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ゲームとことば#29「"セップク"は"スポーツ"じゃないです!」

『がんばれゴエモン きらきら道中』のエンディングで、ラスボスのハラキリ=セップク丸と心中しようとするゴエモンインパクトのセリフ。
セップク(切腹)を究極のスポーツと言い張るセップク丸は、物語のラストでゴエモンたちに敗れた際、ついにセップクを試みる。
しかし、体内に巨大な爆弾が仕込まれたセップク丸のセップクは、周囲に甚大な被害を及ぼしてしまうのだ。
このままではみんなの命が危ない。
ゴエモンインパクトはセップク丸を羽交い絞めにし、一緒に太陽に突っ込むことで事態を収めようとするのであった。

どんな話だ。

最終的に、太陽突入直前でインパクトが表題の言葉をセップク丸に告げると、セップク丸が怒り狂いインパクトを突き飛ばしてしまう。
それにより太陽突入を免れたインパクトは生き延びることができたものの、髪の毛がアフロになりダンスを踊るというおバカなオチ。
バカバカしくて楽しいゴエモンのストーリーだが、インパクトのこの冷静なセリフは、今でも印象深く頭に焼き付いている。
色々と今更だし最後のセリフとしてもどうよ。「!」つけて言うことかね。

でも真面目で優しいインパクト。
ロボかと思ったら実は宇宙人のインパクト。
愉快なキャラです。

シリーズの中でもミニゲームのクオリティが高く、遊びごたえのある『きらきら道中』は、ゲーム性もストーリーも大満足の作品だった。

ところでゴエモンの敵キャラやモブキャラってちょっと怖く感じないだろうか?私だけ?
特にカラクリのようなザコ敵や、通りをスーッと歩く町人なんかはどこか不気味に感じたものだ。
しかし同時にその不気味さに、凡庸なキャラデザインの作品とは一線を画す魅力を感じていた。
過去形にするのもどこか寂しいが、実に不思議なパワーを持った作品だった。

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