30代半ばの女性が1回目のファイザーのワクチンを打ったら想定以上に元気だった話

先日、ワクチン(ファイザー)1回目を打つことができた。
同世代では比較的早めに打てた方なので、その経過記録と雑感などを備忘録的に綴る。
最初に述べておくと、特別訴えたいような出来事はまったく起こらなかった。
けれども世には、ワクチンを打ったら必ず高熱など苦しむものだと思っている人もいるかもしれない。
そして、私のように特別な何かが起きたわけでもない人の話は、強い反応が出た人の証言に紛れてしまいがちだ。
とはいえ表に出てくる情報がそればかりに偏ってしまうのは、今のところ苦しまずに済んだ身としては、なんとなく落ち着かなかった。
個人差があるからこそ、いろいろな体験談があってよいのではないか。副反応が心配な人のための判断材料は、多いほうがよいのではないか。
そんなわけで、私にとっては「なんてことなかった」話をここに記すことにした。(単に接種後の経過だけを知りたい人は「1日目の経過」まで読み飛ばし推奨)

筆者のスペック

記録の性質上、どういう条件の人間かは大事だと思うので。
・30代半ばの自由業(ライター、ときどき接客)。都民。
・体重多め、ただしBMIで優先枠に入れるほどではない。
・ワクチン優先に挙げられている既往症もないが、毎日服用している薬はある。
・雨の前後など環境や体の状態が変化すると、頭痛と耳鳴りが起こりやすい。
・慢性的な首こり肩こりに加えて、眼精疲労も激しく、月に何度か鍼に通っている。
・万年眠りが浅くて寝不足。最近は運動も不足している。
・平熱は35.8〜36.2くらい。35℃台はそこまで珍しくない。
・お酒もたばこもたしなまない。
・ホコリとダニのアレルギー持ち。秋花粉が舞うと絶望する。年によっては春も苦しい。
・採血や点滴はわりと好きでテンション上がる。今は通えないけど献血も好きだった。
(書き出してみるとだいぶ不健康だけど、20代のころはもっと貧弱だった)

勢いで予約した月曜日

接種券が我が家に届いたのは6月下旬の土曜日。
ちょうど私はこの日仕事で外出しており、夜になって受け取ることになった。
「せめてもう1日早ければー」と呻きつつ、時間問わず申し込める大規模接種会場の予約を試みる。
この時点で、副反応や連続で休みを取ったほうがいいとは聞いていた。
ただ、6月も終わろうかというころ。自由業とはいえ、すでに7月のスケジュールはほぼ確定しており、連続で予定を空けられる日程が限られていた。
「フリーランスの強みを生かして、どうにか平日に滑り込みたい……!」と望みをかけながら予約ページにアクセスするものの、つながらない、もしくは予約が埋まっている。
はい、ナメてました。ナメナメのナメです。
「もうこの際、いつでもどこでもいい。とにかく一刻も早く打ちたい」と条件をかえながら何度も空きを検索するが、画面を更新するたびに最短の予約可能日が先へ先へとずれていく。
このときの私は、後述の理由で感染に関して神経質になっており、少しでも早く安心を確保したくて焦っていた。
が、結局予約を確定する前にどんどん枠が埋まっていくのか、8月後半、かなり先にならないとこのシステムでは予約できないことに。
私は大人げないので、「やだやだ7月中に打ちたい」とスマホを片手に駄々をこね、地域の医療機関に月曜朝イチで電話をかけることにした。

そして月曜日。
私の住む区では、かかりつけ医で打てることになっていたが、実を言うと私は近所にかかりつけ医を持っていなかった。
普段かかっているのは引越し前からお世話になっているクリニックで区外。歯医者も区外に通っていた。
一応近所の内科にかかったこともあったが、1度きりのことだった。地元にかかりつけ医を持っていないことが、ここで弱みとなる。(ついでに言えば、職域接種の話が当初出たとき、フリーランスという身分の弱さも感じた)
あの内科にダメもとで電話してみようか。
図々しいのはわかっている、でもこのときの私には8月後半まで我慢できる心の余裕がなかった。
恐る恐る約1年ぶりに先述の医院に電話をかけたところ、確かに私はかかりつけ患者には当たらないが、かかりつけでなくてもなるべく受け付けるようにとの方針があるらしく、ありがたく引き受けてくれることになった。
感謝っ……! 圧倒的感謝っ……!
その場で2回目の接種日まで決まってしまった。神か。
待望の1回目は8月2日の月曜日。当初希望していた7月中とはならなかったが、誤差の範囲である。
予約できただけで、ピリピリしていた神経が落ち着いていくのを感じた。ワクチン接種の肯定も否定も個人の自由だが、予約しただけで安心する人間がひとり、確かにここにいるのだった。

