見出し画像

『否定的なフィードバックの受け止め方』Voicy2021年5月21日

今日のテーマは『否定的なフィードバックの受け止め方』

今から四年ほど前のことになります。ある講演が終わってQ&Aの時間になった時に、質問いただける方いらっしゃいますかと尋ねしたら、70代ぐらいでしょうかね、割と恰幅のいい白髪の男性が手を挙げて発言されました。

「あなたの話には矛盾がある」

そう言われたんですね。で会場がザワっとしましたね。私の心もザワザワとしましたね。ザワっとながらも、落ち着いて、

「そうなんですね。そういう風に受け止められたんですね。」その後に「どの辺りが矛盾してましたか?」って尋ねたような気がします。

でもその後のやり取りを詳しくは覚えてないんですね。その後に懇親会もありました。着席の食事会だったんですけれども。

そこで同じ席になった方々は励まして下さったんですよ。良い講演でしたよって。あぁいう風におっしゃった方もいらっしゃいましたけどねって。

ただ、自分の講演人生の中でも、多分初めてで今のところ2回目はまだ起こっていない出来事なので、すごくどうやって受け止めたらいいんだろうって思ってたんですよ。

それで私がこの出来事の中の、どこに目を向けたかって言うと「なぜそれを言われたんだろう」ではなくて、ああいうことを言われて、心の中は感情的になっちゃったけど、だけどそういう対応をしなかった。感情に飲み込まれずに落ち着いて話せた、自分の対応が良かった、っていう方に私は目を向けていました。

それから半年くらい経った時に、その話をある友人にしたところ、「あぁその通りだね」って言われたんですよ。「えっ?!」と思いまして。「だって、あなたの話は行動とずれてるところがあるから、その方の言う通りだと思うよ」って言われたんですね。

えっ〜?!っておもいますよね。それからですね、受け止められないと言うか、わからなかったんですね。自分はそんなに言ってることと、やってることが違うつもりがないんですよ。だから、どこかそうなのかがわからなかったんです。

時間をかけてそのことと向き合いました。と言うか時間がかかりました。わからなかったから。それでね、どれくらい経ってからですかね、2年、3年って言ったらかなり最近ですけど、本当にようやく最近になって、自分がいかに矛盾していたかっていうことが理解できるようになったんですよ。

と同時にそういう自分のアウトプットに対して、否定的なフィードバックをもらった時に、いかに自分がそれを真摯に受け止めてないかっていうことにもようやく気がつきましたね。

知識としては知ってたんですよ、人は聞きたいことだけを聞いているって。そういう話私もコミュニケーションの研修とかでお伝えしてきましたよ。

ただ自分の事ってなかなか分からないものですね。でもね本当にやっぱりこう都合よく話っていうのは聞いてるものなんですね。

どうですか皆さんもね、いろいろそれぞれのお仕事などで、アウトプットに対して否定的なフィードバックを受け取る事ってあると思うんですよね。その時にその出来事のどこに目を向けましたか。なぜそのフィードバックを頂いたんだろうと、自分事としてそれを捉えた時、そこにはすごい気づきの宝物が眠ってるなって思います。

でも自分ごとではなく、それを相手事にして、こんなことを言うなんてあの人は酷いとか、あんな場面でこういう言い方しなくてもいいのに、もうちょっとこう言ってくれたらいいのに。これ全部相手に目を向けてますよね。

でも全部自分に目を向けることができたら、最近思うのはどんな否定的なことを言われても当たってるなーってことなんです。それは多分来自分が見たくない自分っていうのに、ここ数年時間をかけて、結構苦しかったですよ、苦しかったですけど向き合ってきたので、割と何を言われてもねそうなんだろうなーって思いますわ。

それとですね、色んな事を言っていただけるその全てがね、ありがたいなっていう気持ちに、ちょっとですよ、最近ねようやくなってきたかなーって思いますね。何か言ってもらえるっていうのは、肯定的であれ否定的であれ、ありがたいなぁって思うんですね。

あとねもう一つ思うのは肯定的なことを言われて喜ぶっていうことは、否定的なことを言われたらがっかりする、っていうこととセットになってるなーってことです。

えー?じゃあ喜んじゃいけないの?って思うかもしれないですけど、別に喜んでもいいですよ。喜んでもいいんだけど、気がついたのは、どっちを言われても嬉しいっていう境地があるんだなっていうことです。

否定的も肯定的も、言っていただけるっていうこと自体がありがたいから。その境地にですね、私なんかまだ足を一歩踏み入れたぐらいですけれども、達すると、恐怖はなくなってくかなあと思いますね。

私はまだ薄れてきたなっていう段階ですけどね。そうすると、ここは話し方教室なので、話し方を切り口にしてお伝えするならば、人前で話すことへの恐怖とか、何か会話の中でこういうこと言ってもいいのかなという恐怖とか、そういったものも薄れていくんじゃないかなって思いますね。

さあそんなわけで、今日はどうでしょうね。お仕事をされていたら何かしらフィードバックを受け取ることはあるでしょうか。その時に『その出来事のどこに自分が意識を向けているかっていうことに気づいてみる。』ここがスタート地点な気がしますね。

そこからもし相手に意識を向けていたら、せっかく起こってくれた出来事ですからね、自分の人生のね。それを自分事にして、「はて、この出来事は自分に何を教えてくれているんだろうか?」というふうに意識をそっちに向けてみるとね、随分と見え方が変わってくるんじゃないかなっていうふうに思います。

Voicyリンク


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?