見出し画像

アコギ回顧録 Vol.49 「ギターも縁」

 ギターを道具(弾くもの、使うもの)として捉え、プレイヤーの視点から見た良いギターとはどのようなものか?その答えを追い求めて50年余り。所有したギター本数も3桁に届くぐらい?!
 その答えと言えるかどうかわかりませんが、過去~現在を振り返って自分なりの考え方をまとめてみようと思いました。アコギ好きの方、興味のある方にとって、少しでもお役に立つことができれば幸いです。

「ギターも縁 」
その①
 昨年から、ずっと気になっていた新品のギターがありました。(前にも書きましたが、自分は新品のギターにはまったく興味がありません。新品に興味が湧いたのは久々でした。)数年前から自分のギターを減らしている経緯もあって、購入に踏み切れず悶々としていました。(所有ギター、減らしましたが、それでも20数本残っています。)なので、今更またギターを買うのか?という思いが強く、迷っているうちに売れてしまっていました。その時点で「やっぱり縁がなかったんやな。」と、自分の中で気持ちの整理はついていました。

 ところが、そのギターがUsedで売りに出ていたんです!!

 ネットでそのギターを見つけた瞬間「これはやっぱり、俺に買ってほしいということや。」と心の中で叫んでいました。もちろんUsedなので価格も安くなっていました。何の迷いもなく、速攻でショップにメールを送ってHOLD。翌日に電話をかけてギターの状態を確認、購入決定しました。ここ何年かで手に入れたギターの中では、一番良いサウンドを持ったギターです。(あくまでも個人の好みです。)本当にええ買い物ができました。

 今あらためて、何カ月も悩んでいたことを思い出しながら「やっぱり、ギターも縁やな。」としみじみ思っています。


その②
 「縁」と言えば、何年も前にもそれを感じたギターがありました。以前にも書いた(番外編の個人売買)ことですが、もう少し詳しく事の詳細を説明します。
 注目のブツは、somogyiのM.D. Cutaway No.229(1999)European spruce Top,East Indian rosewood back and sides。

 元々はギタ友の所有ギターでした。仲間内の発表会のようなイベントがあり、自分も愛用のGREVENで参加していました。他にもヴィンテージギターやハンドメイドギターをみんなが持ち寄っていました。順番にマイクどりで演奏していくのですが、そのギターから音が出た瞬間、空気が変わりました。「何じゃこれは!」と心の中で叫んでいました。他のギターとは比べ物にならないすごい音でした。その日のうちに所有者であるギタ友に、「そのギター、もし売るようなことがあれば絶対に俺に声をかけてほしい!」と伝えていました。そう言いながらも内心では「たぶん、彼があのギターを手放すことはないやろうな。」と思っていました。それから何年もの月日が流れ、そんなこともすっかり忘れていた頃に突然そのギタ友から電話が。
「あのsomogyi、売ろうと思うんですけど買います?」
 まったく忘れてしまっていたので、一瞬間が空きましたが、すぐに「買います。」と答えていました。とは言ったものの、支払いのあては全くありませんでした。今の相場からすればかなり安い金額でしたが、それでも三桁万円!個人売買なので、原則キャッシュです。手持ちのギターを何本か処分して支払いに当てました。このギターは今でも手元にあります。

 サイドとバックはインディアンローズウッドですが、一般的なローズウッドの音ではありません。ものすごく低音が引き締まっており、高音もきらびやかに鳴ってくれます。音の芯も太く、強くアタックしても音がつぶれてしまうようなところがありません。ブラインドテストをしたら、ほとんどの人がハカランダと答えるのではないかと思います。レスポンスやふくよかさでは近年のモデルに負けますが、自分はこのギターの鳴りの方が好きです。


その③
 Epiphone FT-79 Texan(1959)

 たぶん1980年代の後半だったと思います。神戸のヒロ・コーポレーションで偶然見かけたギターでした。アメリカの業者から「とにかく素晴らしいギターだから、何も言わずに買っておけ!」と言われて仕入れたとのこと。それはちょっと話のタネになるかも?と思い弾かせてもらったところ、とんでもないシロモノでした。チューニングして弾き始めてすぐ、「これ、買います!」と叫んでいました。弾いてから「買います。」というまでの時間の自己最短記録だったように記憶しています。それほどインパクトの大きなギターでした。 
 それから数年後、フィンガーピッキングにハマり始めてだんだん弾く機会が減ってきました。そんな時、2本目のSomogyiを買うことになり、その資金を捻出するため売ることにしました。当時とても仲良くしていた御茶ノ水のクロサワ楽器店の店員さんに譲ったのです。 (彼はそのTexanを手に入れた後、「持っていたギターをすべて売ってしまった。」と言っていました。それほど差が大きかったとのことです。)
 手放した後、時が経てば経つほど「売らなければよかった。」と思うことが何度かありました。後で知ったことですが、このギター生産数がめっちゃ少ないんです。同じ仕様のギターは二百数十本しか生産されていませんでした。日本には、あったとしてもたぶん数十本ぐらいでしょう。「そのうちまた別のTexanが見つかるやろ。」思っていましたが、ほとんど見ていません。自分の記憶では、自分が持っていたのと別に見かけたのは2本のみでした。
 
 そして、それからさらに20数年の月日が流れました。たまたまデジマートでEpiphone Texan(1959)が出ていたのを見つけました。何度も画像を見直し、自分が持っていた写真と比べ、「間違いない!俺が持っていたあのTexanや!」という結論に至りました。
 その日のうちにメールを送ってHOLD。それが年末も押し詰まった12月30日でした。翌日大晦日にもかかわらず(そのショップが営業していたので)、片道3時間ほどかけて行ってきました。弾いて見て、間違いなく自分が持っていたTexanと確信。何の迷いもなく購入いたしました。このギターは、現在親しい友人が持ってくれています。


 ついでに書いておきます。
「縁がなかったギター」のお話。
 ブツはGREVEN Presentation これも神戸のギターショップ、ヒロ・コーポレーションでのお話です。

このギターです。忘れもしません。

 当時GREVENは中川イサトさんのイメージがあり、フィンガーピッキング用という認識を持っていました。このギターを弾かせてもらった頃はフィンガーピッキングを始める前で、それほど興味があるギターではありませんでした。が、弾いてびっくり!メッチャクチャええ音でした。価格は100万円!(1990年頃の話です、)2~3か月後に結婚式を控えていた時で、さすがに買うのは迷いました。それでもそのギターのことが頭から離れず(まさに寝ても覚めても、そのことばかり考えてしまうような状況でした。)何日か経過したのち「ええいっ!やっぱり買おう、借金してでも何とかしよう!。」という気になりました。

 そして・・・

結果は、こちらのブログをお読みください。

 拙い文章をお読みいただき、誠に有難うございます。皆様の感想、ご意見をお聞かせください。 またアコギに関する相談等がございましたら、どんなことでもOKです。遠慮なくお尋ねください。
宛先 e-mail:mail@acogian.com または twitter(@acogibucho)にお願いします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?