1回目摂取までの準備

すぐ打ちたい、すごく打ちたいと焦っていた私だが、1ヶ月ほど間があいたことで、情報収集や準備に時間をかけられたのは幸いだった。
副反応には個人差があるが、高熱が出たり寒気に襲われたりするらしいとのことで、当日までに以下のものを準備した。

●水分補給
・ポカリスエット(900ml、500ml中心)
 →大きいボトルは持ち上げる元気がないかもしれないので。
・OS-1(ゼリータイプ)
 →ゼリーにしたのは寝ながらでも飲みやすいから。
・その他ゼリー飲料
・麦茶
・ミネラルウォーター(ウォーターサーバー)

●食欲がなくなったときに備えて
・レトルトのお粥
・インスタント味噌汁+ちょい足しの具にフリーズドライの野菜
・インスタント卵スープ
・豆寒天
・豆腐
・フルーツゼリー
・ヨーグルト
・バナナ
・飴
・梅干し
※栄養バランスよりも最悪な体調でも食べられること重視
※アイスクリームも買っておけばよかった……

●高熱が出たときに備えて
・熱さまシート
・市販薬(今回はイヴクイックにした)
・温冷両用のアイマスク
・大小タオル

●寒気に襲われたときに備えて
・長袖のパジャマ
・毛布
・ちょっと厚めの靴下
※寝具はオールシーズンのものを使用

●当日、病院に行く前に
・服装はノースリーブワンピース。
・帰宅後すぐにシャワーを浴びられるように着替え&タオル一式を脱衣場にセット。
・数日間寝込むことを想定して自室と水回り、特にトイレを掃除しておく。
・同様に洗濯も可能な限りしておく。
・ストックしておいたポカリスエットを飲む。(数日前からあらかじめ飲んでおくといいと噂に聞いて)
・接種券、記入済みの問診シート、保険証、お薬手帳、身分証をひとまとめに。

いざ、接種

待ちに待った8月2日、月曜日。当日朝の体温は35.8℃。まあ、平熱。
咳やくしゃみ、熱っぽさ、吐き気、特になし。
日課のラジオ体操、そこそこいい感じ。掃除も洗濯も元気に済ませる。
予約は午後だったので、今のうちにと原稿も進める。
神棚には「明日具合が悪くて水とか交換できなかったらごめんなさい」と先に謝っておいた。

我が家から病院までは徒歩10分ほど。早めに家を出て、付近で時間調整をはかるつもりが、雨と風が急に強くなる。晴れ女なのに。
結局ちょっと早めに病院の窓口へと駆け込んだ。名前を告げながら接種券を出すと、すぐ受付してもらえる。
その場で体温をはかったら36.3℃。ちょっと上がったのは雨のせいにする。
時をあまり置かずして問診に至ったが、あえて言えばアレルギーを聞かれたくらいで時間をかけて厳密にあれこれ尋ねられたりはしなかった。
一度待合室に戻され、準備ができると大部屋に呼ばれる。カーテンで仕切られたベッドが並ぶ、ちょっと懐かしい雰囲気の空間だ。
手際よく消毒されたあと、右利きの私は左腕にぶすっと刺された。所要時間、数秒。
この医院、予約も問診もスムーズに進むが、ながらく待ち望んだ瞬間もあっさり終わった。もっと「痛っっっ!」となるかと思った。
「痛みは?」と尋ねられて「全然ないです! 上手ですね!」と興奮して答えたら、「筋肉注射だからキュって入っちゃえばそんなものよ」と苦笑された。そうか、そんなものか。

1日目の経過記録

※その都度スマホにメモした内容をコピペしつつちょい加筆

・打った瞬間(15時ごろ)
普通の注射や鍼くらいの刺激で、痛みというほどではない。
カーテンで仕切られたベッドのひとつに座らされ、15分にセットしたタイマーを脇に置かれる。

