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12日目 摘みたてのオレガノを使えるなんて、すごく贅沢だ

2019/7/12 コペンハーゲン

8時半ごろに目が覚めた。キッチンへ行くと、昨夜遅くチェックインした二人組の男性がすでに朝食をとっていた。挨拶をして簡単な自己紹介をした。出身はベルギーとのこと。デンマークからノルウェーへ旅している途中らしい。見た感じ10代後半か20代前半くらい。

ぼくが、「去年と今年でヨーロッパを15カ国くらい旅したんだ」と話すと「アジアの国は行かないのかい?例えば中国とか」と聞かれた。

「中国は行ったことないけど、ベトナムやインドネシア、マレーシアは行った」そう答えたけど、ピンと来なかったみたい。「シンガポールにも行ったね」と話すと、「ああ、シンガポールなら知ってる。ガールフレンドのお父さんが転勤している国だ」と言っていた。

ヨーロッパに住んでいたら、アジアなんて遥か彼方のファンタジーみたいなもの。知らない国があっても不思議じゃないんだなと思った。

いつものようにnoteへ日記をアップしてから、外へ出た。少し曇っているけど、遠くには青空が見える。良い天気になりそうだ。

今日は目的地がひとつあった。昨日、コペンハーゲン中央図書館に行ったあとネットで調べていたら、デンマーク王立図書館というもっと巨大な場所を発見したのだ。

名前からして迫力あるが、なんでも北欧諸国でいちばん大きな図書館とのこと。コペンハーゲン港のウォーターフロントに立ち、景観も良さそう。まずはそこを目指して、周辺を街歩きすることに決めた。

バスと電車を乗り継ぎマップに沿って歩いていくと、図書館が姿を現した。通称「ブラックダイヤモンド」と呼ばれる通り、黒く光り輝いていて遠目からすぐにわかる。ウォーターフロントのそばで、多くの人が日光浴をしていた。

早速、中へ入って辺りを見回すと、恰幅のいい白人男性から声を掛けられた。

「肩から下げているものは何だい?」
カメラバッグかと思って指をさすと、首を横に振られた。
「いや、そっちじゃなくて、こっちのほう」とどうやらハッセルブラッドを見たいらしい。

「これですか?ハッセルブラッドといって、スウェーデン製のカメラです」
「わあ、すごく古そうだね。おいお前もちょっと来てみろよ」と近くにいた息子らしき人を呼び寄せた。

「これはいくらぐらいするの?」
「知りません(I don’t know.)」と答えるとキョトンとした顔になった。そりゃそうだ。なんで持っているカメラの値段を知らないのか。
「伯父さんから借りているものなんです。だから値段はわからないんですよね」

そう答えると納得した表情で、2人は去っていった。日本で声を掛けられたことはないけど、ヨーロッパでは3日に1回くらい路上で呼び止められる。やはりハッセルブラッドは、ヨーロッパ(の特におじさん)で人気の高いカメラなのだ。

図書館は新館と旧館があり、連絡通路でつながれていた。旧館の調度など素晴らしかったが、残念なことに書庫は一般に公開していなかった。

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