なぜお金を欲しくなるのか?

お金は多くの人が欲しがるものですが、なぜお金が欲しいのか、考えたことありますか?

私は特にお金持ちになりたいとは思わないんですが、生きていくうえでのコストはお金で支払わなくてはいけないことが多いので、ある程度のお金は必要です。

そこでお金とは何かを考えていくと、「お金はチケット」なのではないかと思うようになりました。

これをベースにしておけば、ビジネスのやり方が分かったり、むやみやたらにお金を欲しがる金の亡者にならなくて済むかもしれません。

1.お金が与えてくれるもの

お金があったらどんなことができるのか。色んなことが思いつきますよね。

美味しい料理を食べたり、旅行に行ったり、家電を買ってみたり。

この色んなことが思い付くというのが、重要なポイントです。

現代社会は貨幣社会ですから、基本的にお金で物事が動きます。

つまり、お金があれば、多くのことが自由に行えるのです。

言い換えれば、お金とは自由への万能なチケットなのです。そして、この万能さこそがお金の価値になっているのです。

マンガとかでよくある、子供が親に渡す「肩たたき券」もチケットですが、あれは肩たたきにしか使えません。でも「何でも言うこと聞く券」なら自由度が高まるので、もうちょっと価値があるチケットと言えそうですよね。とはいえ、これは親子関係でしか効力がありません。

これを誰でも使えるチケットにしたのがお金で、自由度が高いから価値があるということになります。

自由度(万能さ)と価値は比例するわけです。

お金は私たちに自由やより広い選択肢を与えてくれるものです。だから、私たちはそれを欲しくなるというわけです。

2.なぜお金を支払うのか

しかし、私たちは日常的にそんな万能なチケットを誰かにあげてしまっています。お支払いですね。

なぜ、お金を支払ってしまうのでしょうか。

それは私たちが将来使える自由へのチケットを手放してでも、「不自由さの解消」や「不安/リスクの軽減」をしているからです。

例えば、スーパーで野菜を買うということは、野菜作りの手間(不自由さ)を無くし、野菜を畑から近場までもってくる手間(不自由さ)を無くしているということです。それに対して私たちはお金を支払っているわけです。

よく市場では等価交換が行われると言われます。等価交換とは、同じ価値同士のものが交換されるということです。

ここでいう価値というのが「不自由さの解消」か「不安/リスクの軽減」なのですね。

だから、私たちは不自由さを解消したいと思ったときか、不安を軽くしたいと思ったときにお金を使っているわけです。

3.お金をもらいたいときは

逆に言えば、誰かの代わりに「不自由さや不安/リスクの抱え込み」を行えば、お金をもらうことができます。

このとき、自分ではそれを不自由だと思っていなかったり、リスクだと思わないものだと、相手からはお金をもらえるけど、自分は大したことをしていない(と感じる)という『ズレ』が生まれます。

この『ズレ』が大きいほど、人はお金持ちになれます。

どういうことか。

基本的にお金を得るには、経費がかかりますね。それはお金だけでなく、時間だったり、精神的ストレスなども含まれます。

で、もらったお金−経費>0でなければ、利益にならないですよね。

そして、もらうお金が同じでも、経費が小さくなれば小さくなるほど(つまり、利益率が高いほど)、儲けが大きくなりますね。

したがって、自分では大したこと無いと思ってることで、相手からお金をもらうという『ズレ』状態では、少ない経費でお金をもらえるということなので、自動的に儲けも大きくなるわけです。

だから、『ズレ』がある人はお金持ちになるという理屈です。

4.額面と価値は違う

しかしこんなことを言うと、「ちょっと待ってくれ」という声も聞こえてきそうです。

『ズレ』がある状態では、好きなことでお金をもらっている場合が多いですが、それが必ずしも金額が大きいとは限らないじゃないかという話です。

これはその通りで、金額が大きくなるとは限りません。

しかし、先ほど書いていたことを思い出してみましょう。

お金とは、自由へのチケットです。

それはつまり、現在(お金がない状態)が不自由であるということの裏返しです。

不自由が高ければ高いほど、自由への欲望は高まり、よりたくさんのお金を欲します。

でも逆に、自由度が高い人はそれほど多くのお金を欲しません。すでに自由度が高いからです。

そして皮肉なことに、多くの場合でたくさんのお金を得るためにはたくさん働かないといけません。働くというのは、不自由さを抱え込むことですから、たくさんの自由チケットを得るために、たくさんの不自由を抱えるということになります。

ちょっと変な話ですね。

もちろん、お年寄りになれば年金などもあるので、そこでようやく自由チケットを使うターンが来るわけですが、人はいつ死ぬか分かりませんので、損をしたまま逝ってしまうことだってあるわけです。

できるだけ損をしないようにするには、身の丈にあったお金、労働のバランスをとる必要があります。まあ、最近はライフワークバランスなんて言いますけどね。

今自分が持っている(お金を使わなくて済む)自由度がどれくらいで、どれくらい不足しているのか。その不足分をお金で埋めるには経費も考慮してどのように、どれくらい働けばいいか。

それを考えると自ずと、自分にとって必要なお金の量が分かります。これに過不足が無い状態が価値が最大化されている状態です。

年100万円で済む人もいれば、年1000万円必要な人もいるでしょうが、どちらも過不足がなければその人にとっては価値が最大であると言えます。

年収いくらか?という額面とその人が持っている価値(自由)。この2つは直接の関係がないのです。

5.自分にとっての自由とは何か?

こう考えていくと、結局大事なのは、自分にとっての自由は何かということです。

お金はツールに過ぎないので、賢く使いつつ、しかし支配されないようにする必要があるんじゃないかなと思います。

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