・3分経過
刺した左の肩甲骨くらいにピキピキとした強ばり、あくまでも痛みではなく違和感程度。
長年首肩こりが激しい身なので慣れた感覚と思いきや、こういうときは首とか背中までガチガチなので、注射箇所の狭い範囲だけそうなっているのが一番の違和感。
解熱剤の用意について別々の人から確認される。市販薬でOKとのこと。
「若い人は熱が出やすいから」と言われ、「もう30代半ばだし……」と答えようとしたところで、近くにいる2回目を打ちに来たらしきご高齢者を見て、「ここでは私は若輩者!」と背筋を伸ばす。

・5分経過
ピキピキっとした違和感は強くなることがたまにある、くらい。
呼吸などに変調見られず。

・10分経過
胃がムカムカする。荒れてるというより、空腹時に近い感覚。
そういえば、出かける直前まで原稿してたのでお昼少なめにしちゃったけど、もっと食べてくればよかった。

・15分経過
まったく具合が悪くなることなく、ピンピンしたまま帰される。
「夜になったら体調が変化するかも」「2回目に比べると1回目は軽いかも」と予告を受ける。
帰り道、肘より先にもじわじわとした「何か」が広がっていくのを感じる。
こわばってはいない。痛くもない。ただ違和感としか言いようのない、何か。

・30分経過
覚悟してたよりも元気。なんかお腹がすいている。
溜め込んでた食料が、寝込んだときを想定して準備したものばかりだったので、もうちょっと食欲あるときに食べられそうなものを追加で購入するために、慌てて寄り道して最低限の買い物。
帰宅後、即シャワー直行。まだ腕は上がった。もちろん湯舟には浸からないし、注射箇所はこすらない。

・1時間経過
左腕に異常見られず。胃のあたりがポカポカしてきた。
まだ食欲があるし、吐き気が出てきたときに胃が空だと逆に辛いかもしれないので、寝転びながら軽食をムシャムシャ。
そうこうしてるうちに左腕もポカポカしてきた。なんだろう、これ。

・2時間経過
頭痛というほどでもない、頭皮がこってる感じがする。睡眠時の食いしばりがひどかったときの朝に似た感覚。私、いつもどれだけこってるんだ。
両手の指先が温かい。
とりあえず横になり、体温をはかる。36.2℃。笑っちゃうくらい平熱。
ちょっと左手の拳、薬指あたりに違和感。
ピアノを弾くときに目いっぱい手を広げたあとのような、突っ張る感じ。

・3時間経過
少し仮眠。左腕は、違和感程度のままで痛みはまだない。
体温は36.3℃。そのままもう少し眠ることにする。

・4時間経過
寝返りを打ち、注射した部分が少し痛むことに気づく。
体温は36.5℃。
拳の違和感消える。左の注射箇所周辺だけ微妙に痛く、左腕全体に関しては凝ってるけど怠さはない感じ。
熱を持ってるわけではないがなんとなく気休めに熱さまシートを上腕に貼る。おまじない感覚で。
右腕などほかに支障ないし、時間がもったいないので原稿の続きを始める。

・5時間経過
左の上腕が突っ張る。体温は36.5℃。
まだ元気で食欲もそれなりなので拍子抜けしている。けれども油断は禁物。
あまり重たいものを食べるのもなんなので、茶碗蒸しで済ませる。

・6時間経過
体温36.4℃。
突っ張り以外に異変なし。
相変わらず注射部分周りだけ痛いが、他の部位の違和感は消えた。

・7時間経過
体温36.1℃。
腕を上げるとようやく痛くなってきた。これが噂の副反応!
ちなみに5GにもBluetoothにもWi-Fiにもつながらない。残念。非常に残念。

・10時間経過(深夜)
寝返りを打つとやはり痛い。
腕を上げても痛い。

・13時間経過(もはや翌日)
体温36.0℃。
寝る気分じゃなくなってしまい、かといって起き上がって原稿する気分でもなく、現在全話無料公開中のゴールデンカムイを最初から読み返してたら蝉が鳴き始めていた。
もう朝か。蝉は時間を教えてくれて偉いなあ。いい加減寝る。

