見出し画像

【表現評論】メモリーズオフ2nd コアレビューその14 ほたるルート(終)【全作再プレイシリーズ】

●メモオフシリーズ、その他作品、様々なネタバレが含まれます。

●前回の記事

⚫︎ほたるとつばめの格

ショートカットスタートの表記がほたる/つばめルートとなっています。やっぱり2ndはこの二人がダブルヒロインなのでは。隣に引っ越してきてるくらいだし。シナリオも力入ってるし。ほたるが人気すぎて忘れてたけど、開発の格的には同格なのかもしれない。

⚫︎雨の日の問いかけ

から再スタート。ほたるは永遠に続く恋も、あると思う? と問いかけます。主人公はあると回答。まあないんだけど。永遠に続く恋があるとしたら、その二人は一般的なヒトの概念からかけ離れた存在だと思いますね。つまり主人公とほたるには当てはまらない。ほたるが遠くに行って二度と会えなくなってもずっと好きでいてくれるのか、という面倒な女質問リストに入っていそうな問いかけもしてきます。主人公は言わなくてもわかるだろうと言いますが、いわなきゃわかんないよと。前は健ちゃんのことなんでもわかったのに、最近よくわからんという話です。

⚫︎ほたるのピアノレッスン

前にも言ったけどほたるは先生には向いてない。ここでいつか悲愴ソナタを弾く約束をします。普通に弾けるようになるには、どれだけかかるんだよ。エリーゼのためにとは訳が違うと思いますが。

⚫︎つばめとてるてる坊主

部屋に入ってきててるてる坊主の歌を歌い始める先生。ええ声しとるやん。当たり前だけど。てるてる坊主の3番の歌詞は「それでも曇って泣いていたら そなたの首をチョンと切るぞ」らしいですが、この手の歌って恐ろしい内容多いですよね。かごめかごめとか。Remember11でも出てきたやつ。てるてる坊主は形代とそおちんにゃん人形が合体してできたもので、元々は晴れになったら川に流して供養していたとか。しつこいけど、民明書房じゃないよね?

⚫︎手が動かなくなるほたる

予選突破したはいいけど、ピアノの前に座っても何もできなくなります。優勝したら海外行きだからね。何ならしなくても海外行きみたいな話をしていたような気もしますが、そのへんよくわかりません。意気消沈しているほたるのために、悲愴ソナタを弾く約束をオルゴールを作って間接的に叶えようと考えます。張り切ってるところ、ピアノを弾いているほたるとその横にいる翔太に遭遇。つばめルートと全く同じです。

⚫︎夜の動物園へ

つばめルートではスルーでしたが、今回はちゃんと動物園に行きます。僕は本当はほたるが好きじゃないなんじゃないか、きちんと言わなければと逡巡する主人公。ずっとこんなこと言ってんな。結局海沿いでもう一緒にはいられないと告げます。ほたるは南先生が好きなんでしょと返してきますがつばめルートなら正しいけど、今回は違うだろ。なんでもわかってると言いつつわかってない。でもどうでしょうね。元々の構想は、もっとガッツリほたるとつばめの二択にするつもりだったのかもしれない。路線変更したから、不自然なセリフが残ってるんじゃないか。超解釈か。お前には翔太がいるだろ、と返す主人公。なんでそこで翔たんが出てくるの、と返すほたる。ここでイナケンブチ切れです。うるせぇなぁ! もう、ぼくのことなんかほっといてくれよ! DV男の素質があるかもしれない。

最初から、ほたるのことなんか、なんとも思ってなかったんだ。嫌いじゃなかったけど、好きでもなかった。ほたるが告白してきたら……だから惰性て、適当に付き合ってやっただけなんだよ

Memories Off 2nd

半分は本当だと思うし、ほたるもそれに気づいてんだよね。最初からほたるの我慢ありきで成り立っている関係です。

⚫︎登波離橋で再会

ようやくウィーンに行くこと告げられます。あと数日しか日本にいないと。なぜ早く言わないのか。ずっと前から決まってたことという話ですが、なんかおかしくないか。コンクールの優勝がウィーン行きじゃなかったっけ。ルートによって話が違うような気がする。今回はウィーン行きがとっくの前に決まっていたことにあっているらしい。優勝がウィーン行きなのは、静流ルートだけの話か。

健ちゃんはほたるのこと、本気で好きだったわけじゃ、ないんでしょ?

