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ゲームとことば#58「Yes, indeed.(そうさね)」

今日はダークソウルで英語のお勉強。
「Yes, indeed.」は「ええ、そうですね」といった感じで、相手に丁寧に同意する言葉らしい。
アメリカよりはイギリスの方で使われる相槌みたいだ。
少々かしこまった言い回しのようだが、ダークソウルの日本語字幕では老婆の語り口で「そうさね」と訳されている。

おどろおどろしいダークファンタジーの世界観を持つダークソウルは、作中ではストーリーについて語られるシーンがとても少ない。
その中で、オープニングの老婆の語りが貴重な説明シーンであり、その後プレイヤーは牢を出る方法を探る。
老婆が姿を現すわけではない。
昔話の語り部のような立ち位置だ。
プレイヤーは放り出された感が強く、以降は自分で世界を探っていく必要がある。最低限の操作方法に関するメッセージなどはあるが。
だが、何かを知りたければ自分で行動を起こせ、という潔さを感じる導入である。

本作のストーリーが簡素な理由は「エモーショナルなイベントを極力廃し、世界観を重視するゲームデザインだから」といったものや、「何度もトライアンドエラーが必要な高難易度のゲームだから」というところだろう。
ボスに何度も倒されるほど難しいのに、その都度長い会話イベントは聞いていられない。
だからこそオープニングでの語りが、プレイヤーをダークソウルの世界にいざなってくれる貴重なエッセンスだと言える。

そうさね
ダークリングは呪われた不死の証
だからこの国では
不死はすべて捕らえられ、北に送られ
世界の終りまで、牢に入る
お前もそうなるんだよ

『ダークソウル』オープニングイベントより

一言一言ゆったりと語られるこのセリフは、不死という絶望を染み入るように感じさせてくれる。
「お前もそうなるんだよ」
で急にこちらに語り掛けるような言い回しがまた、たまらなく良い。

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