最近、「好きなことを仕事にする」とよく耳にします。好きなことを仕事にして幸せになれるかは、まあ別問題として……。その言葉そのものは魅力的です。でもひとつ疑問に思うのは、好きなものって簡単に見つかるかなーってことです。

ところが先日、「好きなことを知る鍵」を発見しました。単純な話、なにかに対し根拠なき自信を持っていれば、それが好きである可能性は高いです。

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根拠なき自信には、折れない心が宿ります。それは同じジャンルでどんなにすごい人や作品を見ても、「オレにはオレのやり方がある」と客観的に考えられる心。そして自己肯定感が下がらず、淡々と続けられる心、です。

ぼくは文章を書くことや写真を撮ることが好きです。ご存知のように、この2つのジャンルにはすごいひとがたくさんいます。でもそれらの作品を見ても、嫉妬はあれど心は折れません。「このひとたちには敵わないから、もうやめてしまおう」なんて微塵も思いません。「確かに彼らはすごいけど、自分には自分の良さがある」となんか知らんけど謎の自信があるんです。

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すごいひとを見て心が折れてしまうのは、同じ線上で競っているからです。「自分独自のものを出す発想が湧かない」とも言い換えられます。すごいひとと同じ線上にいると、トップがはるか遠くに思えます。下手したらその背中すら見えないかもしれない。そうなると続けるのが苦痛にさえなります。

ひとつ、自分の例を出します。最近、YouTubeが流行っているので、何かしら作ってみようかなと考えました。海外への一人旅が多いので、作るとしたら旅のダイジェスト動画にしようと思ったんです。

そこでYouTubeの競合を調べてみたのですが、あっさり作ることをやめました。なぜかって？ トップクリエイターのクオリティがあまりに高すぎて、早々に心が折れたからです。

おそらくYouTubeのなかでハイクオリティな旅動画は、1%くらいでしょう。映像作家になりたいわけでないので、その1%を目指す必要はないんです。でも旅動画を作る限り、いつまでもトップの映像に引け目を感じる。トップと自分の差に絶望し、自己肯定感が下がるだけ。好きな文章や写真とは、明らかに心持ちが違っていました。

つまり流行っているから興味を持ったものの、YouTubeの動画制作は好きなことではなかったのですね。

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この「根拠なき自信」は、なにか理由があって湧き出るものではありません。何しろ、「根拠なき」ものですから…。だからこそ、自分の根っこに密接に関わっています。

「はて、自分の好きなものってなんだっけ」と迷ったときは、「すごいひとを見ても心折れず続けられる」、そんな根拠なき自信を探ってみると発見できます。少なくともぼくは、文章と写真がやはり好きなんだと改めて思い知りましたよ。