの中で、文字数辺りの単価が一番高かったものは3,000字程度で1,000円しました。

同じ1,000円でも雑誌を買えば、テキスト量は5万字以上はあると思います。noteのテキストは、雑誌に比べて数倍割高なんですよね。


でも自分は、noteの有料テキストを買うことに抵抗を感じません。またそれよりも割安な雑誌を買わなくなったことにも疑問を持ちません。これはなぜなのか。

結局、欲しい情報を得るための手間をお金で買っているんだと気づきました。

雑誌に5万字のテキストがあったとしても、その中で自分の読みたいページはほんの数ページだったりします。となると残りの何十ページかは自分にとって無駄なものになるんですよね。


また読みたいページを探すのに時間もある程度掛かります。雑誌は写真や表組みと組み合わせてページを構成することが多いです。20ページの大特集があったとしても、その中で自分が知りたい有益な情報はほんの数百字ということも。

なので雑誌から必要な情報を得るためには、全体をペラペラめくって探す必要があるんですね。


これがnoteの場合、まず課金ボタンを押してすぐに読めるという手軽さがあります。そしてタイトルに基づいた本文の内容は、ほんの1,000〜3,000字に凝縮されているんです。

そのくらいのテキスト量は、読むのに5分も掛かりません。少ない時間で知りたい情報だけをピンポイントに得ることができる。情報が少なくて損だ、という意識はなく、情報を絞ってくれて嬉しい、となるわけです。


メルマガもそうですが、一度テキストベースの凝縮した情報を体験すると、紙上に文字と図版で組み合わせたページをめくるのがかったるく感じます。

雑誌が栄光を極めた頃は、娯楽や情報取得のツールというのが限られていました。なのでコンテンツは「多ければ多いほどいい」という感じだったのでしょう。自分も中学生くらいの時は、むさぼるように隅から隅まで雑誌を読んでいました。

今はあまりにも日々、取得する情報が多すぎるので、むしろエッセンスを凝縮したものが好まれます。その情報としての手軽さに読み物としてのおもしろさもプラスされているのが、noteの有料テキストなのかなと。

最小の手間と短い時間で欲しい情報が手に入るというのが、今の受け手の求めているものと合っているのです。


そう思うと雑誌というのは、文字通りノイズの多い媒体なんですよね。時間があれば雑誌をパラパラめくりたいと思いますが、これほど読むものが溢れている世の中でそういう気はなかなか起こらない…。

雑誌が好きだったものとしては、複雑な心境です。


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