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支援をドヤってもらえたことで、結果的に双方が気持ち良くなれたりします。

大震災の被災者の立場になり避難所生活を強いられるという時間を過ごしたことで、物資の恩恵を受けたり炊き出しの有り難みを感じたり、冗談抜きで「命を繋いでいただくレベルの支援」というものを受ける経験を初めてしました。

そんなリアルな支援を受けたからこそ思った部分、大事だと感じた部分を書いてみたいと思います。

別に「支援はこうあるべきだ!」みたいな提言とか議論を吹っかけたいわけではなくて「実際に支援いただいた側として僕はこう感じた」ということを述べるまでですので、参考にしていただくも読み流すもそこは自由に捉えていただければと思います。

そして「支援」と言えばこれです。


僕が被災して程なく、キングコング西野さん(ならびにタケダP)が企画してくださったクラウドファンディング(という名のオンラインコンサート)。

詳しくは概要欄の西野さんのコメントを読んでいただければと思いますが、「被災したことでご家族も含めていろいろ大変だろうけど己のピアノ一本で生活立て直してください!」みたいなことです。

現時点で支援数は2,345人(延べ)にまで達していて、形としてはオンラインライブのチケットを買っていただいているという感じですが、実質そこには「支援」という気持ちがしっかり乗っているからこその数字であることは明白です。

そしてそれは僕個人、ならびに家族の範囲を超えてもはや能登、そして石川くらいまで意味合いが広がっている側面もあります。

で…

今日の記事を書こうと思ったきっかけになる話があるので、少しばかり紹介させていただきたいと思います。


(株)和髙組っていう大分県にある建設会社の代表取締役の髙橋さんという方が、今回のオンラインコンサートのチケットをお一人で100枚購入してくださったんですね。

これについていろいろ書きたいことがあって大変なので順を追って少しずつ整理したいんですが、まずこの「一人で100枚購入」というバグった事態が成り立つのは「オンラインライブ」の強みだと思います。

これがもしリアルのライブだったら、残りの99枚をどうにかこうにか他の人に売る(もしくは譲る)ということをする必要が出てくるわけで(じゃないと空席になってしまう)、そもそも仮にキャパによっては100枚買うことも不可能なわけで。

なんですがオンラインライブの場合は空席になる問題とかキャパオーバー問題なんてのは全く無関係なので、純粋に「支援の気持ち」として100枚買うという状況が何ら問題なく成立する。

まずここに改めて「支援の気持ち×オンラインライブ」の相性たるやという部分を感じた次第です。

そして次にこの100枚買ってくださった髙橋さんの話に移りたいと思います。

最初に書いておきますが、僕はこの髙橋さんと会った事も話した事もありません。ただの一度も。
今回の100枚購入を機に𝕏で初めて文字で絡んだくらいです。

じゃあなんでそんな人がいきなり僕のオンラインライブを100枚も買うだって話なんですが、髙橋さんはそもそもキングコング西野さんを熱心に応援し続けておられる方であります(Voicyのスポンサーやったり)。

なのでおそらく西野さんきっかけで僕(のクラウドファンディング)にたどり着いてくれたと思うんですが、どうやらそもそも石川県にお友達というかお仲間がたくさんいらっしゃる模様。
(さきほど引用させてもらった𝕏を参照にしていただければ)

なので僕という存在に限らず石川の仲間のためにもっていう応援の意を込めての100枚購入なんだと思います(本当にありがとうございます)。

まあここまでだと本当にただただスマートでカッコいい話なんですが、そのあとに引っ付いてたひと言にちょっと笑っちゃったんですね。

「西村さん、エコヒイキしてくれー!」と最後に添えてあるわけです。
(わざわざ僕のアカウントIDのメンション付きで。笑)

まあ言ってしまえば「俺100枚も買ったぞ!ドヤ!だからヒイキしてくれてもいいだろ!」ってことであります。

僕、今回そういう支援をしていただいて「エコヒイキしてくれ!」と来られて、なんかめちゃくちゃ気持ちよかったんですね。本当に。

なんだろう。

100枚買ってくれるってすごいじゃないですか本当に。
(しかも会ったことも話したこともない方が)

