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書きたいことがある。それが一番の力になる。| 「言葉の企画2019」第4回

阿部広太郎さん主催「言葉の企画2019」も、
とうとう折り返し。
8月10日、みなとみらいで
第4回の講座が開催されました。
課題は、あなたの「素敵」な人についてエッセイを書くこと。

今回も、課題に取り組んで感じたこと、
講座を受けて思ったことを
書いていきたいと思います。


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ずっと、言葉が苦手だった。

コピーライターになって3年半。
にもかかわらず、ずっと言葉をあつかうことに
自信が持てませんでした。


ゴリゴリの理系で、音楽や映像、
プログラミングを学んできた学生時代。

いろんなことに興味があるぶん、
そのどれもに関わっていられる仕事がしたくて。
そして、どんな分野の根底にも
“言葉”というものの力が影響している気がして。

コピーライターという仕事を選びました。


とはいえ、これまで言葉について
深く学んだことはなかったし、考えたこともない。
正確にいうと、もちろん興味はあるんだけど、
その先の表現の方が気になって
自分の中で疎かにしてしまっていた感覚。

ある種のコンプレックスのようなものだと思います。
コピーライターという肩書きは、重い。
言葉という誰でもあつかえるもののプロを名乗るからこそ、
そこに対する期待値もハンパじゃない。

自分なんかが言葉のプロを名乗っていいのか…
そんな葛藤が、ずっと自分の中で渦巻いていました。


だからこそ、今回の課題を聞いたときは
とうとう来たか、と。

コピーに対する苦手意識もそうですが、
長い文章となるとその気持ちも一入。
言葉の量が多いとその分だけ、書き手の人格が出る。
というかバレる。

もちろん仕事を通して、
何度も文章は書いてきました。
それでもやっぱり、
自分の中にある意識はカンタンに消えてはくれない。

コピーライターが書くエッセイ。
誰がどう見ても、ハードルは勝手に上がる。

ほんとに自分に書けるのか…

結局課題を提出した後も、
そんな思いは拭い切れませんでした。


でも、もしかすると
そんな考えは杞憂だったのかもしれません。

言葉の企画生のみなさんのnoteを読んで。
阿部さんからコメントをいただいて。

少しだけ、自分の中に気づきがありました。




書きたいことがある。それが一番の力になる。


今回の課題、
他の企画生のみなさんが書いたものすべてが、
本当に素晴らしいと思いました。

それは僕がコピーライターをしているから
上から目線で評価をしたいとかそういうことでは本当になくって、
どのエッセイも心に響いてきて、とてもよかった。
企画生のみなさんの言葉一つひとつに、
いつも以上に心がこもっているように感じました。

テーマが、自分の素敵な人だから気持ちがのりやすかった、
というのもあるのでしょう。


企画書やネーミング、コピーに関しては
正直技術や経験がものを言う場面も
少なからずあると思っています。

けれど、今回はそういう要素が全然問題じゃなかった。
というより、そもそも優劣なんて話じゃない。


みんな、各々に伝えたい素敵な人がいて、書きたいことがある。
課題の一つではあるけれど、
根底にあるのはどこまでもまっすぐで、純粋な、
その人にとって大切な気持ち。

いわば、本気のエッセイが集まっている。
だからこんなにも読み応えがあって、
どんどん読んでしまう文章ばかりなんだ。


かく言う自分も、
語彙とか、レトリックとか、言葉選びのセンスとか。
いろいろと足りないものがあるのは承知のうえで、
とにかくKさんのカッコよさとか、魅力を知ってほしくて
がむしゃらに書きました。


結果、いろいろな人にコメントをいただけて、すごくうれしかった。
まだまだ未熟な自分だけど、ふだん感じていることや
大切にしている思いを言葉にすれば、
誰かに届くんだなと気づくことができました。


「技術とかそういうことじゃなくて、
書きたいことがあるなら、書いていいんだよ」。

そんな風に、
背中を押してもらったような
気分になれました。




言葉の力はすごい。でも、身構える必要はない。


思えば自分は、言葉をあつかうことを
神格化しすぎていたのかもしれない。


書く力がある人の文章は、
読んでいて引き込まれる。圧倒される。

けれどそれは、
その人に技術があるからじゃない。

書きたいことがあって、
それがその人の筆を走らせている。
本気の思いが言葉にのって、
心の奥に届いてくる。

エッセイを書けと言われて、
正直身構えてしまった自分がいる。
けれど、実際に書いてみて、
たくさんのコメントをもらうことができた。

言葉の力は強大だけど、
書くことに対するハードルを
自分であげなくてもいいんだ。


まずは、自分と向き合って
書きたいことを見つけ出すこと。

もちろん技術やどう表現するかも大切だけど、
まずは伝えたいこと、知ってほしいことを
言葉として目の前に並べてみる。

文章として、作品として。
洗練させていくのは、その後でもいいのではないか。


今回の課題を通して、
そんな風に思うことができました。


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「言葉の企画」は、
残すところあと二回。

実は仕事でいろいろあって、
今回の課題は出すか迷っていました。


けど、出して、参加してよかった。


「言葉の企画」の課題は、
本当に毎回、自分と向き合う
いいきっかけになってくれる。

コピーライターとしてだけでなく、
人間として、一歩ずつ成長できている。

そんな実感があります。

残り二回。
忙しかったり、嫉妬したり、落ち込んだり。
半年もやっていると、自分を取り巻く環境も変化するし、
いろんな感情が浮かんでくる。

けれどこれからも、
自分らしく、マイペースに
一瞬一瞬を大切にしたい。

あと二ヶ月だなんて、
ほんとにあっという間だなあ。

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