ここで物語の核心に触れてくる。最初からわかってたと。だからコンクールで優勝すれば、主人公も振り向いてくれると思ったらしい。はたから見ると、ほたるの方が格上カップルですけどね。ほたるはそう思ってなかった。

⚫︎信のおまじない

信がかつて友人にかけたおまじないと称して、「雨はいつ上がる?」と書かれた紙を渡してきます。これで1stの正史は唯笑TRUEエンドであることが確定しました。GOODではないと。

⚫︎主人公の心境

どんどんほたるの方が格上になっていくのが恐ろしくなって、捨てられるのが怖くなって、そっけない態度を取り続けたらしい。その方が捨てられた時の傷は浅くて済むと。そうかなぁ。後付けで言ってないか。僕はほたるが感じ取っていたものが本心だと思いますけどね。失うとわかったら、気持ちに火がついたという方が正しいのではないか。当然悪いことではない。その熱い気持ちを伝えるためにオルゴール作りを再開します。

⚫︎今度こそ動物園へ

オルゴールを無理やり完成させて、速攻で白河邸へ。コンクール前日なので合わせることを渋る父親を無理やり突破して、動物園に連れ出します。コンクールなんてどうでもいいから、来いと。それがほたるが欲しがってた言葉ですからね。最初からやっとけよと言いたいが、人間失敗しないと学ばないので。愛の夢が流れる中で、最後の夜を楽しむ二人です。多分2ndの名シーンを上げるなら、真っ先に来るシーンじゃないかな。バカップルぶりを発揮して愛を語り合ってるところで、警備員に発見されて逃亡することに。家に帰る前に登波離橋でオルゴールを渡します。ぼくの愛は夢じゃ、ないから。愛は夢なのかどうかという問いに、今度はきっちりと答えました。いやぁ〜。いい話だなー。ほたるは見事にコンクールで優勝して、ウィーンに旅立ちます。前日連れ回したせいか、一目会うことも無理だったというね。

⚫︎つばめの引越し

急に引っ越していなくなるつばめ。つばめルートで最後に呼び出されるシーンがありましたが、引越しの話だったと思われます。

⚫︎1ヶ月後

音沙汰なく1ヶ月後。現実の恋愛なんてこんなもんで終わっていくのか、と思いつつ過ごしていた主人公のところに、ほたるは帰ってきます。グラウンドにラインマーカーでけんちゃん大好きだよぉ〜と、デカデカと書いて、叫びながら突如現れるほたる。全校生徒に聞かれまくってるので、完全に羞恥プレイです。全校生徒に見られながらキスして終了。エピローグで願いを叶えてくれたそおちんにゃん人形を川に流して終わりました。二人の間の雨が上がったってことですね。

⚫︎ほたるルート

すみません。人気キャラなので好意的に書こうと思ったんですが、やっぱりこのルートは微妙でした。久しぶりにやり直しても、あまり変わらずか、微増くらい。主にイナケンのせいです。ほたるが理解不能、という点は昔よりも改まったと思いますが、イナケンはやはり意味不明です。初めからほたるのことは好きじゃなかったというのを、なんか都合よく捻じ曲げてるので、根本的なことを有耶無耶にして終わった感じがすごいです。結局、元から愛し合ってました、という話に落ち着きました。そうじゃねえんだよなぁ。この話は、一回関係が壊れてから、もう一回新しく作り直さないとダメなんじゃないですかね。ほたるへの愛を作り直すとか、もう一度再確認して育てていくところを、もっと丁寧にやっていれば、神ルートで神作品だったかもしれませんが、どうも納得いかない。あっさりすぎでしょ。他のルートでも、散々元から好きではない。少なくともほたるが望むほどの恋愛感情は持っていない、というのが繰り返し語られていたわけで。別れと共に感情に火がついたんならそれでもいいんですが、そうは言ってないんでね。元から僕はほたるが好きだったんだ! という流れです。本当か〜? 感情の後付けという感じがして、やはり納得できません。

内容は置いておくとして、ほたるルートは演出が素晴らしいですね。最後のシーンとか、登波離橋の別れのシーンとか、コンクールのシーンとか。それも込みだと、普通くらいの評価になりそうです。再プレイ前は理解不能枠に入ってたので、評価は上がってます。ただ記憶が正しければ、外伝やると評価下がるんですよね。これはやらない。

⚫︎その15へ


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?