なんかこういう被災地支援みたいな時によくよく取り沙汰される「売名行為」云々の話ってあるじゃないですか。特に芸能人の。

わざわざ名前出して金額出さずにこっそりやれだのどうだのなんかゴタゴタ(今までの災害の際は第三者目線としてくだらないことでゴタゴタしてるなって思って見てました)。

逆にひっそりやってる人がやたら評価されるみたいな。

ただ、今回僕がこういう支援をいただいた時に、仮にあとからデータで「どなたかお一人で100枚買われてる方がいますよ」っていう事をもし知ったとしたら、もちろん"タイガーマスク運動"みたいな感じで「どなたかわからないけど本当にありがとうございます」という気持ちには当然なるとは思うわけですが、反面今回みたいに「100枚買ったぞ(ドヤァ)!エコヒイキしてくれ!」と来られたほうが、重ね重ねとっても気持ちよくて。

「髙橋さん!まじっすか!!あざーーっっっす!!!!!」ってなもんでして、「この人が僕にこれだけのことをしてくれた」っていう分かりやすさはやっぱり気持ち良かったしスカッとしたんですよね。

実際、避難所でも著名な方々や企業さんがいろいろ物資を送ってくださったり直接届けに来てくださったりしたわけですけど…

「○○さんからこれだをいただきました」って感じで(人も量も)可視化されてるほうがすっごく気持ちが軽くなるというか「本当にありがとう!本当に本当にありがとう!」ってとんでもないエネルギーが詰まった感謝が事あるごとに芽生えて、それがまた明日からも続く避難所生活の活力になってた節はあるんですよ。

これは本当にあるんです。

実は匿名で送られてきたものとかもあるんですけど(それはそれで当然!有難いんですよ!)、やっぱりその時よりも「○○さんから□□をいただきました」っていう時のほうが実際に避難所は活気付いてたと思いますよ(僕の肌感で申し訳ないですが)。

そういえばX JAPANのYOSHIKIさんも「自分はこれだけ寄付した」っていうことをかなりリアルな金額も公表した上で発信されています。



最初のほうにも書きましたが、僕は「支援は堂々と公言したほうがいいですよ!」とか「ドヤれる額や規模の支援をした人はドヤったらいいですよ!」みたいな提言をしたいわけではないのだけは改めてお伝えしておきます。

人によっては、自分の存在なんてまったく知る由もなくていいからひっそりと支援したいって心から思ってる方も多々いらっしゃると思いますし。

ただ、今回かなりリアルに支援を受ける側として生きてみて感じたのは「顔と支援がセットで浮かぶほうがこちらはよっぽど気持ちがポジティブになります」という部分。

その事だけはお伝えしておきたいなと改めて思ったので書かせていただきました。

重ね重ね「僕はね」って話です。


で、こうやってひとつの記事の中でガッツリ紹介することで髙橋さんへのエコヒイキにもなったかな?とも思います。

これは100枚買ってくださらなかったら僕も絶対に取ってない行動なので、やっぱりこのwin-win感は気持ち良いなと思います。

でもこれだと50枚分くらいな気がするので最後に髙橋さんがご自身で立ち上げているクラウドファンディングのリンクでも貼っておきます(人に100枚も支援している場合か!)。


なんか「他者貢献」っていう本を出版したいそうです。

この髙橋さんは朝から晩まで親の仇みたに「他者貢献、他者貢献」ってずっと唱えてらっしゃる方で(多分日常会話の語尾も全部"他者貢献"だと思う)、この本が面白いのかどうかなんて正直全然分かりませんけど、せっかくなんで僕も購入してみたいと思います。

今日は結果的に僕が髙橋さんにこんなに膨大に文字数を割いてしまったという事実はあるわけで、これこそが支援をドヤった末の結果と考えると、やっぱり支援がオープンなのは双方が気持ちいいなって改めて思う今日この頃なのでした。

重ね重ね何かの参考になれば幸いです。



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