2日目の経過記録

※時間を決めずに気づいたときにだけメモしたり体温はかったりしたので不規則

・7:24(ここで約16時間経過)
いったん起床。言うまでもなく寝不足なので、最低限の食事と毎日の服薬だけ済ませてまた寝る。

・10:41
再度起きて体温計測。35.3℃。低い。
相変わらず左腕だけ痛む。ほぼ日課のラジオ体操は右半身中心に動かす。
神棚は休んでもよかったかもしれないけど、ちょっと気がかりだったので最低限の交換だけする。(朝イチじゃなかったことは謝っておいた)
左腕を上げるとピキピキっとなるので、片腕での作業になってしまった。
また寝る。

・11:34
起き上がって体温計測。36.3℃。
頭が重いが、普段の頭痛ほどではない。多分寝不足。いつものことだ。
昼ごはんを食べる。
ゼリー飲料を飲むと、なんとなく穏やかになった。水分不足だったかもしれない。
いまだに意味は感じられないが、気休めに左腕に熱さまシートを貼る。

・14:34
ここでほぼ丸1日経過。体温は36.4℃。
相変わらず腕をあげようとすると痛い。原稿仕事をする分には問題ない。
せっかく買い込んだのでポカリスエットをガブガブ飲む。
作業のお供はゴールデンカムイのアニメ。
おやつに豆寒天を食べる。ヒンナヒンナ。

・17:55(明らかにここらへんで記録に飽きてきている)
体温計測。36.6℃。
仕事しているうちにちょっと上がってきたような。
ついでに、眼精疲労のときと同じ場所(こめかみ)がこっている。
せっかく用意したからと、頭痛薬を服用してみる。
ただ食欲は普通にあり、お粥と一緒に普通のおかずも食べることにした。
今回とは関係なく、料理する気が起きないとき用に買ったレトルトのハンバーグ。
ぺろっといく。吐き気なし。マジか。

・19:21
体温計測。36.5℃。
ちょっと腕が上がるようになった。
他は脂肪でぷよぷよなのに、注射箇所だけやっぱり異様に硬い。
マッチョになったというより腫れてる。
冷えピタ2枚を貼る。
心なしか右の上腕も少し硬直してきた気がする。

・21:03
体温計測。36.4℃。
実験も兼ねて入浴してみる。
烏の行水レベルの短さで、今日も左腕はあまりこすったりしない。
結果、全然いじっていないはずの左腕がひりひりしてきた。ついでに左の足先がつった。
胃がムカムカしている。おかしい、食事量も水分摂取量も本人的には足りているはずだ。
試しに飴を舐める。腰のあたり、内腿のあたりも凝ってきた。

・21:58
体温計測。35.9℃。下がった。
胃に違和感。この感じ、すごくよくある雰囲気。
すなわち、空腹。
まさかねと思ってたら、ぐううううう……。
嘘!? 空腹でお腹鳴ったの久しぶりやぞ?
とりあえずゼリー飲料(蒟蒻ゼリー系)を開封。
メモしてる間に、毎日22時に設定している夜トレの通知。
いつもはスクワット30回だが、さっき入浴で血行が良くなったことを考えると少し後にしたい。
と思いきや体温が36.0を切ってしまった。どうしよう。
自分の体調を確認するため、仰向けになって両脚を天井に向かって上げてみる。
上がらない。お腹のあたりの踏ん張りがきかない。
結局スクワットは諦めた。

・22:30
足先がちょっと冷えてきたので靴下を履く。準備していたものが役に立って嬉しい。
眠い。立つと足元がじりじりする。低糖症になったときに近い状態になってきた気がする。
今日こそは早く寝ることを決意。

・23:01
ものすごく空腹感。
※体温をはかることすら飽きて寝てしまったとみられる。

【おまけの3日目】
・5:35
起床。喉が少し痛いが、どちらかというと乾燥が原因っぽい。
体温は35.4℃。低すぎる。
朝食は、ヨーグルトやバナナなど、買い込んだものの中でも早めに食べてしまいたいものを中心に。
体重をはかると、2キロ太ってた。おかしい、やせ細る予定だったのに。

・9:30
3日連続休めなかったので、仕事で外出。
体温は36.2℃。左腕の注射箇所はまだちょっと痛い。ラジオ体操はお休みした。
※その後、夕方には普通に腕を上げられるようになった。

