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「最近のヴィンテージギターの価格が・・・、よくわかりません。」

「終活ギター アコギ庵」「アコギ弾き比べサロン アコギ庵」です。
 アコギ一筋54年。アコギの終活をやろうというオッサンが、《何かアコギ好きのためにできることはないか?》というところからスタートしました。アコギ好きのための”Support and Assist”を目標に、何かしらお役にたてることがあればいいなと思っています。
 そうそう簡単に弾くことができないと思われるギターも、何本か用意しています。初心者の方用、中級者用のギターもあります。とにかく来て弾いていただいて、そこから何かが始まることを期待しております。アコギ好きの皆様とお話しすることを楽しみに、お待ちしております。


「最近のヴィンテージギターの価格が・・・、よくわかりません。」
 ”商売柄”でもないんですが、以前からJ-Guitar.comやデジマートは、ほぼ毎日チェックしています。何度も似たようなことを書いていますが、最近のヴィンテージギターの価格は「ホンマに高くなったな!」と思います。特に昨年の価格上昇の仕方は異常でした。アメリカのインフレと、急激な円安がそれに拍車をかけたのは間違いないでしょう。
 ずっと以前からアメリカの価格動向も見ていますが、日本での価格は必ずしもアメリカと一致している訳ではないようです。基準がどこにあるのか?ますますわからなくなってきています。希少性の高いものはさらに高くなり、なおかつ売りに出れば即ホールドがかかってしまうよ言うな状況です。複数の中から選ぶということは、ほぼ不可能になってきました。自分としては非常に不本意ですが、あるもの(出てきたもの)を買うしかない状況ですね。
 過去数十年ずっとヴィンテージギターを見てきましたが、おそらく価格が下がることはないでしょう。需要と供給の関係で、あるいは不況になったりして一時的に価格が下がることがあるかもしれません。ですが、長い目で見ていれば上がっていくことは間違いないと思います。仮に買えたとしても高額なギターを使えるかどうか(使う気になるかどうか)は、また別の問題です。一般的には「ここまで値段が上がってしまうと、怖くて使えない。」というのが大方の考えだと思いますが・・・。

 本題に戻りましょう。わかりやすい例としてマーチンのD-18やD-28を例に見ていきます。新品の価格が上がったこともその要因の一つかと思いますが、中古の相場価格が変わってきたように思います。70年代はまだヴィンテージ価格という感じもしますが、80年代〜最近のものに関しては、それほど大きな差がないように思います。ショップによっては80年代でもヴィンテージの扱いをしているところもありますが、価格はそれほど高くないという印象です。(例外もあります。)
 70年代前半のD-28では50万円を超えているものがありますが、数は少ないです。D-18も40万円を超えるものがいくつかあります。自分の感覚では「信じられない価格。」といっても過言ではありません。ですので、人には絶対におススメできないと思っていました。が、久しぶりにアメリカのD-28の価格を調べてみて、その考えが変わりつつあります。71年製で$4,995や$5,989、74年製で$5,998、78年製で$5,898の価格がつけられていました。$4,995でも1ドル=145円換算で724,275円!!
 もちろんもっと安い価格で売られているものもありました。70年製で$3,499、1ドル=145円換算で507,355円。74年製で$3,750、75年製で$3,495。最もリーズナブルだったものが76年製で$2,899でした。(それでも420,355円)相対的に日本の価格の方が、アメリカより安いのは間違いないと思います。この先アメリカの価格が下がれば日本の価格も上がっては行かないと思いますが、そうでなければ日本の価格はまだ上がっていくのかもしれません。自分のヴィンテージに対する価格の概念を変えなければならない時期なのかも?と真剣に考えています。

 ただ、価格のばらつきが大きいので、何が価格を決めるポイントなのか?がイマイチよくわかりません。売り手(ショップ)の方がお客様に対して、「何をどうアピールされているのか?」が気になります。

1974 Martin D-28 Natural
アメリカのDayton Vintage Guitars And Amps
というショップにあります。価格は$5,998!
1971 Martin D-28 Indian Rosewood
これはThe Guitar Brokerというお店にあります。
価格は$4,995! メッチャきれいなギターです。

 90年代あたりから近年のものは、たぶん同じようなもの(それほど変わらない)というイメージでとらえているのかなと思っています。70年代の終わり頃以降、いくつかの仕様変更がありました。おそらく時代の変化(世の中のニーズ)に対応したものでしょう。資源(良質な木材)の枯渇もあると思います。メーカーやショップからは絶対に触れないと思いますが、近年になるほど材料の質が落ちているのは間違いないと思っています。


 最近びっくりした(価格が高いと思えるのに、商談中!)ギターをいくつか挙げてみたいと思います。(2023年8月13日現在の状況です。)

 まずはこれから、1985年製のD-45です。登録日が5月23日なので、デジマートに出てまだ2か月半ほどです。この年代の45が、この価格で売れるとは思いませんでした。個人的にはまったく対象外(ヴィンテージの範疇に入れていない。)です。

 次はこれです。 1975年製。これも登録日が5月30日なので、販売されて2か月半ぐらいですね。このギターの売りは、クラプトンが使っていたОOO-28(1974年製)とほぼ同じ年代のものということでした。

 ほかのモデルでも同じことが言えますが、売れてしまえばその価格が相場ということになってしまいます。この次に同様のギターが出てきたときには、もっと高くなっているのでは?と心配になっています。

 また1960年代後半のD-28がやたらと高く、その割に1950年代のD-28は高くなっていないのでは?と感じています。

1969年製と1968年製
1958年製が2本

 1958年が2本と1968年、1969年。サウンドはかなり差があると思います。(個人の勝手な経験による主観です。)よほどその個体に問題でもない限り、自分なら間違いなく1950年代の方を買います。

 他にも価格がよくわからん!というのがあります。

 さすがに1970年代のD‐18でこの価格は・・・。自分には買えません!

 今の相場がそれぐらいで普通なら、これなどはかなりお買い得な印象です。決して安い価格ではありませんが、相対的にはお買い得かなと思いました。1972年製のMartin D-28 エンプロイーモデル、コンディションもよさそうです。(音がその価格に見合うものかどうか?は、弾いてみないとわかりません。あくまでも最近の相場から見た価格のお話です。)

 D-18やD-28に限らず、ヴィンテージギターの価格がよくわからなくなってきました。相談を受けた時の回答も難しいです。しばらくはこんな状態が続くのかなと思っていますが、それにしても悩ましい~!!
 
注:文中の価格はすべて2023年8月13日現在のものです。

 拙い文章をお読みいただき、誠に有難うございます。皆様の感想、ご意見をお聞かせください。 またアコギに関する相談等がございましたら、どんなことでもOKです。遠慮なくお尋ねください。
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