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ゲームとことば#73「苺を食らわば皿まで」

「毒」ではない。「苺」(イチゴ)である。

初代プレイステーションで一世を風靡した元祖リズムアクションゲーム『パラッパラッパー』。
その第1ステージ「フルーツ道場」に堂々と飾られた掛け軸に、表題のことばが書かれている。

クセの強いジャパニーズ・イングリッシュが特徴的なタマネギ先生が、ここの道場主だ。
彼は空手とラップを教える、唯一無二のイケ玉ねぎなのである。
今にして思えば、音ゲー黎明期の作品の一発目のステージ持ってくるにしては独特な曲とキャラクターだ。
だが、なかなか面白いセンスだとも思う。
一応ストーリー的には、主人公のパラッパがガールフレンドのサニーを守るために道場を訪ねた、という流れであったはずだ。なんと健気。

Kick, Punch! It's all in the mind!
で始まる空手ラップバトルは、いつ聞いても心が躍る名曲だと思う。
プレイ中は忙しくてステージの細部を眺める余裕はないが、カラフルでコミカルなパラッパラッパーは、隅々まで楽しい要素がたくさんだ。
表題の掛け軸も、小さなギャグだがなんとも言えない味わいを感じる。

ところで「毒を食らわば皿まで」を改めて調べてみた。

いったん悪に手を染めたからには、最後まで悪に徹しよう。

小学館デジタル大辞泉

ということだ。
何とも物騒なことわざである。
これが「苺」になっただけで、途端に食いしん坊さんになってしまう。
字面が似ているだけだから、と言ったらそれまでだが、このお茶目なノリがいかにもパラッパラッパーの世界観でとても気に入っている。

カラフル&キュートな世界観

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