振り返っての感想(というか反省)

今回、私は「どんなに具合が悪くなってもいいように」と、食事や身のまわりのものを準備した。
まさか、腕の局所的な痛み以外はほぼ副反応なしとは思わなかった。もうちょっと具合が悪くなると思っていたのだ。
風邪をひくときは「あれ? 元気だったときって、私、どう過ごしてたんだろ……?」とか弱気になるし。(なお、コロナ禍になってから風邪はほぼゼロ)
いつもは冷蔵庫に作り置きおかずを用意しているし、野菜やフルーツもそれなりに買っていたのだが、この季節、食べられなくて傷ませた場合を考えて、今回は控えてしまったのがあだになった。冷蔵庫に関しては、その分のスペースを飲料などにあててしまったのだ。
お粥やお味噌汁などの「食欲がないとき用」の食糧だけでは満たされない空腹感が一番の悩みになった。
最悪の事態を想定するだけでは不十分であり、いろいろな段階に備えておくのが大事だと改めて学んだ。自己評価は過大でも過小でもいけない。
もちろん今回ほぼ無風だったことは幸運であり、2回目の接種でも同じとは限らないが、肩透かしを食らったような気分になった。高熱が出るどころか、むしろ体温が下がりがちとか。
そういえば、若いと副反応が出やすいって聞いたような。あと、体温が低めだと免疫力が低下するとも。
まあ、災害の備えと一緒で、何も起こらなかったときはそれを喜べばいい。
思った以上にお粥や飲料系が余ってしまったので、これは3週間後の2回目に回すことにする。

あってよかったもの、欲しかったもの

・レンジで温める茶碗蒸しやインスタント麺類
病院の帰り、思ったよりも元気でいるかもしれないと予感して、慌てて買い足した食料。パンも買ってくればよかったかもしれない。
特に茶碗蒸しがよかった。用意しやすい、食べやすい、お粥よりもお腹にたまると3拍子揃っている。
デリバリー注文するのは面倒に思えてしまうので、そこそこの健康状態で食べられるものはもう少し多めに用意しようと思う。

・かご、ミニバッグ
薬や体温計、常温に近づけた飲料などをまとめて入れられる。
私の場合、ずっと寝込んでいたわけではなく、体の状態を見て仕事机に向かったりしていたので、バラバラしたものをまとめて持ち運べるので便利だった。
もちろん、具合悪い人は家のなかをうろうろせずにおとなしく寝るべし。用意したものを分類して枕もとに置いておく分にはいいかもしれない。

・スマホスタンド
他はピンピンしていたとはいえ左腕に微妙な痛みがあり、スマホをいじったり本を読んだりするのはさすがに少しきつかったので、寝ながらスマホで映像や漫画、仕事の資料を見るのにスタンドが便利だった。(こうして眼精疲労への道に進む)
我が家にもともとあったのは床置きタイプだが、贅沢を言えば仰向けでも見られるようなアームタイプを買ってもいいかもしれない。
机に向かって仕事をするときは、椅子のアームレストがいい仕事をしてくれたのであまり負担にならなかった。ありがとう、アーロンチェア。

・冷却シート
熱さまシートでも冷えピタでも、とりあえず冷やせるもの。
私は額に貼ることを想定して買ったものの、実際に冷やしたのは注射箇所周辺だったという。

・腕まくりしやすいパジャマ
寒気が出た場合に備えて、長袖のものもタンスから引っ張り出してきたが、結局そっちは使わず、終始一番着やすいもので過ごした。
上記のとおり、熱さまシートを腕に貼っていたので、腕まくりしやすい服装のほうが大事だった。

・ゴールデンカムイ
たまたま全話無料公開になっていて、実は数日前に最新話まで一気読みしてしまったのだが、今回頭から再読してやっぱり面白い。
アニメは未視聴だったが、こちらもよかった。おかげで心が充実した2日間を過ごせた。

