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「最近のJ-45の話と最近のD-28の話」

 「終活ギター アコギ庵」「アコギ弾き比べサロン アコギ庵」です。
 アコギ一筋54年。アコギの終活をやろうというオッサンが、《何かアコギ好きのためにできることはないか?》というところからスタートしました。アコギ好きのための”Support and Assist”を目標に、何かしらお役にたてることがあればいいなと思っています。
 そうそう簡単に弾くことができないと思われるギターも、何本か用意しています。初心者の方用、中級者用のギターもあります。とにかく来て弾いていただいて、そこから何かが始まることを期待しております。アコギ好きの皆様とお話しすることを楽しみに、お待ちしております。

「最近のJ-45の話と最近のD-28の話」
 何が基準なのかわからない!そんなお話の一つです。
 ギブソンのJ-45、最近のモデルは色々あり過ぎてどれが良いのか全くわかりません。価格的にも1990年あたりからごく最近のものまで、中古はほとんど差がないように感じます。(限定モデル等の特殊なものは除きます。)もし自分が使うとしたら50年代以前のものしか対象にしないので(ギリギリで1965年にナローネックに変わる前のものまで)、まったく興味がなく調べたりしたこともありませんでした。今回この記事を書くにあたり、初めてJ-45のことについて調べてみました。

 以下GIBSONのホームページから引用(’The Gibson J-45: 押さえておきたい基礎知識20箇条より)
 
J-45がリリースされた1942年という年は、新企画のギターの発売を開始するには、最高のタイミングとは言えませんでした。第二次大戦が猛威を振るい、時代背景は過酷でした。材木や金属の商用での使用について、政府によって課された配給量が決められていました。ギブソンの生産に携わる9割の人員は、戦争関連の生産活動に駆り出されました。残されたギブソンのルシアー達は、J-45の生産のために4ピース・トップのスプルース材を使わざるを得ませんでした。(スプルース材は当時たいへん貴重でした。)当時、スプルース材は、米国の飛行機製造にも用いられていたからです。

 J-45のフィニッシュは、元々サンバーストフィニッシュの1色のみでした。なぜでしょうか? サンバーストフィニッシュは、数枚のトップ板がつなぎ合わされた当時のトップ板には絶好のフィニッシュでした。サンバーストフィニッシュは材の繋ぎ目をより目立たなくすることに成功していました。1940年代製造のサンバーストフィニッシュのJ-45は、今では大変貴重となっており、コレクター垂涎の的となっています。

(引用元のURL:https://gibson.jp/news-events/6241

 初期のモデルに4ピースのトップがあったことは知っていました。オールマホのモデルやメイプルボディのものがあったことも知っていましたが、それにはこんな時代背景があったんですね。

 テーマとは関係ないことですが、最新のカタログにはJ-50が無いようです。おそらくですが、スペックに違いはないので分ける意味がないということなのかな?と思っています。J-45とJ-50は、サンバーストがナチュラルかという違いしかありません。音質的にもほぼ同じ(同じモデルの個体差程度)と考えても良いでしょう。

 話を戻しましょう。基本的にヴィンテージと呼ばれるもの(1970年以前のもの)以外のJ-45の話になります。単純にJ-45と言っても、Standard、J-45 Custom, Ebony、J-45 Studio Walnut、J-45 Studio Rosewood、1942 Banner J-45 Vintage Sunburst Light Aged、Keb’ Mo’ “3.0” 12-Fret J-45、J-45 50s Faded、1942 Banner J-45、50s J-45 Original、60s J-45 Original、Slash J-45。現行で生産されているものだけで、これだけあるみたいです。(12弦モデルもありましたが、それは除いています。)

GIBSONの現行アコースティックギター一覧のURL

 マーチンのD-28も同様です。今日現在の新品では
D-28 Standard、D-28 Golden Era、D-28 Marquis、 D-28 Authentic 1937、D-28 John Prine、D-28 Bigsby、Dwight Yoakam DD28 Signature Edition、
D-28 Modern Deluxe、等がラインナップされています。

 Martin D-28については、1969年以前はヴィンテージとしてかなり高額になっています。そして1970年代、このあたりもどうにかこうにかヴィンテージとして評価されているようで、少し価格は上がってきています。その後が1980年代以降になるのですが、このあたりから最近のものまで価格の差をほとんど感じません。一番不思議だなと思っているのが、1980年代から最近のものまでが同じように扱われている(同じような評価をされている?)ことです。仕様の変更や材質の変化があるにも関わらず、です。しかも80年代の前半なら、すでに40年を経過しています。40年前のギターが、全く評価されていないと言ってもよい状況です。自分にはその理由が何故なのかわかりませんが、80年代以降のものを欲しいと思っていないのも事実です。

 これは別の角度から見れば、1980年代以降から最近のものまでは価格的に差をつけられるような違いが無いということなのかもしれません。が、個体数はかなり多いので音の差も相当あると考えられます。つまりうまく当たりの個体を見つけることができれば、お得感は大きいと言えるのではないでしょうか?

 あともう一つ、少し話はそれますが、ずっと前から思っていることを。
 自分がヴィンテージのことを知り始めた頃のことです。たぶん1970年代の終わり頃だと思いますが、その頃すでに50〜60年代のマーチンはかなり評価されていたように記憶しています。わずか20〜30年ほどしか経っていないにもかかわらず、です。そのことからすれば今年はもう2024年なので、1980年代ぐらいのものがもっと評価されても良いのでは?と思わずにはいられません。ですが、現実はそうではありません。自分も1980年代以降のマーチンやギブソンに対して良い評価はしていません。なんとなくですが、これも材料の質が低下していることの一つの表れではないのかなと考えています。

 最後に、おまけです。
ここ最近で一番「おおっ!!」と思ったギター、GREVEN D-HBDX SB 1977です。(独立した個人のビルダーとしてスタートする前年の作品です。)材も全体的に厚く重いですが、鳴ります。音の芯が太く、ヌケは半端ではありません。ネックも太く全体的に「ゴツイな。」と思ってしまいますが、同年代のマーチンと比べても、比べ物にならないと言ってもよいほどの鳴りです。(見てくれは「良い」とは言えませんが、バッチリ調整済みでプレイヤビリティは文句なしです。)

 拙い文章をお読みいただき、誠に有難うございます。皆様の感想、ご意見をお聞かせください。 またアコギに関する相談等がございましたら、どんなことでもOKです。遠慮なくお尋ねください。
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