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「"たられば"の話」「あらためて、Jー45とJー50、この差は何故?!」

 「終活ギター アコギ庵」「アコギ弾き比べサロン アコギ庵」です。
 アコギ一筋54年。アコギの終活をやろうというオッサンが、《何かアコギ好きのためにできることはないか?》というところからスタートしました。アコギ好きのための”Support and Assist”を目標に、何かしらお役にたてることがあればいいなと思っています。
 そうそう簡単に弾くことができないと思われるギターも、何本か用意しています。初心者の方用、中級者用のギターもあります。とにかく来て弾いていただいて、そこから何かが始まることを期待しております。アコギ好きの皆様とお話しすることを楽しみに、お待ちしております。

「"たられば"の話」
 おそらく誰にでも、一つや二つはあるだろうと思います。アコギに限らず、どんなものにも当てはまるかもしれません。

 長いアコギ人生、色々な出会いがありました。今あらためて、つくづくギターも縁だなということを感じています。

 まずは1969年製のMartin D-45を手に入れた時の話から。
 時は昭和62〜63年ぐらいだったと記憶しています。当時は1968〜1969年製のD-45があると聞けば、あちこち出かけて見に行っていました。大阪のナカイ楽器や東京のカワセ楽器などへ見に行きました。が、コンディションや価格の面で購入に至りませんでした。最後に神戸のヒロ・コーポレーションというショップを知り、何も情報がないまま神戸まで行きました。何時間も迷ってやっとお店に辿り着き、ハカランダのD-45を探していると伝えました。すぐに帰ってきた返事が「それを買う値段で、プリウォーのOOO-45が買えるよ。そっちの方がええと思うよ?」でした。当時はヴィンテージギターの知識がほとんどなく、その価値もよくわかっていませんでした。OOOというサイズにも全く興味がなかったこともあり(アコギはDが当たり前、そんな時代でした。)、とにかくD-45が欲しいということを言った覚えがあります。それから一年後にこのお店で1969年製のD-45を手に入れるのですが、あの時プリウォーのOOO-45を買っておいたら・・・。と、今になって時々悔やむことがあります。ただ、どちらを弾くか?ということになれば、やっぱり自分はDだなと思っています。

ヒロ・コーポレーションで購入したMartin D-45 1969年

その②
 前述のD-45を手に入れる前の話です。当時のギタ友の知り合いに、アメリカからギターを輸入・販売しているブローカーがいました。その人から「アメリカの有名なミュージシャンが所有しているプリウォーのD-45を売ると言うてるんやけど、買わへん?」という話が来ました。
 価格は?と聞いたら、400万とのこと。36~37年前の話です。さすがにその金額は無理だなと思い断りました。無理をすれば買えたのかもしれませんが、借金をしてまで買おうという気にはなりませんでした。でも、あの時買っておけば・・・。ちなみに、ヒロで買った69年製のD-45は130万でした。

その③
 フィンガーピッキングの世界では、世界最高峰と言われているsomogyi。初めて見せてもらった時、フィンガーピッキングは全くやっていませんでした。その為まったく興味が湧かず、弾くこともありませんでした。サイド・バックがハカランダのモデルで、価格を聞いたら「65万円」でした。最近ではめちゃくちゃ価格が高騰しています。新品はまったく見かけることがありませんが、出てきたら1000万という噂もあります。ユーズドもすごい価格になっています。もう弾く(使う)ギターではないような気もします。

 somogyiは過去に10本所有しました。最も多く同時に持っていたのは6本です。今の価格を思えば、ものすごく安く手放してしまいました。あのまま持っていたら・・・。

1993年製のSomogyi、連番でした。
Somogyi D. Cutaway No.104(1987)フラットピック仕様でした。

その④
 ニューヨークの近くスタッテンアイランドにある有名なギターショップ、マンドリンブラザースへ行った時の話です。

 特にこれを買おうと決めていた訳ではありませんでしたが、MartinのヴィンテージとSanta Cruzは頭の中にありました。店に入ってすぐ50年代と60年代のDー28を見つけて弾かせて欲しいと伝えたところ、壁に飾ってあった1942年製のDー28を勧めてきました。10,500ドルぐらいでした。なぜかその時はそれを弾く気にならず、1957年のDー28とSanta Cruzのトニー・ライスモデル(ジャーマンスプルーストップ、ハカランダサイド・バック)を2本買って帰りました。Dー28とトニー・ライス2本、合計3本で10,000ドル弱でした。あの時勧められた1942年製のDー28、コンディションも良かったので今なら相当な価格になるだろうなと思います。あの時買っていたら・・・。

当時のマンドリンブラザースのカタログ。No.16が当該ギターです。


 「あらためて、Jー45とJー50、この差は何故?!」
 ヴィンテージギターの価格高騰が続いていますが、そんな中「何でやねん!?」という疑問が大きくなってきたので書きました。(現行モデルではなく、ヴィンテージに限定した内容です。)
Jー45とJー50については、以前も記事にしています。

 いろんな資料を探して読んでみましたが、この二つのモデルに音に影響するようや明確な差は見つけられませんでした。仕上げが、サンバーストかナチュラルであるか?ぐらいのものです。であるとすれば、通常はサンバーストの方がコストが上になるはずです。当然Jー45の方が高くなって当たり前だと思うのですが、実際は逆になっています。トップがナチュラルであるJー50の方は,木目がはっきり見えるので良い材を使っている等の通説(都市伝説?)もあります。が、明確な説明がされたものを見たことがありません。(現行のギブソンにはJー45しかないみたいです。同じ仕様なので、統一したということなのかもしれません。)

GIBSON J-45の価格(2024年1月14日現在のデジマートより)
GIBSON J-50の価格(2024年1月14日現在のデジマートより)

 適当に価格の高い方から抜粋して比べてみました。(J―45の中にはJumbo55が混ざっていますが。)
 明らかに価格差があります。この差は、市場での人気度の差によるものであることに異論はないと思います。その原因となるものが楽器としての価値(サウンド面で優れているかどうか?)ではないのも明らかです。
 使用されている材や構造上の明確な差がないのであれば、Jー45を基準に考えると、J-50はものすごくお買い得!と言えます。逆にJー50を基準にすればJ-45はメチャクチャ高い!と言うことになります。あくまでも個人の独断と偏見に基づいた考えですので、読んでいただいている皆様の参考になるかどうかはわかりませんが・・・。
 もし自分が買うとするなら、絶対にJ-50で探すでしょうね。

 拙い文章をお読みいただき、誠に有難うございます。皆様の感想、ご意見をお聞かせください。 またアコギに関する相談等がございましたら、どんなことでもOKです。遠慮なくお尋ねください。
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