見出し画像

404 not found を読んでしまった

ジャグラーのジャグラーによるジャグラーのための小説

 ジャグラーのジャグラーによるジャグラーのための雑誌、JUGGZINE。その第1号には中西みみず作となる小説が載っている
 ジャグラーのジャグラーによるジャグラーのための小説だった。明日も早いというのについ読んでしまった。むさぼるように読んでしまった。おすすめかどうかはこれで伝わると思う。明日は起きれるのかしら。

 ジャグリングの出てくる作品はこれまでにもあったし、ジャグラーが小説家になってしまったこともあった。しかし、本作ほどジャグリングの風景を写実的に書いた、というかそれしかない作品はなかったと思う。いうなればこれまでのジャグリングが出てくる小説は、演劇の中の一風景としてジャグリングが出てくるのと同じく、小説の中のたくさんの仕掛けの一つでしかなかった。ここにはひたすらジャグリングがあった。あったのだ。not foundでなかったぞ。

2010年から2020年

 大学生ジャグラーがそのまま描かれていた。これはちょっと間違えたらジャグリング界の宴のあとなのかもしれない。そのくらい、知っている風景に溢れていた。スキャンダルはなかったけれども。
 とくに2010年から2020年がぎゅっと濃縮されていてあのころを生きたものとして懐かしさと甘酸っぱさ、それはもしかすると共感性羞恥かもしれないけれど、そんなものが口いっぱいに広がる気がしつつ一気に読んでしまった。

 ネタバレを避けつつ感想を書いたらこんな感じになったのだが。いまいちばん気になっていることはあのころを知らない人にはどう映るのか、ということ。その感想を聞きたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?