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ゲームとことば#40「マリア平気だもん」

「兵器」ではなく「平気」である。
日本語って難しいね。

『悪魔上ドラキュラX 血の輪廻』は、主人公のリヒター・ベルモンドの他に、もう一人プレイアブルキャラクターが存在する。
それがマリア・ラーネッドである。
マリアはブロンドヘアに大きなリボンを付け、ピンク色のドレスが似合う12歳の女の子だ。
言動は年齢よりもさらに子どもっぽい印象で、お転婆でかわいらしいキャラクターである。
しかし彼女、実はヴァンパイアハンターの血筋で、見た目とは裏腹にとてつもなく強い戦闘能力を持っている。

二段ジャンプにスライディング、移動しながらハトを出すファンシーな攻撃。
故・森光子さんもびっくりの「連続でんぐり返し」にスタンド攻撃のようなガーディアンズナックルという飛び道具。
初心者救済処置といった立ち位置のキャラだが、とにかく強い。
防御力はさすがにリヒターに劣るものの、機動力や多彩な攻撃手段によって終盤まで楽に進めるだろう。
アクション下手な筆者も、Wiiのバーチャルコンソール(PCエンジン版)ですんなりクリアできたことを覚えている。

本作のムービーシーンにて、リヒターに救出されたマリアは、悪いおじちゃん(ドラキュラ伯爵)の討伐に手を貸すと言う。
これに対しリヒターは、マリアにはまだ無理だと一笑に付してしまう。
それを聞いてむくれたマリアが放つのが、表題のことばだ。

リヒターの気持ちもわかるのだが、マリアは先述のように高い戦闘能力を持っているのでなにも心配はいらない。それどころか、プレイヤーからすればリヒターを凌いでいると思うほどだ。
そのため、このセリフは一部ファンの間で「マリア兵器だもん」と揶揄されている。
小さな女の子に対して「兵器」というのもいかがなものかと思うが、ここはゴシックホラーの怪物がはびこる世界。
不気味で仕掛けだらけの館や塔を進む放浪記は、彼女の活躍なくしては語れないだろう。

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