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この機会にゆっくり考えてみた。子宮のこと。

生理に少し困難や苦しみがあるものの「大丈夫」と思っていた。これは私が35歳にして「子宮のこと、もうちょっと大切に考えてみようかな」と感じた話です。

(「子宮って病気じゃないと取っちゃいけないの?」という疑問をじっくり考え抜いた話でもあります)

1. 健康診断で「子宮内膜症疑い」

健康診断センターの婦人科の担当医は「余計なモノはすべてスパンっと切り落としてきましたー!」というほど端的でサバサバした女性でした。


検査後、開口一番に

「右側の卵管が曲がっていて卵巣が本来の位置に無いですね!

 まあ卵巣はそもそもブランブランしてるから、どこにあってもいいんだけど!」


とマシンガントークで言われたときは、その勢いと端的な説明と「ブランブラン」の言葉の響きに、思わず笑ってしまいました。

(そうか位置はどこでもいいのか……)とひそかに感心している私へ、サバサバ担当医が続けて告げたのが、「子宮内膜症の疑い」でした。


「ただ、あなたの卵巣は子宮とくっついちゃっているように見える。

 子宮内膜症の可能性があるので、再検査を受けてね。紹介状を入れておきますから」


保健体育やらなにやらで習ったかと思います、卵巣と子宮をつなぐ卵管は子宮から両手を伸ばしたように左右へ伸びていますよね。

経腟エコーで見たところ、このかたっぽがまるで腕を曲げたかのように子宮に密着して見えたんだそうです。


「あれま。」でした。私が最初に思ったのは。


もともと生理痛も軽くはないたち。

生理の1~2日目は鎮痛剤がパートナー。

お腹以外の部位が痛いときもあったので、子宮内膜症の疑いそのものには、あまり驚きはなかったです。


むしろ子宮内膜症の治療がちゃんとできれば、生活の質が良くなるかも。と考えたほど。


しかし1つ心に引っかかるのが「もし癒着していたら私の子宮はどうなるの?」ということでした。


2. 発見した「愛着心」


先に結論を述べておくと、卵巣の癒着はありませんでした。

しかし紹介先の病院にかかるまでの約1か月は「もし癒着していたら?」の疑問が頭から離れなかった。


疑問は「子宮や卵巣を取っちゃうのかな」という不安も招き、けっこう毎日子宮のことを考えていました。


頭のなかの冷静な部分は「万が一、子宮や卵巣を取ることになっても別にいいんじゃないかな」って思っていたんです。

それはいろいろな状況があって、夫とも話し合ってきて、子どもはこれ以上持たないだろうと考えていたから。

避妊リング(ミレーナ)の装着も考えていたくらいだったので「万が一、子宮と卵巣が癒着していても適切な処置を受けるだけだ」と淡々と結論を出していました。頭のなかの冷静な部分は。


それでも比較的毎日、子宮のことを考えていたんです。


正直「子宮が無ければ生理がなくなって、生理前後の体の負担が減って、毎月のイライラがなくなるなら、自分もみんなもハッピーじゃない?」とまで思っていたのに、不思議ですよね。


ふと考えてみると、これって何かの気持ちに似ていたなあと思います。


「大切」と思っていたモノを手放さなければならないときの気持ち。

長い時間をかけて頑張って大切に愛を育んできた人と絶対に別れなければならなくなって「寂しい」、「惜しい」、「これからどうすればいいの」って感じ。



こういうのが「愛着」なんでしょうか。



思えば私のなかで頑張って息子を育んでくれた子宮です。もはや盟友なのでは。


子どもを作る・作らないという機能の重要性を感じる以前に、どうやら愛着を感じていたらしいのです。子宮に。


3.治療を始めました

再検査をしてくれた婦人科の担当医は、熟達の漢方医か小ぎれいな仙人みたいなアゴ髭がマスクからチラッと見える男性でした。


結果的に癒着はないと思われたものの「子宮がちょっと大きい」とのこと。

だから小さな子宮内膜症もしくは子宮腺筋症、もしくは子宮筋腫の疑いが拭い去れなかったんです。


ここからは私が選択した治療について紹介しますね。

(状態を見ていただき、これまでの体調や今後の希望などのヒアリング後に提示していただいた内容のため、どなたにも当てはまるとは限らない点にご留意ください)


前述のとおり今後はいったん妊娠を希望しないため、子宮内膜症疑いの治療として「ピル」、「ミレーナ」、「黄体ホルモン薬」のいずれかから選ぶことになりました。

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私はピルのなかでも超低用量ピルを処方していただくことにしました。


もともと生理前2週間ごろから腹痛があったり、頭痛があったり、家族をひどく怒り飛ばしたりしてしまうほど月経前症候群(PMS)がひどかったので、この機会にアプローチしたいと思ったんです。



しかし往生際の悪いのは、私の頭の冷静な部分。

ここにきてまで「大きな病気をしないと子宮って取らないものなのかな、子宮って取ったらだめなの?」なんて、ちょっと考えてしまったんですね、愛着を感じながらも。


ちなみに超低用量ピルのお薬代は1,150円でした。

1年間飲み続けるとすると13,800円必要。

仮に50歳で閉経するとして、あと15年続けたら20万7,000円。


むむ。


しかしWebでチラリと拝見したところ、この年齢で子宮摘出の手術や入院をするための費用のほうが多いようでした。


それからわかったのが、お金の問題だけじゃないということ。

もともと体に備わっていた臓器を取ってしまうのだから、後遺症の可能性も否定できないようです。

ここまできて、うん。納得。私の体の一部を担ってくれている子宮。きちんと大切にしよう。

と、あらためて実感できたのでした。



超低用量ピルの体験談についてはまた別の機会にでもお伝えできればと思います。疑問・質問・感想はお気軽にコメントくださると嬉しいです。

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