コロナ禍と真夏の日本と

今回、私がワクチン接種の予約を焦ったのは、6月当時の状況が原因だ。
諸事情により、食事の場ではないところで頻繁にマスクを外してそのまま会話をする人と週に数度、平均6時間ほど同じ空間にいなければならなかった。
しかも、客人が1日に何組もその人を訪ねてきて、そのたびに彼らは自撮りnのためにマスクを外し、ついでに至近距離でそのまま会話するのだ。
完全に密閉空間ではないとはいえ、こんなに頻繁にマスクを外して不特定多数と交流して、よく感染しないものだとひやひやしっぱなしだった。
本当に個人の感覚の違いでしかないかもしれないが、この件で神経がかなり尖ってしまった。自分の関係している場がクラスタになることをどうにか避けたかったし、私自身この環境下を理由に感染したら悔しいと思った。
ここで学んだのは、鼻出しマスクで会話すると高確率で口が露出する。私にとっては、意味がない着用方法に思えた。でも、人によっては、これもきちんとマスクを着用しており、感染予防をしているという認識なのだ。
このすり合わせが、本当に難しい。認識・感覚の根本的な違いというトピックは、何度も何度も私の人生に石を投げこんでくる。

梅雨が明けてコロナ禍2度目の真夏へと季節は移ろった。
オリンピック開催中の東京では、マスクをぴったりと着用しない人が、以前より多くなったように思える。
もちろん、この時期はへたすると熱中症につながるので、むしろ場合に応じた着脱が必要だと思う。
私は春も秋も花粉症でマスクをすることに慣れきってしまっているが、そんな私ですら今の時期マスクの下は汗だらだらでうんざりする。
なぜ今この地でオリンピックが開催されているか、もはや不可思議なほどだ。
一方で、着用が求められている場でもマスクをしない、鼻や口が完全に覆われていない状態で会話を弾ませる人たちも増えているのは事実だ。
ワクチン接種が進んでいるとはいえ、まだマスクが必要な日々は当面続くと言われているなか、真夏の日本でコロナ禍を過ごす最適解はまだ出ていないのだろうか。
この課題は、来年の夏になってもまだ議論されているのだろうか。

昔、南国で蚊を媒介とした感染症の存在を学んだ。そのときは、遠い国の出来事のように受け取った。
けれども今、私はコロナ禍前よりも夏の蚊が怖くなった。刺されてもしょうがない、見かけたら確実に仕留めようという気持ちはなくなってしまった。ここで、以前は夏の蚊にすら情緒を感じていたことを自覚する。
3週間後に私は2度目のワクチンを打つ。来年は3回目のワクチンを打つかもしれない。
けれども、いまだに次の夏はどんな風景になるのか、うまく想像できない。

最後に

注意喚起でもお役立ち情報でもない、あえて言えばダメ人間の記録にしか過ぎない記事だが、中にはこういう人間もいたという記録があっていいと思う。
言うまでもなく、副反応には個人差があり、これを読んだ人は初回から強い副反応が出るかもしれないし、私も2回目には苦しんでいるかもしれない。
でも、医院で様子見をしているとき、看護師さんはこう言ってくれたのだ。
「副反応ってわかってると、怖くないからね」
おっしゃるとおり。
ある日自宅の水道がいきなり止まったとして、理由がわからなければ焦るかもしれないが、あらかじめ工事で断水すると聞いていたら心も含めて準備ができる。
情報と知識は味方になる。それを言えば、今回の私は副反応が軽かった人の情報収集を怠ったのが準備不足につながった。
メディアの中には、職域接種を行った企業もあるという。なぜ自分たちが接種に至ったのか、冷静で公平な発表があれば嬉しい。大衆の感情をあおるような、古い古い手法ではなく。

私はとにかくリスクを下げ、このコロナ禍を生き延びたい。
手洗いとうがいはこまめに。周囲との距離を常に意識する。そこらのものに気軽に触らない。同じく、マスクの表面や顔を不用意に触らない。着用済みのマスクの管理に注意する。この1年と数か月コツコツ重ねてきたことを繰り返す。
ゴールデンカムイの最終話を見届けたいし、十二国記の短編集もまだ発売されていない。
酒井抱一の絡む記事ももっと書きたいし、なんなら抱一の花鳥画をひとつくらい我がものにしたい。というか、出光美術館のプライスコレクションお披露目をずっとずっとずっと待っているのだ。
だから2回目のワクチンもしっかり打つし、語りたがり書きたがりなので、飽きていなければレポートを綴る予定である。どうなるかはそのときにならないとわからないが、油断せずにいきたい。
あと、次回は睡眠をきっちりとらねば。不健康はいかん。







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